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「農業経営シミュレーション」による経営の見える化
JA、行政機関等による農業者の所得増大に向けた農業経営の“見える化”を支援
デロイト トーマツは、これまで見えづらかった農業経営を“見える化”する「農業経営シミュレーション」を開発しました。地域農業振興を推進するJA、行政機関等が、「農業経営シミュレーション」を活用し、農業者に対し経営分析や経営指導をする取組みを支援します。
農業経営シミュレーションとは
農業経営シミュレーション」は、農業者の目指す「売上」「所得」に向けた「作型・面積」「人」「機械」を数値で見える化するシステムです。
農業経営シミュレーション詳細画面イメージ
「農業経営シミュレーション」の3つの特徴
「農業経営シミュレーション」は、①「総合的かつ数値」で示すシミュレーション、②「農作業のやり方」に応じたシミュレーション、③「直感的操作と結果がひと目でわかる」シミュレーションの3つの特徴を持ったシステムです。
①「総合的かつ数値」で示すシミュレーション
「売上」「所得」と「作型・面積」「人員体制」「機械」の各要素が数値で連動することで、関連性を明確にしたシミュレーションが可能。これにより、「規模拡大し売上はあがったが、雇用・機械投資でコストがかさみ、所得はあがらなかった」を防ぐ。
②農業者自身の「作業のやり方」に応じたシミュレーション
「10aあたりの標準的な収穫時間」のような概算値でのシミュレーションだけでなく、農業者自身の「農作業のやり方」に応じたシミュレーションが可能。(作業時間を、圃場設計と作業方法より算出するシミュレーション)
③直感的な操作と結果がひと目でわかるシミュレーション
複雑な操作は一切なく、質問に答えながらデータ入力するだけで、シミュレーションをゼロから作成することができます。作成したシミュレーション結果は、グラフで視覚的に表示され、年間の作業時間や作業負荷、圃場・農機等の稼働状況、販売・所得等がひと目でわかります。
データを活用した農業経営の必要性
日本農業は担い手不足や高齢化が進み、2009年には290万人だった農業就業人口は、2019年には168万人まで減少し、今後もさらに減少することが見込まれています。
農家数が急速に減少している中で、地域農業を維持していくためには、1経営体当たりの経営規模を拡大していく、すなわち、家族農家から外部雇用を含む経営体に転換していく必要があります。
このような経営体においては、これまでの家族経営でありがちであった“ブラックボックスでも経営がまわる”では限界があるため、農業経営をデータで見える化し、ヒト・モノ・カネ・情報を管理していくことが不可欠です。
こうした次世代の「農業経営者」と伴走して農業振興を推進していくJAや行政機関にとっても、農業経営をデータで示し経営指導を実践していくことが求められています。
「農業経営シミュレーション」の活用例
〈JA・行政機関〉
- 農業者の経営課題の分析・経営指導
- 営農・経営計画の策定 など
〈農業法人・認定農業者〉
- 中期経営計画や経営改善計画の作成 など
〈企業〉
- 農業参入計画の策定(スマート農業の導入計画など)
- 自社農業経営の見える化
- 農業融資の推進 など
その他の記事
産地全体へのスマート農業展開支援
「JAとスマート農業企業の連携」と「効果の数値化」によるスマート農業の普及