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メディア監査による広告プロセスの可視化、ガバナンス強化
メディア戦略・予算・調達・分析の適正化とROI向上に必要なメディア監査の活用
日本では、メディア調達は総合広告代理店が広告主(企業)に代わり包括して実施しており、企業は市場コストや取引条件等の妥当性の確認が難しい状況となっています。また、近年デジタル広告への投資も増えていますが、多くの企業でガバナンスが十分に行われておりません。このようなこともあり、企業では社内外に対する投資対効果、ガバナンスの状況に関し十分な説明責任果たすことができないのが現状です。
1. 現状と課題
広告業界は現状約6兆円超の市場規模といわれており、企業は事業活動や製・商品のブランドイメージ構築のために、戦略的にテレビ、新聞、雑誌、デジタル広告等を始めとしたメディアを活用しています。
企業は広告活動を総合広告代理店に包括して委託するのが主流であり、市場コストや取引条件をはじめ、広告投資対効果を測定するための客観的な情報やデータの開示は透明性が低く不十分であり、広告主である企業は、ブランド棄損に繋がるコンテンツへの掲載、不適切なクリックを誘導する販売業者の介在、価格決定や品質チェック等のプロセスを可視化し識別することができない課題に直面しているといえます。
2.第三者視点の重要性
監査は、多くの場合において独立した立場の第三者による確認が重要です。前述のように、総合広告代理店への委託およびデータの開示は透明性が低いという状況もあり、メディア購買活動については特に独立した第三者(メディア・広告代理店から独立した者)による広告購買の確認、代理店評価、購買先である広告代理店との対等な関係構築、ガバナンスの観点で取引の確認が肝要となります。
欧米では購買先との関係構築・企業統治の一環として、監査部門等により広告購買評価や購買内容の透明性を確認することが一般的であり、日本においても広告宣伝費の聖域化への疑問・コンプライアスの重要性の高まりからメディア購買活動に対して、監査を実施する企業が増加傾向となっています。
3. メディア監査の実施
メディア購買活動に対する監査の実施にあたって、企業におけるリスク識別が第一歩となります。企業における実態把握を様々な観点で行い、自社のガバナンス方針(企業としての管理方針の設計、構築、運用、管理)と照らし合わせ、リスクに見合った監査計画を策定することが一般的なアプローチとなります。これに加え、デロイト トーマツでは計画策定のタイミングにおいて一般的なガバナンスのみならずメディア監査を用いることでより客観性を持った評価を行います。
Step5のメディア監査については一般的に以下の流れで実施します。
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また、対象となるテレビ、新聞、雑誌、デジタル広告等の媒体に応じてリスクが異なるため、当該リスク分析に応じた監査アプローチ(観点)にて優先順位をつけて実施することが肝要です。
監査アプローチには3つあります。
① Media buying audit
購入した広告の実態把握(出稿費用及び出稿場所等)は、第三者機関が保有するデータに基づいたベンチマークと比較することで、代理店から入手する通常の方法とは異なり、客観的な確認が可能となります。また、第三者の立場で適切な広告料金・量・質を助言します
② Media process audit
広告代理店が提供するサービス(コミッションや費用、業務委託内容、契約内容等)について確認し、代理店に業務依頼する際の枠組みを構築するための助言をします
③ Media compliance audit
広告代理店が業務委託契約に基づいた請求(内訳含む)、納品、広告購入支払いをしているか確認し、納品物検収、広告主・代理店・メディア間の一連のお金の流れについても客観的な観点から助言します
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4. 効果
メディア監査を用いた、メディア購買活動監査を実施することで、ガバナンスの観点のみならず、取引内容の詳細把握、広告プロセスの可視化、広告活動の透明性確保を果たすことができます。また、客観的データに基づき事実を把握することで、広告代理店との取引の透明性確保や緊張感のある関係強化に繋がります。さらに、広告媒体投資に対する適切な結果把握も可能となり、広告活動の具体的な改善方向性や対策を立てることが可能となるといえます。