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グループ案内
デロイト トーマツへのグループイン事例
シナリオ・プランニング事業の承継と進化を実現
デロイト トーマツ グループでは、付加価値が高い専門的サービスについて、戦略策定から実行支援まであらゆる領域においてワンストップで提供できる体制を目指しています。ソリューション提供体制のスピーディーな実現のため、高い業務品質を持ち、ビジョンやカルチャーを共有できる外部企業様との連携(グループイン)を推進しています。
本記事では、デロイト トーマツ グループに参画いただいた企業オーナーの生の声をご紹介します。
企業・メンバー紹介
西村 行功
電機メーカー、日米の戦略コンサルティングファームを経て、未来起点のシナリオ・プランニング®および中長期戦略構築を専門としたコンサルティングファームである株式会社グリーンフィールドコンサルティング(以下、GFC)を26年間経営した後、事業譲渡を通じてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、DTFA)にパートナーとして参画。メーカー、サービス業などの大手企業中心に、シナリオ・プランニング®、中期事業戦略、新規事業・新商品開発戦略、企業変革、人材育成などのサービスを提供。250を超えるプロジェクトへ参加し5,000人以上を指導した実績を持つ。
津富 暢
有限責任監査法人トーマツに入所し、法定監査およびIPO業務に従事した後、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に転籍し、ファイナンシャルアドバイザリー業務を担当。2014年より、豪シドニー事務所に赴任し、オセアニア地域責任者として幅広い日系企業に対するファイナンシャルアドバイザリー業務を提供。2019年より、グループ戦略の企画/推進を担当するデロイト トーマツ合同会社のコーポレートデベロップメント部門の統括パートナーを兼務し、グループ外企業との提携活動を推進し、2023年6月時点で20の企業・事業のデロイト トーマツ グループへの参画支援およびシナジー創出に携わる。
シナリオ・プランニング®
シナリオ・プランニングは、「起こりうる未来」の事業環境を、複数のシナリオとして整理・共有化し、戦略を導くための一連の手法です。シナリオとは単一の未来予測ではなく、不確実性を前提とした「起こる可能性のある複数の未来」のことであり、シナリオ・プランニングを導入することで、外部環境の世界観を共有することが可能になり、組織内で議論がしやすくなります。不確実性の高い現代にあって、シナリオ・プランニングは最も必要とされる思考法のひとつであり、戦略策定と組織学習の有効な技法として、1990年代以降、日本でも多くの企業がシナリオ・プランニングの考え方を取り入れ、環境変化を先取りし、戦略を環境に柔軟に対応させています。
(津富)なぜデロイト トーマツを選ばれたのでしょうか。
(西村)お話をいただいた当時は、少数精鋭ということで小所帯で事業を展開していました。長く付き合いのあるクライアントが多く、事業として安定的な状態を維持できていた一方で、プロフェッショナルの採用・育成が追い付かず、フルキャパシティでの稼働が続いた結果、会社としての大きな成長ができていない状態でした。また、事業の後継者についても答えが出ておらず、具体的に何かアクションを起こしている段階ではないものの、将来的にシナリオ・プランニングというユニークな手法を世の中に残していく手段として、事業譲渡を選択するか考え始めていたところでした。
(西村)そのような中で、DTFAからデロイト トーマツ グループへのグループインに関する打診を受けました。正直、大きなファームのグループに入ると、自社で大事にしてきたポリシーや文化、コンテンツなども吸収されてなくなってしまうイメージがあったのですが、アライアンス担当者を始めDTFAメンバーとの会話を通じて、参画する企業が持っている固有の事業や文化の良さを活かしながら承継・発展していくことを重視していることが分かり、伴走型のアドバイザリーをベースとした自分たちのバリュープロポジションを肯定的に受けとめてもらえた印象がありました。今まで大事に育ててきたシナリオ・プランニング事業が、これまでのやり方を尊重してもらいながら更にデロイト トーマツというプラットフォームを活用して成長させていけると素直に思えたのです。特にDTFAはM&A起点のサービスが多く、企業の上流フェーズの意思決定に触れる機会が多いことにシナジーが感じられたほか、デロイ トトーマツ グループの重要戦略であるMDM(Multi-Disciplinary Model=デロイト トーマツ グループが有する多岐にわたる知見やサービスを融合し独自の価値を生み出していく戦略)の概念を伺い、グループ全体でシナリオ・プランニングを推進していけると確信しました。
(津富)グループイン後に実感できたシナジーについて教えてください。
(西村)グループイン前は自らで顧客開拓をしていていましたが、デロイト トーマツ ブランドの活用や多様な顧客基盤を活用し、パイプラインを拡充できていることを実感しています。例えば、デロイト トーマツ グループ参画後にシナリオ・プランニングに関するセミナーを開催すると500名程度の申し込みがあり、スタンドアロンでは容易に集客できなかった大規模セミナーの開催が可能になりました。また、社内向けにシナリオ・プランニングの研修を積極的に行ったことにより、社内での認知度が向上した結果、グループメンバーが各方面でシナリオ・プランニング事業をクライアントに紹介してくれ、グループメンバーからの紹介案件も確実に増えてきています。最近では毎週のように新しい案件に関する声が掛かっている状況です。
(西村)シナリオ・プランニングの提供方法にも変化が表れています。シナリオ・プランニング・プロジェクトのワークショップにおいて、従前はクライアントが情報を集め、クライアント主体で未来を議論し、GFCがプロセス管理を担うという、クライアントとGFCの二者間で実施していました。一方で、グループインしてからは、シナリオ構築はクライアント、情報収集・整理などのコンテンツ提供はインダストリー専門チームなどデロイト トーマツの他チーム、プロセスを私のチームで担う三者間の体制での実施が増えつつあり、より深い形でのワークショップが実施できています。加えて、ワークショップの参加者としてデロイトトーマツメンバーが参加しクライアントと共に議論するケースも増えました。こうした共同提案が全体的な案件数増加やプロジェクト単価向上にもつながっています。正に、MDMを推進する文化がグループ全体に根付いていること実感しています。
(西村)また、DTFAのIT部門と協力してテクノロジーを活用したシナリオ・プランニングプラットフォームという、ITアセットの開発にも着手しています。シナリオ・プランニングは元々ファシリテーターなどのプロフェッショナルの人工ありきのビジネスモデルですが、デジタルを活用したスケール化にチャレンジしています。既存の提供方法では、ひとつのクライアントの案件で同時に20名程度の参加しかできないのですが、プラットフォーム化した場合は、理論的には1,000人が同時参加可能となります。こうしたプラットフォーム化は、グループイン前も元々構想としては持っていましたが、開発コストや開発機能の観点からスタンドアロンでは実現が難しく、デロイト トーマツのIT開発リソースを活用することで実装段階に入ることが出来ました。
(西村)採用については、これから本格的に強化していく方針であり、キャリア採用に加え、シナリオ・プランニングに興味を持ってくれているデロイト トーマツのメンバーを対象とした社内公募も積極的に進め、チームの増強を図ります。
(津富)クライアントの反応はいかがですか。
(西村)既存のクライアントからは、長く付き合いのある会社が大手グループに参画し、事業拡大の期待の声をいただきました。また、前述の通り広範囲な問い合わせをいただくようになり、今まで取引のなかった新規クライアントからの引き合いが目に見えて増えています。
(津富)今後の展望について教えてください。
(西村)スケール化を通じてマルチクライアントへのサービス提供を強化します。今までは、ひとつのプロジェクトに対して一社のクライアント向けにサービスを提供していることが多かったのですが、例えば「小売業界の未来」というテーマで、流通企業・消費財メーカー・地方自治体等が一体となった業界軸でのマルチクライアントプロジェクトの実施を本格検討しています。また、ブランディング、戦略、シナリオ・プランニングを絡めたM&Aの新しい流れを様々な媒体を通じて打ち出していく方針です。その他、昨年発足した未来に向けた提言を行っていくDTFA Instituteにおいても立ち上げメンバーとして主席研究員を務めていますが、DTFA Instituteの雑誌掲載記事を見た地方自治体からシナリオ・プランニングについて問い合わせも有り、影響力の大きさを改めて感じています。研究要素の強いDTFA Instituteの研究員としての活動も含め、デロイト トーマツのプラットフォームを最大限活用し、シナリオ・プランニングを活用した未来構想とその結果の社会実装を、日本に一層普及させていく所存です。
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