キャリアのスタートはいつから始まるのか ブックマークが追加されました
2024年10月、デロイト トーマツ グループでは各社にて内定式が行われました。
※関連バックナンバー:内定式から学ぶ新たな一歩
内定式を迎えた内定者は、入社までの間、多くの人たちはまだ学生として過ごすことになります。キャリアが始まる入社までのその期間、「内定者」として過ごすキャリアが始まるまでのその期間を、どのようにとらえたらよいのでしょう。
今回、グループの中の1社が行っていた取り組みに、そのヒントがあるように思いました。
そこでは内定式はお昼前にスタート。緊張感のある内定式が無事に終了した後、打って変わって和やかな雰囲気の中で懇親会が始まりました。実は懇親会だけではなく、内定式の時から入社後の配属予定の部門のメンバーたちが参加していて、配属される予定の内定者に温かい眼差しを向けていました。懇親会では、その配属予定の部門のメンバーがそれぞれのテーブルに集まっており、その部門へ配属予定となる内定者を歓迎ムードいっぱいで迎えていました。入社したら実際に上司や先輩になるメンバーたちと、このタイミングで親密に話ができることで、「実際に働くイメージ」がより具体化された様子で、内定者の皆さんも自然に笑顔が溢れていました。現職メンバーが積極的に声をかけていて、すでに配属予定先の一員としてすっかりなじんだようにも見えました。
懇親会の後にはオフィスツアー、さらに希望者には当日社内で開催されていたイベントへの参加もできるようプログラムされていました。
オフィスツアーは新東京ビルをメインに、実際に執務を行うことができるエリアだけでなく、デロイト トーマツの一員でなければ入れないさまざまな場所(秘密基地のような対面カウンターのキッチンエリアや、最新設備を備えたイベントスペース、本格的なメイクルームも備えたクリエイティブスタジオなど!)をユーモアも交えた詳しい説明付きで見学し、目を輝かせていました。特に、新しくできたばかりの最新鋭のマシンが並ぶフィットネススペースは社職員は無料で使えるというところに興味を示す内定者も多く、活発な質問が飛び交いました。
「入社したら、仕事の前後の時間でフィットネスを使いたい」と話す内定者の様子から、さっそく入社後を具体的にイメージすることができている姿が見てとれました。
オフィスツアーの後は、希望者は当日開催されていた社内イベントにも参加することができていました。先ほど説明を受けたばかりの最新設備が整ったイベントスペースで、多くの社職員に混ざってトークセッションを聞いている様子は、もうすっかりデロイト トーマツの一員の片鱗を見せていました。
キャリアを考える時、特に新卒入社の場合は、誰もが当然「入社」からそのキャリアはスタートすると考えるでしょう。
「内定者」と言えど、自分はまだ学生であり、入社するその日はまだ遠く、入社後にいったいどのような日々になり、どのようなキャリアになっていくのか、漠然としていて杳として知れない。入社するその日を迎えるまでのけして短くはない期間、遠くに見える「キャリアが始まる日」に向けて、自分の立ち位置が今どこにあるのか不安になることもあるのではないでしょうか。
先日立ち合うことのできた内定者の皆さんは、あの日確かに、すでに「デロイト トーマツの一員」になるのだ、と自分の居場所を実感することができていたようでした。
学生と社会人は、入社日を境に突然明確に変わり、初めてキャリアがスタートするのではなく、まるでグラデーションのように、徐々に自分自身のキャリアについての考えや希望、可能性、不足していると感じるもの、身に着けたいと思うもの、などが深まっていくのではないでしょうか。
内定者から社会人になっていくその過程で既にキャリアは始まっていて、「入社」にマイルストーンをおいて、それぞれがどんなキャリアを歩むか思いを巡らせたり、スキルセットを整えたり。そうして、それぞれのロードマップの作成が熟していくのでしょう。
そう考えることができるようになるには、「確かに自分のキャリアはここで始まるのだ」と実感できるように迎え入れてくれる環境が必要不可欠なのだと思います。
自分はここに属するのだ、と安心できる上司や先輩を始め、具体的な場所を見て、実際に社職員とともに社内イベントに参加することで、自分の所属は今通っている学校だけではなく、今後キャリアを積んでいくこの会社でもある、と実感できること。
学生から社会人に向かっていく時に、各々がキャリアについて向かい合えるような自然な導入をサポートすることも、キャリアの先輩であるわたしたちの重要な役目なのだと再認識しました。
これは、新卒入社者に限らず、中途入社者にも言えることだと考えます。
新天地に人が飛び込んでいく時にポイントとなるのは、自分の夢や目指すキャリアの解像度を上げ、自分の力を最大限に発揮するために組織を知り、キャッチアップしていくことなのではないでしょうか。そしてそのためには、新人を受け入れる組織にとって重要なことは、彼らが安心して属することのできる居場所であること、そして彼らのキャリアを築いていくためのサポートや、バックアップをしっかりしていくことを伝えていくことなのではないでしょうか。
人生の中で初めて、まさにキャリアをスタートさせるよう働きかける、そのような貴重なまぶしい瞬間に立ち会えた一日でした。たった一日で、顔つきが変わっていった内定者たちの表情が忘れられません。
入社までの間、彼らがどのようにキャリアについて考え、当日を迎えるのか。来年4月の入社式が今からとても楽しみです。