東京都 社会福祉施設等に対する指導検査業務システム

システム導入の背景

東京都では、都民が安心して質の高い福祉・医療サービスを利用することができるように、社会福祉施設等の事業者に対して対面・書面により指導を行うとともに、サービスの質の向上を目指した育成にも取り組んでおります。

しかし、指導検査に必要な文書の事前提出や、実地指導での当日対応等、事業者の事務負担が大きくなっています。また、行政の職員も、指導検査の対象事業者数が多いことや確認する文書が多岐に渡るため、指導検査に長時間を要してしまい、実施率の向上に限界がある状況でした。

そのため、事業者の業務効率化、行政の生産性向上が急務となる中、デジタルファーストの視点を取り入れることで、事業者及び行政の事務負担の軽減、利便性の向上を図るとともに、都民へ質の高い福祉・医療サービスを利用できるよう、指導検査業務を支援するシステムを導入しました。

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導入の効果

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＜導入効果＞

①計画策定：鮮度の高い情報をスピーディに取得

情報がシステムに一元管理されるため、関連部署への問合せや過去資料の収集といった作業が不要となり、計画策定に必要な情報を必要なときに確認できます。

②事前準備：オンラインで完結してペーパーレス化

印刷、封入、仕分け、書類管理などの紙を起因とした作業が不要となり、資料の授受及び管理に関する事務負担が軽減します。

③実地/立入検査：タブレット端末を活用した現地データ登録

現地でタブレット端末を使ってデータ登録から指導事項票の交付まで可能となるため、帰庁後の再入力が不要となり業務効率が向上します。

④評価・事後処理：二重入力と担当者間のバラつきの削減

システムで帳票作成することで作成の都度必要であった二重入力がなくなり、また指摘文のひな形を活用することで担当者間での指摘内容のバラつきを改善します。

行政職員だけでなく、事業者にとってもペーパーレス化や行政への書類提出時のアクセス先サイトの一本化など、事務負担を軽減するメリットが期待できます。

＜事業者の業務変化点＞

書類の電子化

行政とやり取りする資料が紙ではなく電子ファイルに統一できます。

アクセス先の集約

行政HP・メール・申請サイトと書類によって利用するサイト・ツールが異なる現状から、メールと本ソリューションのポータルサイトに集約できます。

提出書類の事前入力

行政から受領する提出資料の様式において、一部の項目が入力されている状態で受け取れます。

過去情報のデータ検索

過去の提出資料や当時の指導内容を本ソリューションのポータルサイトから閲覧可能となります。

進捗管理の可視化

指導検査の日程、事前準備の状況を紙や自身管理するのではなく、システムが管理してポータルサイトで確認できます。

ソリューション概要

本ソリューションは、指導検査業務の主たる業務だけでなく、周辺業務となる苦情・告発や相談管理機能も有しております。

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Salesforceをベースとしたソリューションとなっており、データは一元管理しつつ、事業者と行政職員とでアクセスするサイトが異なった構成になっております。

事業者が利用する事業者ポータルサイトでは、事業者側が対応すべきこと、指導検査等の状況を確認することが可能です。このポータルサイトから書類の提出や行政からの通知書類の確認もできます。

行政職員が実地検査で利用する指導事項票（チェックリスト）は予めマスタデータに検査項目を設定しておくことで、事業者の種別に応じた検査項目を自動で表示します。検査当日は、タブレット端末やノートPCから指導結果を登録して、その場で交付する帳票のPDF出力まで実施できます。

また、事業者へ通知する指摘文もマスターで管理しており、キーワード検索することで指摘文のテンプレートを引用することが可能です。これにより、担当者間での指摘文のバラつきを緩和することができます。

受賞実績

東京都庁内の優れたデジタルトランスフォーメーション（DX）の取り組みを表彰し、さらなるデジタル活用の機運醸成につなげる「都庁DXアワード」において、2023年度の最も優れた知事賞に選ばれました。