ニュースリリース

デロイト トーマツ、金融機関のリスク管理強化に向けて予想信用損失(ECL)モデル検証サポートサービスを開発

帝国データバンクが保有する大規模長期データに基づく将来予測モデルを活用。貸出先ポートフォリオの規模などリソースに制約のある金融機関においても高精度なECLモデルが導入可能に

2025年3月26日

デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、代表執行役:岩村篤、以下「デロイト トーマツ」)は、信用調査会社である株式会社帝国データバンク(以下「TDB」)が保有するデータに基づいて構築する倒産発生率等の将来予測モデルを活用し、金融機関等の企業が保有する貸倒引当金等の予想信用損失(ECL:Expected Credit Loss)モデルの妥当性を評価・検証サポートするサービスを開発しました。貸倒引当金に将来予測を織り込む実務(いわゆる「フォワードルッキング(FL)引当」)の重要性が高まる中、リソースに一定の制約がある地方銀行等の金融機関においても信用損失の将来予測において低コストかつ効率的に高精度なモデルが導入可能となるようサポートします。

近年、金融業界ではグローバル経済の不確実性と地政学的リスクの増大、またサステナビリティーの重要性が増していることなどにより、リスク管理強化や長期的な視点での信用リスク評価の必要性が高まっています。このような経済環境の変化の中、企業会計基準委員会(ASBJ)においても信用リスクの将来予測を伴うECLモデルに基づく金融資産の償却・引当に関する会計基準改正の検討が進展しています。

本サービスは、デロイト トーマツの持つ各種検証手法に関する豊富な知見とTDBの持つ大規模長期データを用いた将来予測モデルを併せて活用することで、貸出先ポートフォリオの規模や統計学の知見といった内部リソースに一定の制約がある金融機関においても、有効なECLモデルが構築・運用できるようサポートするものです。

 

ECL将来予測モデル検証ソリューションサービスの概要

本サービス提供の流れは以下の通りです。
まず、現状のECLモデルを定性的に分析し、適切な検証手法を定義します。次に、TDBは保有する企業データ*を活用しながら導入対象となる金融機関の貸出先ポートフォリオ構成(地域、業種、規模、信用リスク水準など)を再現した近似ポートフォリオを作成し、この近似ポートフォリオにおいて倒産確率等を予測するモデル(以下「外部モデル」)を構築します。最後に、デロイト トーマツが、外部モデルで算出した予測結果等を用いて、金融機関が内部データに基づいて構築したECLモデル(以下「内部モデル」)の予測結果や内部モデル自体の妥当性を分析することにより検証のサポートを行います。分析の際はデロイト トーマツがこれまで培った各種検証手法を適用し、その結果はレポートや解説資料、ディスカッション機会など金融機関の内部統制において最善の形で参照できるように提供します。

なお、外部モデルの変数は金融機関の方針に応じて自由に設定可能で、TDBが作成する景気動向調査DI等の独自インデックスを変数とする高精度の外部モデル構築も可能です。


*TDBが活用可能な企業データ例:

  • 金融機関のリスク・プロフィールに応じた地域や業種グルーピングにおける長期の倒産実績率データ
  • TDB景気動向調査(全国約27,000社を対象に実施している月次統計調査)
     
図:サービス提供体制


金融機関は、このサービスを利用することで、デロイト トーマツのこれまでのプロジェクト知見を踏まえた有効な内部統制プロセスを構築しながら、効率的に高精度なECLモデルを運用でき、余剰リソースを発展的な経営課題に投下することも可能となります。

デロイト トーマツは、クライアントである金融機関の皆様とのコミュニケーション等を通じて、今後も継続して本サービスのカスタマイズや機能拡張を通じたサービス高度化を図ってまいります。

本サービスの詳細はこちらをご覧ください。

<報道機関の方からの問い合わせ先>

デロイト トーマツ グループ 広報担当 鈴木、菊池
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp

デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約2万人の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。

Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。

デロイト アジア パシフィック リミテッドはDTTLのメンバーファームであり、保証有限責任会社です。デロイト アジア パシフィック リミテッドのメンバーおよびそれらの関係法人は、それぞれ法的に独立した別個の組織体であり、アジア パシフィックにおける100を超える都市(オークランド、バンコク、北京、ベンガルール、ハノイ、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、メルボルン、ムンバイ、ニューデリー、大阪、ソウル、上海、シンガポール、シドニー、台北、東京を含む)にてサービスを提供しています。

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