Social
人権
デロイト トーマツ グループは、国際労働機関(ILO)が定める、労働における基本的原則の5項目(結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認、強制労働の廃止、児童労働の撤廃、雇用及び職業における差別の排除、安全で健康的な労働環境)を遵守しています。また、人権に関する全社的な方針を定め、Deloitte Speak Up(通報窓口を含む相談の適切な処理の仕組み)などの体制を整備し、社員・職員の人権の保護を支持、尊重しています。なかでも、ジェンダー、国籍、性的指向・性自認、文化、宗教、価値観、障がいの有無などのあらゆる違いを越えて、自己の能力を最大限発揮できるよう、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(Diversity, Equity & Inclusion:以下、DEI) の推進に注力しています。
当グループの特徴は、加盟するデロイトのグローバルネットワークを通じて最新の国際水準の人権に関する考えや施策を取り入れていることです。デロイトが全世界で導入している「大使館モデル」とは、ジェンダーの違いや民族・文化背景により思想が異なっても、世界中のどの国・地域でもデロイトの中では個人が平等に扱われ差別を認めない、また、皆が同様のルールや制度の適用を受けるための原則です。例えばLGBT+カップルに関して福利厚生や有給休暇取得等の面での不平等を解消する措置をいち早く導入しています。さらに障がい者の活躍推進のための国際的な活動「The Valuable 500」の主旨に賛同し加盟するなど、自らの意思を表明しつつ、自社を超えた連携を広げています。
先駆的な取り組みを社会に発信することも強化しています。改正DV防止法(2023年成立・2024年施行)では、身体的暴力に加え精神的暴力もその対象になるなど、深刻な社会課題になっているドメスティックバイオレンスに対して、当グループはDV被害に遭う社員・職員を支援する制度を設けています。2021年6月より導入したドメスティックファミリーバイオレンス(DFV)に関する制度では、親子も含むより幅広い親密な関係の人からの暴力を対象に、外部専門支援機関の紹介とその費用を法人が負担する方式を導入しました。具体的な支援内容にはメールや電話、対面による相談対応、警察や裁判所などへの同行手続、全国100か所以上に用意されている緊急避難先のシェルター手配などが含まれます。また、DFV被害を含む犯罪被害から回復するための休暇制度も整備しています。これらの知見をNPOのセミナーなどで紹介することで、企業が関わることで解決が促進する先例を示しています。
※「人権」1文目を、国際労働機関(ILO)が定める労働における基本的原則の5項目に修正しました。(2024年2月6日)
Well-being社会構築への貢献(WorldClass・DTWB)
デロイト トーマツ グループは、「Well-being(ウェルビーイング)社会」※を思い描く未来の姿として掲げています。また、当グループ自身が社会から預かった人や資金を活動の源泉としながら、社会に対して有益な価値を提供する「公器」として振舞うことで、Well-being社会構築に向けてより一層の貢献ができると考えています。
※「Well-being社会」とは、私たち一人ひとりを起点とする個人のレベル(Personal/パーソナル)、私たちが属する地域コミュニティの集合体である社会のレベル(Societal/ソシエタル)、そして、それらすべての基盤である地球環境のレベル(Planetary/プラネタリ―)という3つのレベルから成り、全ての人々が主体的な関与を通じてその成果を実感し、共に分かち合うことができている社会。
「WorldImpact & Well-being Council」
「WorldImpact & Well-being Council」は、デロイト トーマツ グループのCEOならびにボード議長のほか、関連するボードメンバー、グループの執行役などで構成されています。「WorldImpact & Well-being Council」を中核に、WorldClass、WorldClimateなどの主要なイニシアチブを推進するためのワーキンググループが設置されています。
また、NGO/NPOによるWell-beingの向上に関わる事業への寄付・助成を行うデロイト トーマツ ウェルビーイング財団も加わり、Well-being社会構築を目指して展開される様々な取り組みが、グループ全体で密接かつ有機的に関連付けられる形で推進される体制を構築しています。
WorldClass
全世界のデロイトのネットワーク連携のもと、教育(Education)、スキル開発(Skills)、機会創出(Opportunity)の分野でポジティブなインパクトを及ぼすことを目指すWorldClassという取り組みを展開しています。WorldClassは、人々に活躍や成長の機会を提供することを通じ、私たちが属する地域コミュニティの集合体である社会レベルのSocietal Well-beingの向上に資するもので、受益者となる人々やその代表である非営利団体などから貢献が認められることでインパクト(人数)を数えています。デロイト トーマツ グループは、2030年までに200万人の人々に対してポジティブなインパクトを及ぼすことを目標に掲げており、FY23までに累計778,125人の人々に対するインパクトの提供を達成しています。また、より大きなインパクトを効果的に創出していくために、政府機関・教育機関・NPO/NGO等の社外の様々なステークホルダーとの連携・協力を強めています。同時に、持続性のある取り組みになるよう、社内の人材の能動的な関与を促進しながら活動のすそ野を広げており、寄付、ボランティア、プロボノ支援、スポンサーシップ、協業など様々な形でこの取り組みを推進しています。
デロイト トーマツ グループがソーシャルインパクトパートナーを務めるFC今治(Jリーグ)の試合会場にて行われた「デロイト トーマツ ウェルビーイングマッチデー」の様子
デロイト トーマツ ウェルビーイング財団
デロイト トーマツ ウェルビーイング財団(DTWB)は、寄付・助成という手段を通じて、解決が困難な社会課題解決に取り組む団体を支援しています。「コレクティブ・インパクトによる社会課題解決の推進」助成事業では、様々な人とひととが繋がり、熱量・知・労働力を結集させることで、社会的インパクトのより大きな課題解決を目指す「コレクティブ・インパクト」に着目しており、複数の団体からなる共同体への助成を通じ、インパクトの最大化を推進します。加えて、事業を実施するにあたって不足している知見やノウハウを提供し、中長期的に共同体の活動を支援する「伴走者」の設定を必須としていることが特徴です。「伴走者」は必要に応じて当グループ内からも設定し、経済面のみならずプロフェッショナルとしての経験・ナレッジによる貢献も目指します。
FY23中に実施された第2回の助成先公募事業では、「WorldClass」の取組みである教育・スキル開発・就業機会創出を中心とした社会課題解決を担う活動団体に対するSocietalWell-being助成枠と、サーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル、紛争対策、災害対策を中心とした社会課題解決を担う活動団体に対するPlanetary Well-being助成枠を新設し、DTWBの設立趣旨ならびに活動内容との親和性、中長期での事業遂行力、社会的インパクトの創出可能性の3つの軸を重視し、12の助成先を決定しました。
2023年5月には、DTWBの初めての取り組みとなる「Collective Impact Forum 2023~熱意ある人とひととの協働による熱量・知・労働力の結集~」を開催しました。世の中のWell-beingの拡大にアプローチする団体や人が集まり、オープンマインドで語り合えるWell-beingな場で、相互に有機的に関係性を持つことを目的としたフォーラムを開催し、合計約80名が集まりました。
「Collective Impact Forum 2023~熱意ある人とひととの協働による熱量・知・労働力の結集~」の様子