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プロセスマイニングサーベイ 2021

プロセス分析による価値の創出~プロセスマイニングの活用と成功要因~

今回のプロセスマイニングサーベイ 2021では、プロセスマイニング導入・採用の現状について、およびプロセスマイニングがどのようにして価値を生み出すかについて言及しています。この調査の目的は、プロセスマイニングプロジェクトの傾向と課題を特定し、利用者がプロセス分析を正しく活用し、有効な付加価値を生み出せるよう、洞察を提供することです。

プロセスマイニングサーベイ2021 プロセス分析による価値の創出~プロセスマイニングの活用と成功要因~

プロセスマイニングは、データマイニング、分析、およびプロセス最適化の組み合わせによる業務プロセス改善に対する革新的なデジタルアプローチです。プロセスマイニングは、実際の生のデータに基づき、企業の運用プロセスと管理プロセスに関する価値のある詳細な洞察を提供し、改善点を特定することが可能です。

このようなデータドリブンによるアプローチの重要性が高まっていることから、プロセスマイニング利用者と関連する意思決定者がプロセスマイニング導入および活用に既に着手しているかどうか、また、その利用範囲についてサーベイを実施しました。

更に本サーベイでは、実際にプロセスマイニングが企業にもたらした価値、およびプロセスマイニングの導入・拡張の成功要因を特定しています。

 

本サーベイによる主な発見

  • 回答者の大多数、63%は既にプロセスマイニングの導入を開始しています。また、現在未導入と回答した回答者のうち、87%がパイロットプロジェクトを実施する計画を立てているか、PoCを実施してみたいと考えていると回答しています。
  • プロセスマイニングを既にグローバル規模で利用している企業の83%が、プロセスマイニングの活用拡大を計画しており、また、プロセスマイニングを一部で導入している企業の77%、およびPoCを最近開始した企業の63%も同様に、活用拡大を計画しています。
  • 企業がプロセスマイニングに期待している主な効果は、プロセス改善、プロセスの透明化、およびコスト削減です。本サーベイの回答者の84%は、プロセスマイニングが価値をもたらすと考えています。回答者の31%が、プロセスの最適化 (自動化等) によって価値がもたらされたと答えています。
  • プロセスマイニングの最も一般的な導入時に選ばれるプロセスは、高効率でありながら価値は低いサポートプロセスである傾向があります。ほとんどの企業は、シンプルで高度に標準化されたデータセットを持つプロセスから開始しています。特に選ばれている一般的なプロセスは、購買プロセスと会計プロセス、続いて販売プロセスとITサービス管理プロセスです。

本サーベイの調査結果から、プロセスマイニングで成功するために必要な要件が特定されました。特に重要な、上位5つの成功要因を紹介します。

 

上位5つの成功要因

  1. ITとビジネス門の連携
  2. 良いデータ品質
  3. 明確な目標設定
  4. リーダーシップのコミットメント
  5. 使用可能な専用リソース

プロセスマイニングをどのようにして活用・拡張していくかについて、更なる結果と洞察については、本サーベイのプロセスマイニング運用モデルを参照ください。

 

CPB (Center of Process Bionics) について

CPBの活動はビジネスプロセスを持続的に変革することを目標としています。プロセスバイオニクスのコンセプトに基づき、デロイトはプロセスマイニングをデータドリブンの管理アプローチへと変えていきます。また、プロセスから得られた洞察を適用し、事実に基づいてインパクトのある業務変革を推進するための、ダイナミックかつ持続可能な新しい方法の発見を目指しています。また、AI/機械学習、ハイパーオートメーション、および次世代ビジネスプロセス管理の分野においてテクノロジー導入に適用されている自然進化のプロセスを模倣するアプローチをとっており、最新のテクノロジーの専門知識と、人間中心のデータから価値を生み出すアプローチを組み合わせることで、洞察に基づくプロセス変革を次のレベルに進めることを目指しています。

元々はドイツのデロイトでスタートしたCPBですが、日本拠点であるCPB Japanが設立されました。独CPBと同じく、プロセス分析およびプロセスマイニングにおける日本の研究拠点(Center of Excellence)として、クライアントに向けたビジネスプロセスの変革、およびサービスの加速に向け、活動していきます。

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