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混合配当についての現行法令を違法とする最高裁判決への対応~国税庁が今後の方針を公表(令和4年度税制改正にて法令改正) ~
Japan Tax Newsletter:2021年11月9日号(2021年12月24日更新)
令和3年10月25日、国税庁のウェブサイトに「最高裁判所令和3年3月11日判決を踏まえた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の取扱いについて」が公表された。これは、最高裁判所令和3年3月11日判決に対応し、今後の取扱いについて説明されたものである。利益剰余金と資本剰余金の双方を原資としたいわゆる混合配当についての税務上の判断が示された。本公表では、本最高裁判決に従い、税務上の資本金等の額の減少額は、資本剰余金の減少額を上限として取り扱うこととされ、これらの取扱いは過去に遡って適用されるため、納税者の状況により国税通則法の規定に基づき期限内であれば更正の請求を行うことが可能である。
本ニュースレターでは、現行法令及び本最高裁判決の指摘を理解した上で、本公表の内容について解説する。
Executive Summary
- 令和3年10月25日、国税庁のウェブサイトに「最高裁判所令和3年3月11日判決を踏まえた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の取扱いについて」が公表された。これは、最高裁判所令和3年3月11日判決に対応し、今後の取扱いについて説明されたものである
- 利益剰余金と資本剰余金の双方を原資とする、いわゆる混合配当については、法人税法上、その全体をまとめて「資本の払戻し」として取り扱うこととされており、資本剰余金を減少した金額をもとにプロラタ計算した金額が税務上の資本金等の額に対応する金額として取り扱われ、それを超える金額については利益積立金の配当として取り扱われる
- 払戻し法人の税務上の利益積立金がマイナスの場合、資本剰余金を減少した金額を超えて税務上の資本金等の額が減額される結果となる場合があり、本最高裁判決ではこの部分が法人税法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効と判断された
- 本公表では、本最高裁判決に従い、税務上の資本金等の額の減少額は、資本剰余金の減少額を上限として取り扱うこととされた
- これらの取扱いは過去に遡って適用されるため、納税者の状況により国税通則法の規定に基づき期限内であれば更正の請求を行うことが可能である
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※本記事は、掲載日時点で有効な日本国あるいは当該国の税法令等に基づくものです。掲載日以降に法令等が変更される可能性がありますが、これに対応して本記事が更新されるものではない点につきご留意ください。