サービス

アナリティクスによる市場リスク管理の高度化支援サービス

企業内外から常に求められる市場リスク管理体制の強化を支援します

市場リスクが与える影響は、グローバル化や包括利益経営への転換に伴い増大しており、市場リスク管理の高度化は必要不可欠です。デロイト トーマツ グループでは、会計・財務アドバイザリー、アナリティクスをはじめとした各分野の経験豊富なメンバーによって、市場リスク管理体制の高度化に向けた支援を行います。

市場リスク管理高度化の必要性

たとえば為替リスクならば、原材料の海外からの調達や製品の輸出といった事業の収益に対する直接的な影響だけでなく、在外連結子会社から生じる為替換算調整勘定や海外企業の買収による外貨建てののれんなど、グローバルでの企業活動の増加に伴って様々な形で企業の経営に影響を与えるため、グローバル企業にとってそのリスク管理の必要性は明らかです。また株式に関しても、保有株式の時価評価(保有株式の含み損益及び売却損益)は適正な形で包括利益に反映され、ステークホルダーに対する株式運用の説明責任も問われることから、リスクを管理する必要があります。さらに、企業によっては為替や株価だけでなく、金利や商品価格のリスクといった様々な市場のリスクに晒されており、それらのリスク管理も同時に必要とされています。

一方で、市場リスク管理は、常に企業の内外からその強化を求められているため、多くの企業が課題を感じています。実際、デロイトが行ったグローバルFXサーベイ(2016年版)でも、為替リスクに関してリスク管理の前提となる定量的なリスクの把握に課題を感じている企業が多いことが示されています。この調査結果の要因は、日々変化するビジネスに合わせて、それらのリスク管理体制の構築スピードが追いついていないことだと考えられます。変化するビジネスに対応するためにも、既存のリスク管理体制にとどまることなく、リスク管理の高度化を推進できる体制の構築が必要不可欠です。

 

デロイト トーマツ グループの考えるアプローチ

企業における市場リスク管理体制において、既存の体制にとどまることなく、日々変化するビジネスに合わせて高度化が推進されるためには、市場リスク管理サイクルの活用が有効です(図1)。

具体的には、注視すべきリスクを明確にし(リスクの認識)、現時点でどの程度の変動リスクに晒されているのか定量的に把握した上で(リスクの測定)、管理対象となるリスクに対する対処方法を検討し(リスク対応の対象特定)、その結果を事後的に検証してリスク管理体制の改良につなげていく(リスク対応実施・モニタリング)、というサイクルになります。このような一連のサイクルを回すことにより、グローバルなビジネスの拡大に対応して、市場リスク管理体制の高度化が推進されると考えます。

図1 市場リスク管理サイクル

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市場リスク管理高度化プロジェクトの進め方

市場リスク管理サイクルの導入および改良のプロジェクトの進め方の例を示します(図2)。各段階において、デロイト トーマツ グループの会計・財務アドバイザリー、アナリティクスをはじめとした各分野の経験豊富なメンバーが総合的にサポートします。

Step 1
貴社 におけるリスクを管理すべき対象や、それらに対する現在のリスク管理体制を把握し、目指す姿とそのための課題を明らかにして、市場リスク管理サイクルの構築・改良のための前提を整理します

Step 2
管理すべき対象のリスクの測定方法を構築・改良し、実際に測定した結果、対応策の用意が必要と判断された対象については、リスク管理方法の検討とリスク管理規定の策定・改定を行い、市場リスク管理サイクルの土台を構築します

Step 3
構築した市場リスク管理サイクルの土台をもとに、実際に運用するだけでなく、結果のモニタリングと共に得られた実績を分析・検証し、その結果に基づいてリスクの測定方法やリスク管理規定の改良へとつなげます

図2 市場リスク管理サイクルの導入および改良のためのステップ

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