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グローバルガバナンスとは ― 定義なくして議論なし

グローバルガバナンス高度化のプロジェクトに携わる中で、デロイト トーマツ グループはグローバルガバナンスの定義を以下の通り定義しています。

誰のため、何のための仕組みか?

「グローバルガバナンス」は定義が一つに定められた用語ではなく、人によって捉え方や解釈に幅が出やすい言葉です。そのため、自社にとっての最適なグローバルガバナンスのあり方を議論する前提として、その会社にとってのグローバルガバナンスの意味、スコープ、考え方を定義し、共通認識を醸成することが必要です。

一般的には、「コーポレートガバナンス」が、株主が会社の経営者を監視監督し、経営者を規律付けるための仕組みであるのに対し、「グローバルガバナンス」は経営者自身が経営目標をグループとして達成するため、国内外のグループ会社の業務の適正を確保する仕組みのことを指すことが多いです。この理解を図示とすると以下のようになります。

<図1>グローバルガバナンスの位置づけ

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経営者として整備すべき事項

経営者が経営目標達成のため、本社および国内外のグループ企業すべてを含む「企業集団」の業務の適正を確保するために何を整備すべきでしょうか。グローバルポリシーを策定して子会社に配布しているだけの会社も散見されますが、ルールや規程の整備は経営者が整備すべき事項のごく一部でしかありません。本来、その企業グループが目指すビジョン・経営目標、その達成の道筋(戦略)、戦略を成功させるための計画や組織、制度、インフラ、プロセスなど、多くの要素が体系的、かつ整合性を持って整備されなければ全体として機能しません。グローバルガバナンスの実践にあたって検討すべき事項の例は以下図表2の「グローバルガバナンス・フレームワーク」に整理することができます。

<図表2>グローバルガバナンス・フレームワーク

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デロイト トーマツ グループは、「グローバルガバナンス高度化」の専門家チームを設置し、数多くのコンサルティング提供実績に裏打ちされたメソドロジーに基づき品質の高い業務を提供する体制を構築しています。グローバルガバナンスの高度化に向けた施策をご検討の組織の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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