イノベーションの要「博士人材」の活躍とは ブックマークが追加されました
日本の国際競争力維持には、研究シーズの社会実装・イノベーションを生み出していくことが重要です。しかし、実現に向けた課題として博士人材の不足が明らかになっています。博士号の取得、または採用をご検討中の皆様のご参考に、キャリアパスの1つとしてデロイト トーマツの博士人材をご紹介します。
今後の日本の国際競争力[1]を継続的に維持していくためには、日本全国の大学や研究機関等で行われている様々な研究シーズを効率よく社会実装し、多数のイノベーションを生み出していくことが重要ですが、産学連携の機会の少なさや調整の難しさなどが要因となって、事業化されて社会実装まで到達するのは一部のシーズに限られているのが現状です[1]。デロイト トーマツ Deloitte Tohmatsu Science and Technology(以下、DTST)では、シーズの持つ潜在力に対する深い理解とともに、ビジネスに関するコンピテンシーを活かして産学連携を強力に後押しし、短期的な利益の視点だけでは埋もれがちな研究シーズの社会実装をリード、社会課題解決へとつなげています。
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Deloitte Tohmatsu Science and Technology
研究シーズの事業化とスケールを伴った社会実装のためには、研究シーズの内容をある程度理解した上で、ビジネスプラン策定やその実行戦略、マーケティング、ブランディング、プロモーション、資金調達、知財戦略、プロジェクトマネジメントといったビジネスのスキルも必要になります。さらには、そうした研究業界以外のビジネス部門の関係者と会話・交渉するために、研究シーズをわかりやすく説明してビジネスプラン化する翻訳能力のほか、戦略立案や調整能力も含めた、研究シーズもビジネスも理解した上でリーダーシップを取る能力、つまり、いわゆる科学的な知識・センスとビジネスの知識・スキルの両方を併せ持った“ハイブリッド人材”が長期的に必要になります。
DTSTではこうした“ハイブリッド人材”によるプロフェッショナル集団を構築しており、本ブログ執筆時点(2024年8月)ではDTSTに所属するメンバーのうち10%が博士、50%が修士、40%が学士の学位を有しています。この中でも、博士人材はアドバイザリー業務やコンサルティング業務においてそれぞれの専攻分野における高い専門性やプロジェクトマネジメント力を生かし、業務を通してビジネススキルを磨きながらクライアント業務へ従事することで、社会変革の一翼を担っております。
世界中で研究開発が拡大し競争が激しくなる中、本邦での博士号取得者は減少傾向にあり、他国の増加と比べると国際競争力においては危機的状況と言えます[2]。志願者の減少には様々な要因が考えられますが[3]、その1つにキャリアパスとして研究職以外のイメージやロールモデルが少ないことでロールモデルとなる事例がまだ限られており、博士人材側、企業側双方において理解が進んでいないことが背景に挙げられます。一方で、今後、イノベーションの社会実装加速が求められることから、博士人材の活躍の場を拡大する必要があります。[4]
本ブログシリーズでは、DTSTにも参加しているデロイト トーマツ グループの博士人材のキャリアについて、インタビュー形式でご紹介します。実際にデロイト トーマツで活躍する博士人材を知っていただくことで皆様のキャリアパスを検討する一助になればと考えております。また、ビジネスにおける博士人材の活用のご参考になれば幸いです。
※本ブログは採用情報を紹介するものではありませんのでご留意ください。
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 ガバメント&パブリックサービシーズ 櫻井敦朗(博士(生命科学))
有限責任監査法人トーマツ デロイトアナリティクスR&D 福島誠(Ph.D)
[1] … 経済産業省, “我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向 -主要指標と調査データ-“ : https://www.meti.go.jp/policy/economy/gijutsu_kakushin/tech_research/shiryou.pdf
[2] …内閣府, “WEF国際競争力ランキングにおける日本の国際競争力” : https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/20200330/shiryou2_3.pdf
[3] … 日本学術学会 若手アカデミー, “見解2040年の科学・学術と社会を見据えていま取り組むべき10の課題” : https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-k230926-4.pdf
[4] … 文部科学省, ”博士人材活躍プラン~博士をとろう~” : https://www.mext.go.jp/content/20240326-mxt_kiban03-000034860_1.pdf
デロイト トーマツ グループは、日本におけるサイエンス・テクノロジー領域の研究成果の事業化および、そのための産学連携の支援に向けて、グループ横断のバーチャル組織「デロイト トーマツ サイエンス アンド テクノロジー」(以下 DTST)を立ち上げサービスを提供しています。
例えば、2050年ゼロエミッション達成に向けた様々な環境エネルギー関連の技術開発や、少子高齢化社会における効率化向上のためのAIの活用、宇宙空間の活用促進など、中長期的な社会課題解決を担う研究シーズを対象に、各種戦略策定・新規事業開発支援を行っています。
網倉 隆雄/Takao Amikura
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 ガバメント&パブリックサービシーズ マネジャー
グローバルメーカーにて情報システム企画・システム運用全般に従事したのち、新規事業推進部門や新規事業部門にてIT商材のビジネスリードを経験し、現職。DTSTの事務局運営を担当し、産官学連携を行うプロフェッショナルや外部との連携をサポート。
※所属などの情報は執筆当時のものです。
大学院博士課程修了後、新卒で電力会社に入社。主に企画部門(自由化対応戦略、電気事業連合会対応、需給計画、広域運営、系統計画、技術開発戦略)や人材育成部門を経験。 指名制選抜制度にて米国スタンフォード大学に社費留学(客員研究員)。 その後米国系戦略コンサルティングファーム、欧州系大手製造業(事業部長)、Big4系コンサルティングファーム(パートナー、エネルギープラクティス戦略チーム責任者)、グローバル戦略コンサルティングファーム(パートナー、エネルギープラクティス責任者)、起業(代表取締役)を経てトーマツ入社。 有限責任監査法人トーマツへ入社後は、環境・エネルギー分野のアドバイザリー業務に従事。