金属スクラップのリサイクルチェーン動向~日本の目指すべき姿:仮説~ ブックマークが追加されました
ナレッジ
金属スクラップのリサイクルチェーン動向~日本の目指すべき姿:仮説~
鉄鋼・非鉄金属業界向け Newsletter「Next Stage」Vol.29
金属スクラップのリサイクルチェーン動向~日本の目指すべき姿:仮説~
環境保護を目的とした最終処分削減や温室効果ガス削減等の観点より、資源循環型社会、サーキュラーエコノミーといった、リサイクル関連のトピックスが着目され始めています。しかし、まだまだグローバルにおいて経済合理性(=参加するプレーヤーが、収益性を確保し、”経済的“にも持続的にビジネスを推進可能か?)の観点で課題の多い領域です。
本報告では、ベースメタルやレアメタル、さらに東京2020 夏季オリンピックにおけるメダルの原料として話題にも上がった都市鉱山等も含まれる、『金属スクラップ』にフォーカスし、トレンドと抱える課題について言及の上、日本の金属スクラップのリサイクルチェーンが目指すべき姿の仮説について提言を行いました。
(プロセスユニット ニュースレター「Next Stage」vol.29 2022年4月発行)
【目次】
- 金属素材生産を取り巻くマクロトレンド
2050年に地球温暖化の原因となるCO2排出量0を目指している。金属素材生産はその生産過程においてCO2を大量に排出するため、従前の事業モデルの変革が必要となるほどの大きな技術的、商業的挑戦を強いられている。
- 天然資源由来とスクラップ由来の金属素材生産
金属素材の生産には、現在主流となっている天然資源を原料にする方法に加え、スクラップを原料とする方法も存在する。ぞれぞれの内部要因(原料・製造プロセス)と、外部要因(原材料調達に関する要素、地政学的要素)を比較する。
- スクラップ処理の現状
スクラップの中でも、一定のガサ量が有り、かつ極力そのままの形で再原料化しやすいもの(アルミなど)と、E-scrapのような複雑な破砕・選別が必要となるスクラップについて、先進国におけるスクラップ処理の実態に触れる。
- スクラップリサイクル処理の概要
スクラップのリサイクルチェーンは、元素やスクラップ種類により若干異なる部分はあるものの、基本的には、『回収』/『破砕・選別』/『製錬・精製』を軸とし構成されている。本章ではその工程概要を説明する。
- 金属スクラップリサイクルチェーンにおける昨今のトレンド
近年は、グローバルのマクロトレンドとして存在するカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー社会への関心の高まりに加え、AIやIoT等の先端技術を活用した高度な破砕・選別技術の台頭、さらに産学共同研究等を経た製錬・精製プロセスの高度化によって、スクラップ由来の製錬全体が活況を示し始めている。しかし、金属スクラップのリサイクルチェーン全体において依然、効率化・高度化に寄与する打ち手が必要とされている現状について、取り組み事例を元に紹介する。
- 金属スクラップリサイクルの促進に必要な要素の仮説
金属スクラップのリサイクルを取り巻く環境と、直近のトレンドを元に、金属スクラップのリサイクルを取り巻く環境と、直近のトレンドを元に、促進に必要な要素について考察する。
- 日本国内におけるスクラップ由来の製錬を中核とした資源循環促進に向けた打ち手仮説
日本の金属スクラップのリサイクルチェーンの目指すべき姿について考察する。
- 最後に
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