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ニュースリリース
テクノロジー企業成長率ランキング「デロイト 2020年アジア太平洋地域テクノロジーFast 500」発表
本ニュースリリースは、4月8日にデロイト グローバルが配信した内容を和訳し、文末にFast 500受賞日本企業の一覧を加筆しています。プレスリリース(英語版)と以下の内容に相違がある場合は、英語版の内容が優先します。
- 1位はスマートサービスを提供する中国企業のTerminus
- 8年連続中国企業は上位10位の半数を占める
- オーストラリア企業は2年連続成長率の記録を更新
- 日本企業が4年ぶりに上位10位にランクイン
- 受賞企業の15%がライフサイエンス企業、2019年の6%から上昇
2021年4月8日
デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)は2021年4月8日、「2020年 アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」の受賞企業を発表しました。1位を受賞したのは、公安、行政、公共サービス、政府機関や企業にスマートソリューションを提供する中国企業Terminus Technologiesで、同社は17,915%という高い成長率を示しました。
テクノロジーFast 500は、ハードウエア、ソフトウエア、通信、メディア、ライフサイエンス、クリーンテック業界において最も著しい成長を果たしたアジア太平洋地域の企業について年次でランキングするものです。受賞企業は過去3年間の収益(売上高)成長率に基づいて選出されます。
Terminusは中国企業として6社目の1位受賞となりました。同社は2015年に設立され、北京に拠点を置いています。AIoT (Artificial Intelligence & Internet of Things)エンジンを使用し、伝統産業の成長や顧客のニーズを効果的に理解することに誇りを持っており、社会奉仕、公益事業、電力、文化製品、美術館の小売シナリオを取り巻く最先端のソリューションを提供しています。
デロイト アジアパシフィックのデロイト プライベートのリーダーを務めるMike Horneは、次のように述べました。「今年の受賞企業は様々な課題を乗り越えてきました。パンデミックの中で、これらの組織は力強い成長の勢いを維持し、サービスを提供するコミュニティ、業界、市場に活力を注入し続け、並外れた回復力、創造性、献身を示しています。 このプログラムを通じて、現在困難に直面しているアジア太平洋地域のより多くの企業が、他社の経験からインスピレーションを得て、発展、そして着実に前進し、この多様で包括的な地域での競争を勝ち抜いていくことを願っています。」
地域別動向
2020年テクノロジーFast 500において、全体の175社中、中国企業が上位10社中5社を占めました。オーストラリアは昨年記録した98社を上回り、102社がランクインしました。台湾は73社、日本からは40社がランクインし、そして注目すべき点として、初めてインドネシアからランクインしました。
上位10社の中でソフトウエア企業の株式会社スタメンが日本企業として4年ぶりにトップ10入りを果たし、5,914%の成長率で6位にランクインしました。インドと韓国からトップ10にランクインし、ソフトウエアとライフサイエンスでそれぞれ5位(7,295%)と8位(5,485%)にランクインしました。
セクター別動向
中国と台湾の企業が代表的なセクターを占めました。 特に、中国企業は4つのカテゴリー(メディア、ハードウエア、通信、ソフトウエア)で最も急速に成長し、台湾企業は残りの2つのセクター(クリーンテックとライフサイエンス)を占めました。
上位10位中の5社は力強い存在感を示し、ソフトウエアが38%の最大のシェアを占め、メディア(21%)、ハードウエア(19%)、ライフサイエンス(15%)、通信(5%)、クリーンテック(2%)と続きました。 ソフトウエアは過去3年間、Technology Fast 500リストの38%を維持しています。 全体としてランクインしているライフサイエンス企業の比率は、パンデミックの影響もあり2019年から6ポイント増加しました。台湾を拠点とするTaiMedは8,251%の成長率を記録し、ライフサイエンス企業で最高位の受賞となりました。
売上高成長率の動向
今年の上位500社の平均売上高成長率は551%でした。 また、今年度の上位10社の平均売上高は 137,046,668米ドルで、同平均売上高成長率は7,621%でした。
新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより、2020年の平均売上高成長率は2019年の平均成長率717%と比較して大幅に低下し、2018年には過去最高(987%)であり、アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500で5番目に高い成長率となりました。
「デロイト2020年アジア太平洋地域テクノロジーFast 500」ランキング上位10社
順位 | 国・地域 | 会社名 | 成長率 | 業種 |
---|---|---|---|---|
1 | 中国 | Terminus Technologies Group | 17,915% | ソフトウエア |
2 | 台湾 | TaiMed | 8,251% | ライフサイエンス |
3 | 中国 | Shenzhen Dogcare Innovation And Technology Co., Ltd | 8,003% | ハードウエア |
4 | 台湾 | PEC | 7,476% | ライフサイエンス |
5 | インド | RUPEEK FINTECH PRIVATE LIMITED | 7,295% | ソフトウエア |
6 | 日本 | Stamen Co.,Ltd. | 5,914% | ソフトウエア |
7 | 中国 | Newlink (Beijing) Technology Co., Ltd | 5,777% | ソフトウエア |
8 | 韓国 | ABL BIO INC. | 5,485% | ライフサイエンス |
9 | 中国 | Beijing Milian Technology Co., Ltd | 5,428% | メディア |
10 | 中国 | Shenzhen Zhuiyi Technology Co., Ltd. | 4,665% | ソフトウエア |
全500社のランキングは、https://www.deloitte.com/fast500asiapacific(英語)をご覧ください。また、プログラムの推薦および資格基準についてはhttps://www.deloitte.com/fast500(英語)を参照してください。
「デロイト 2020年 アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」を受賞した日本企業40社
日本企業は株式会社スタメン(成長率5,914.1%)が6位、株式会社カンム(成長率1,787.1%)が29位、株式会社A.L.I.Technologies(成長率1,014.6%)が57位、株式会社ホープ(成長率534.9%)が102位、AI inside 株式会社(成長率469.5%)が119位と5社が上位150位内にランクインしました。また、Fast 500ランキングを受賞した日本企業は全部で40社となりました。
順位 | 会社名 | 事業領域 | 事業内容 (各社からの提供資料を基に記載) | 成長率 |
---|---|---|---|---|
6 | 株式会社スタメン | ソフトウエア | エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の提供 | 5,914.1% |
29 | 株式会社カンム(未) | ソフトウエア | Visaプリペイドカードアプリ「バンドルカード」の開発・運営 | 1,787.1% |
57 | 株式会社A.L.I.Technologies(未) | ソフトウエア | ドローン・AI・ホバーバイク開発、演算力クラウド、電力事業等 | 1,014.6% |
102 | 株式会社ホープ | メディア | アプリやwebメディアの運営を通じて地域と行政をつなぐ | 534.9% |
119 | AI inside 株式会社 | ソフトウエア | 人工知能および関連する情報サービスの開発・提供 | 469.5% |
205 | 株式会社ビザスク | 通信 | ビジネス分野に特化したナレッジプラットフォームの運営 | 272.7% |
218 | 株式会社自律制御システム研究所 | ハードウエア | 最先端の自律制御技術を強みとした国産の産業用ドローンの開発 | 245.4% |
225 | 株式会社アイリッジ | ソフトウエア | O2O/OMO事業を軸に、フィンテック、音声AI等事業を展開 | 237.8% |
232 | 株式会社サイバーセキュリティクラウド | 通信 | AI技術を活用したWebセキュリティサービスの開発・運用 | 230.6% |
236 | 株式会社ツクルバ | メディア | 「やがて文化になる事業をつくり続ける場の発明カンパニー」 | 223.7% |
254 | 株式会社セレス | メディア | モバイルサービス事業 フィナンシャルサービス事業 |
205.7% |
258 | 株式会社unerry(未) | ソフトウエア | リアル行動データを活用した顧客体験のDXプラットフォーム運営 | 202.8% |
270 | 株式会社Amazia | メディア | マンガアプリの企画・開発・運用 | 189.2% |
281 | トヨクモ株式会社 | ソフトウエア | 安否確認など、ビジネス向けクラウドサービスの提供 | 180.4% |
289 | 株式会社カオナビ | ソフトウエア | クラウド人材管理ツール「カオナビ」の製造・販売・サポート | 175.6% |
300 | 株式会社フィードフォース | メディア | テクノロジーを活用したマーケティング支援サービスの開発・提供 | 171.5% |
330 | AI CROSS株式会社 | ソフトウエア | SMS配信、ビジネスチャットなど | 152.7% |
347 | ENECHANGE株式会社 | クリーンテック | 世界のエネルギー革命をエネルギーDXプラットフォームで支援 | 142.6% |
352 | 株式会社SHIFT | ソフトウエア | ソフトウェアの品質保証、ソフトウェアテスト事業 | 139.0% |
358 | 株式会社チームスピリット | ソフトウエア | 勤怠管理、経費精算、工数管理等を一体化したクラウドサービス | 135.5% |
382 | 株式会社 RS Technologies | ハードウエア | 再生ウエーハ事業、プライムウエーハ事業の総合ウエーハメーカー | 124.1% |
383 | ブレインズテクノロジー株式会社(未) | ソフトウエア | 機械学習を活用したデータ検索、データ分析サービスの開発、提供 | 123.7% |
389 | 株式会社サーバーワークス | 通信 | クラウドコンピューティングを活用したシステム企画・開発/運用 | 122.1% |
402 | 株式会社ギガプライズ | 通信 | 集合住宅内のインターネット関連サービス等を提供 | 114.8% |
421 | toBeマーケティング株式会社(未) | ソフトウエア | デジタルマーケティングの支援 | 104.3% |
431 | レーザーテック株式会社 | ハードウエア | 半導体関連分野を主とする最先端の検査・測定装置を開発・販売 | 100.3% |
432 | フィーチャ株式会社 | ソフトウエア | 画像認識ソフトウェアの開発 | 99.5% |
435 | バルテス株式会社 | ソフトウエア | ソフトウェアテストを主軸とする品質向上サービスの提供 | 98.4% |
438 | 株式会社ZUU | メディア | フィンテック・プラットフォーム事業 | 95.6% |
439 | メドピア株式会社 | ライフ サイエンス |
医師専用コミュニティサイトの運営、その他関連事業 | 95.3% |
449 | 株式会社Macbee Planet | ソフトウエア | データを活用したマーケティング分析サービスの提供 | 92.3% |
452 | 株式会社テラスカイ | ソフトウエア | クラウドシステムのインテグレーションおよび製品開発事業 | 91.2% |
455 | 株式会社WACUL | ソフトウエア | テクノロジーで企業のDXを実現する課題解決サービスを提供 | 90.8% |
459 | 株式会社i-plug | 通信 | オファー型の新卒採用サービス「OfferBox」の運営。 | 90.2% |
466 | Chatwork株式会社 | ソフトウエア | Chatworkの開発運営 ソフトウェア販売(ESETセキュリティソフト) | 87.5% |
467 | 株式会社ファイバーゲート | 通信 | 集合住宅及び商業施設などにおけるWi-Fiサービスの提供 | 86.7% |
473 | 株式会社売れるネット広告社(未) | メディア | ネット通販の広告を支援するクラウドサービスとコンサルティング | 84.7% |
477 | 株式会社オークファン | ソフトウエア | 売買データとAI技術によるトータルEC支援ソリューション | 81.5% |
489 | 株式会社サイエンスアーツ(未) | ソフトウエア | 高品質IP無線アプリの開発及び販売 | 77.4% |
491 | 株式会社メディアドゥ | 通信 | 国内最大手の電子書籍取次としてデジタルコンテンツの流通を担う | 77.0% |
※(未) は未上場企業、それ以外は上場企業を示す(2021年3月末時点)。
デロイト アジア太平洋地域テクノロジーFast 500とは
テクノロジーFast 500は、デロイト トウシュ トーマツ リミテッドが、TMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の急成長企業を、世界3極(アジア太平洋地域、北米地域、EMEA地域)の地域レベルで顕彰するプログラムです。2020年で19回目を迎えた「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」は2002年に開始、日本は初年度から参加しています。ランキング基準は、直近3決算期(北米地域、EMEA地域は直近4決算期)の収益(売上高)に基づく成長率としており、現在はオーストラリア、中国(香港含む)、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、台湾から、上場、未上場を含む様々な規模の企業が参加しています。ランキング対象となる事業領域は、(1) 半導体や部品・コンピュータ、周辺機器等を含むハードウエア、(2) アプリや各種管理運用システムを含むソフトウエア、(3) インターネットやクラウドサービスを含む通信、(4) 広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア、(5) バイオや製薬を含むライフサイエンス、(6) 再生技術やエネルギー貯蔵、機器を含むクリーンテック、以上の6領域としています。
【本プログラムで開示されている情報について】
この情報は、集計に当たり正確を期しておりますが、企業からの回答をそのまま集計し反映したものであり、デロイト トーマツ グループやデロイト トウシュ トーマツ リミテッドは、明示または黙示を問わず、これらの情報の正確性などについて何らかの意見を表明したり、または内容を保証したりするものではありません。
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