ニュースリリース

デロイト トーマツ、『人事制度・報酬調査2022』結果を発表

2023年3月6日

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:木村 研一)は、日本企業の役職・報酬体系に沿った形で、従業員の報酬水準、人事制度について調査を実施し、その結果を『人事制度・報酬調査2022』としてまとめました。調査は売上・従業員など規模別の報酬水準比較や、賃上げ動向、デジタル人材獲得のための制度課題、定年後再雇用の動向、従業員長期インセンティブの動向など多様なテーマを含んでおりますが、本発表では報酬水準、賃上げ動向について主要なトピックスをお知らせします。

なお、本調査は2022年度より開始した初めての調査で、2022年7月~9月にかけて調査を実施し、国内資本の企業を中心に、196社から回答を得ました。

【主な調査結果】

■年間報酬水準/階層間格差内資・外資比較

全産業における、基本給・諸手当・賞与を含めた年間報酬額の中央値は、「Senior Manager /部長級」で 1,091万円、「Manager /課長級」は 882万円となった。また、階層間での報酬格差について内資企業と外資企業で比較した場合、内資企業は階層間格差が全般的に小さく、とりわけ賞与において顕著な違いが見られた。(図1)

図1. 階層間報酬格差(課長級を1.00として倍数比較)
クリックまたはタップすると拡大版をご覧になれます

■年齢別賃金カーブ

年齢別の賃金カーブでは「55歳以降」の報酬水準の落ち込みがなくなりつつある結果となった。今回の調査結果では、定年延長企業が2割を超え、再雇用者制度導入企業でも定年前と同水準で処遇している企業が15%となるなど、高年齢層の処遇に変化が生まれつつある。若年層については、初任給見直しや処遇見直し等が進んだことなどで会社間の水準差は小さい一方、企業間で競争力の差が生まれ、「28歳以降」の中堅世代では報酬水準が広がっており、人材獲得やリテンションで課題を抱える企業には報酬水準の検討の必要性がうかがえる。(図2)
 

図2. 年齢別賃金カーブ(企業の報酬水準レンジ別比較)
クリックまたはタップすると拡大版をご覧になれます

■賃上げの検討状況、賃上げの対象

直近3年間において賃上げの実施もしくは具体的計画がなされた企業は7割となった。うち7割が全体を対象とする賃上げとしている。特に近年は初任給見直しや若手層の処遇見直し等が進められてきたこともあり、内資における階層間格差の小ささもあいまってから初任給・若手層を限定した賃上げは難しくなっていることがうかがえる。(図3)

図3. 賃上げの検討状況と対象
クリックまたはタップすると拡大版をご覧になれます

■人事制度の基軸/改定意向

  • 管理職では、「職能・役割・職務/ジョブのうちいずれかを組み合わせた」制度基軸としている企業が最も多く(31.6%)、次いで「職能」となっている(30.6%)
  • 一方、非管理職では、 「職能」を制度基軸としている企業が最も多い(54.1%)

■定年後再雇用制度、再雇用時の報酬水準

  • 約7~8割の企業が「60歳」 定年(77.6%)としている一方、約2~3割の企業が「65歳」 定年(18.4%)にしている
  • 「65歳以上」定年の企業の約5割が再雇用制度を設けている(51.4%)
  • 定年後再雇用を採用している企業において、再雇用時の報酬水準を定年前の「60 %以上70%未満」にしている企業が最も多く(22.4%)、次いで「70%以上80%未満」または「50%以上60%未満」(各16.3%)となっている

■デジタル人材の採用

  • デジタル人材を「採用した」または「今後採用予定がある」企業は、あわせて約7割にのぼる(68.4%)
  • デジタル人材の採用を「実施した」企業の処遇に関して、「制度、運用ともに特別な措置は講じていない」企業の割合が最も高いが(67.9%)、何らか特別な措置を講じている企業もおよそ3~4割程度ある
  • デジタル人材採用における課題として、「報酬水準の自社水準とのアンマッチ」 (73.1%)または 「市場母集団の少なさ」 (67.9%)を選ぶ企業の割合が多い

【調査概要】

調査期間:2022年7月~9月

調査目的:魅力的な報酬水準・人事制度の設計に資する従業員報酬制度・人事制度の現状に関する分析データの提供

参加企業数:196社(集計対象従業員総数 434,618名)

参加企業属性:製造業92 社、非製造業104 社/ 上場企業143社、非上場企業53社

【人事制度・報酬調査2023について】

人事制度・報酬調査は、2023年度も継続して実施する予定です。詳細が確定しましたら、別途当社Webページにてご案内します。なお、調査協力企業には詳細な調査報告書(今年度は174ページ)を提供する予定です。

<本調査に関する企業の方からの問い合わせ先>

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
ヒューマンキャピタルディビジョン 担当:人事制度・報酬調査チーム
Email: dtcrewards_survey@tohmatsu.co.jp

 
<報道機関の方からの問い合わせ先>

デロイト トーマツ グループ 広報担当 高橋・高木
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp

デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市以上に約1万7千名の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。

Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。

デロイト アジア パシフィック リミテッドはDTTLのメンバーファームであり、保証有限責任会社です。デロイト アジア パシフィック リミテッドのメンバーおよびそれらの関係法人は、それぞれ法的に独立した別個の組織体であり、アジア パシフィックにおける100を超える都市(オークランド、バンコク、北京、ハノイ、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、メルボルン、大阪、ソウル、上海、シンガポール、シドニー、台北、東京を含む)にてサービスを提供しています。

Deloitte(デロイト)は、監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリー、税務、法務などに関連する最先端のサービスを、Fortune Global 500®の約9割の企業や多数のプライベート(非公開)企業を含むクライアントに提供しています。デロイトは、資本市場に対する社会的な信頼を高め、クライアントの変革と繁栄を促し、より豊かな経済、公正な社会、持続可能な世界の実現に向けて自ら率先して取り組むことを通じて、計測可能で継続性のある成果をもたらすプロフェッショナルの集団です。デロイトは、創設以来175年余りの歴史を有し、150を超える国・地域にわたって活動を展開しています。 “Making an impact that matters”をパーパス(存在理由)として標榜するデロイトの約415,000名のプロフェッショナルの活動の詳細については、(www.deloitte.com)をご覧ください。