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サービス
デジタルエンジニアリング・PLM導入支援サービス
製造業におけるDigital Transformationを実現していくためには、基盤情報となる、設計データを管理・流通させるPLMシステムの整備が欠かせません
目次
- 製造業のDigital TransformationにおいてはPLMシステムの整備が欠かせない
- PLMの導入の成功率はエベレストの登頂なみに難しい
- PLM山に潜む3つの罠とその克服の鍵
- Deloitteでは製造業におけるPLM導入を企画から導入までトータルで支援しています
- PLM導入プロジェクト推進上の課題
製造業のDigital TransformationにおいてはPLMシステムの整備が欠かせない
Digital Engineering/Manufacturingの実現、保守サービスにおけるAR/VRの活用、大量の設計データからの設計意図やナレッジの検索など、製造業のDigital活用について華々しいビジョンが提示されていますが、その基盤情報となる3Dデータ等の設計情報はタイムラグなく関係者と共有化できているでしょうか?まだまだ多くの製造業において、道半ばで留まっているケースが多いのではないでしょうか。その理由には、ITツールがVisionに追いついていなかったことが大きいといえます。複数のViewで3D構成を見る機能、軽量3Dデータとのリアルタイム統合など、ようやくPLMパッケージが具備しつつあります。
PLMの導入の成功率はエベレストの登頂なみに難しい
下記の54%はAras社の調査レポートからの引用ですが、PLM導入の成功率は50%強となっています。昨今BOM/PLMは空前の再構築ブームとなっていますが、その裏では罠にはまり、もがき苦しむケースが散見されます。
我々がコンサルティング現場で直面した事例から、成功には3つの罠を克服することが必須であると考えています。
PLM山に潜む3つの罠とその克服の鍵
コンサルティング事例から紐解いた企画の罠を克服するためのコツ
BOM/PLMの再構築において、最初に直面するのが「企画の罠」です。設計情報の活用は設計部門のみならず、調達・製造・品質管理・営業・・・と多岐にわたり、利用者が数千人~1万人を超えるケースもあります。日々の現場の課題をボトムアップで収集し、課題を体系化することはある意味「容易に」できるかもしれません。また、昨今のPLMパッケージが網羅的に揃えている機能群を見ると容易に導入ができそうにさえ思えてきます。しかしパッケージ活用のスコープを広げれば広げるほど巨大な投資になり、投資に見合った経営課題解決のストーリーを描けないまま、よく似た企画だけが何年にもわたり作り上げられてきた、ということはよくあるご相談の一つです。
企画が通り無事プロジェクトが発足した後に訪れるのが「標準化の罠」です。単なるツール導入ではなく業務改革である、標準化により管理工数を減らし人材流動性を高める、といった目的を掲げられ複数事業部や複数工場(設計拠点)のメンバーが集まり討議されます。しかし互いの違いを知るにつれて、何を標準とすべきなのか/どこまで標準化すべきなのかを繰り返し、そもそも標準化は無理ではないのか、標準化は必要ではないのかと堂々巡りし時間だけが立ってしまうというのもよくあるケースです。
最後に「要件定義の罠」が待ち受けます。新たなBOM/PLMに置き換えられる現行のBOM管理や図面管理システムは、十数年前にスクラッチで開発され関連部門で個別にメンテナンスされている仕組みであることが多いです。今と同じことができればよい、などという理由から要件定義をショートカットしたり、SIerに任せて完成イメージを具体化しないまま(営業ベースのソリューションが出来上がることを信じて)開発に挑むと、現行の使い勝手のいい仕組みと比較され、ユーザー受入NGとなり期間とコストをオーバーしながら妥協案を探し続けるという結果になってしまいます。
Deloitteが考えるPLM山に潜む罠と克服の鍵
1.企画の罠
いつまで経っても企画が終らず、登山口に辿り着けない罠
- トップダウンとボトムアップの両面から攻める
- 会社の責任部門に推進させる
- 事業計画の大波に乗る
- 情報提供部門のメリットを強調する
2.標準化の罠
標準化をあきらめ途中で下山せざるをえない罠
- 常に発足当初の標準化の目的を掲げておく
- 工場横断、開発・製造横断で見通せるメンバーを参画させる
- 標準化が難しくても影響力の大きな工場/事業部から手を付ける
- 業務を構造化して整理し可視化する
- 標準プロセスは各工場/事業部のエース級メンバーで腹落ちするまで議論する
- 標準化の譲れないところを決めておき、譲れるところも残しておく
3.要件定義の罠
頂が見えたと思ったら別の要件山が聳え立っていた罠
- 業務・機能のそもそもの必要性を討議する
- PLMパッケージを使う場合は製品の思想を理解
- PLMパッケージ標準機能へ極力誘導する
- プロトタイプを活用しイメージベースで要件を合意
- 業務要件・システム要件を“本気”でレビュー
- ユーザーの立場から要件をコミットできる責任者/エースをアサインする
- 業務・システム両面を理解したうえで要件定義をファシリテートできるメンバーをアサイン
無料の“PLM山の登り方”講演・ディスカッションサービスを提供しています
これらの罠にはまった企業に対してどのような打ち手で抜け出したのか、“PLM山の登り方”を知りたい・議論したい方がおられましたら、お気軽に弊社へお問い合わせください。(講演1時間・ディスカッション1時間を無料でご提供しています)
Deloitteでは製造業におけるPLM導入を企画から導入までトータルで支援しています
企画構想フェーズで青写真とロードマップを描くだけでなく、新システムにより業務改革を成し遂げるまで、お客様に寄り添い・伴走型でサポートをしています。
PLMシステム導入支援の一例 (PLMパッケージが決まっているケース)
PLM導入プロジェクト推進上の課題
“PLM山に潜む罠”を克服するためだけでなく、推進上の課題として次のような状況に直面しているのが実態と感じています。PLMシステムは10年~20年運用されるケースが多く、導入プロジェクトに不慣れであり、忙しいエンジニアを専任者としてつけることもままなりません。
<ユーザの推進上の課題>
- PLMシステム導入プロジェクトに不慣れで進め方が分からない
- 専任者がおらず兼務ばかり。IT部門・業務部門ともにリソースが不足
- PLMツールの機能や事例に疎く、何を目指し、現実的にどこを目標にすべきか分からない
また、システム構築パートナー面においても推進上の課題があります。デジタルトランスフォーメーションのトレンドの中、現在PLMシステム構築がある種のブームとなっており、慢性的にパッケージコンサルタントやシステムエンジニアが不足しているため、次のような状況が散見されます。
<SIer/PLMベンダーの現状>
- PLMパッケージの機能は分かるが業務知識に疎い人が多い
- PLMパッケージの思想まで踏み込んだ検討をできる人が希少
- 昨今のPLM需要増大によりリソースは慢性的に不足、急造の人も多い
- プロジェクト管理よりもシステム品質に注力せざるを得ない体制
PLMシステム導入におけるDeloitteの提供価値
Deloitteは様々なPLMシステム導入実績に基づく推進ノウハウを有しており、ユーザーとPLMベンダー双方のニーズを満たす支援をしています。
DeloitteのPLM業務成熟度アセスメント
企画構想策定においては、独自のPLM業務成熟度モデルを活用したアセスメントを必要に応じて実施しています。
業務成熟度モデルは例えば以下の項目をカバーしています。
- プロジェクトポートフォリオ・技術ロードマップ
- リソース管理
- プロジェクト管理
- 製品開発ステージ/ゲート
- 要求仕様管理
- BOM/製品情報管理
- ソフトウェア設定管理
- 設計管理・業務連携
- ソフトウェア開発ライフサイクル
- 製品コスト管理
- 変更管理
- ソフトウェア共同開発
- 技術文書管理
- サプライチェーン連携
- デジタル製品開発
- 製品コンプライアンス・品質管理
- アフターサービス など
PLM業務成熟度モデルの一例
R&D・PLM領域において幅広いサービスをご提供しています
デジタルエンジニアリング・PLM導入支援サービスのみならず、製造業が抱える製品開発領域に関わる様々な課題に対して、コンサルティングサービスを提供しています。
マスカスタマイゼーション対応の前提となる、モジュラーデザイン改革、事業計画や受注判断時に開発リソースキャパシティにアラインさせるための開発リソースマネジメント、設計効率化や開発リードタイム短縮のための施策を導き出す製品開発改革構想策定、グローバル開発生産を実現するための開発プロセス標準化。また下記に挙げたオファリングのみならず、品質改善のための構想策定と実行PMOサービス、エレキ設計中期改革企画策定、開発リードタイムベンチマーク調査、デジタルエンジニアリング・ベンチマーク調査、働き方改革のための設計効率化改善など、様々な実績と経験を有しています。
R&D・PLM領域のサービスオファリング
- 製品開発改革構想策定
- 開発プロセス標準化(グローバルQMS構築)
- 開発リソースマネジメント改革
- 製品コストマネジメント改革
- デジタルエンジニアリング・BOM/PLM
- モジュラーデザイン
製品バリエーション最適化 - 製品ライフサイクル
収益マネジメント