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Audit Innovation施策事例

ステークホルダーから将来にわたって信頼を得るために変化を自ら創り出していく、有限責任監査法人トーマツ(以下トーマツ)がAudit Innovationとして取組む事例をご紹介します

Illumia / Audit Analytics(データを活用した監査手続)

Illumia / Audit Analyticsは、監査先企業の財務・非財務データを、様々な属性情報や外部データと組み合わせて分析・視覚化し、徹底的なリスクアプローチを行う手法です。監査人とデータサイエンティストが協働することで、監査人の経験則だけでは捉えられない相関や特異な傾向、推移を識別・検証することで、新たな不正リスクを検出しつつ、効率的かつ効果的な監査を実現しています。

また、 Illumia / Audit Analyticsは、監査手続だけで利用するものではなく、分析結果をタブレットやタッチパネルを利用して、グラフやビジュアルとして提供しています。監査先企業への報告会などにおいては、機器を操作しながら、通常と異なる事象の原因探索や将来予測など深い洞察につながる議論に活用しています。

さらに、監査人とデータサイエンティストの知見を結集した分析手法をアナリティクスプラットフォームとして集約し、2016年には約300社の監査業務に適用しています。トーマツでは、今後、 2017年中に500社、 2018年までに上場会社全社、 2020年までに全ての監査業務にアナリティクスを導入し、リスクフォーカスの徹底による監査品質の向上、ならびに監査手続を通じて判明した洞察の提供によって、付加価値の向上を図ります。

Magnia(監査業務管理システム)

トーマツは、他法人に先駆けて、90年代より全世界のデロイト共通の監査システムを使用してきました。現在使用している最新のシステムは、以下のような特徴があり、効果的・効率的な監査を強力に支援しています。

  1. グローバル監査における関係会社ごとの監査関連リスク情報の一元管理
  2. 各監査先企業の規模、 インダストリーおよび重要なリスク領域に対応した最新ナレッジの利用
  3. 監査の進捗に関する情報をリアルタイムに管理する監査ステータス・ダッシュボードの利用
  4. 全ての監査チームの重要な手続をオンライン上で常時モニタリング可能

Cognia(監査業務専用ポータルサイト)

トーマツでは、各種の監査支援ツールを提供するグローバルポータルサイト「Cognia」を活用しています。監査に有益かつ先進的なツールを1カ所に集約することで、国内外を問わず、デロイトとしての監査品質を維持し、一貫した監査手続を推進しています。

Balance Gateway(残高確認オンラインサービス)

トーマツでは、確認手続をオンラインで行うシステムを、国内監査法人として初めて構築しました。このシステムは、金融機関と同水準の強固なセキュリティで守られたオンラインシステム上で稼働します。

重要な監査手続の一つである確認手続は、これまで1通ずつ手作業で郵送・回収しており、被監査会社にとっても多大な負担でした。また、いただいた回答を一つ一つインプットしてデータ化する作業量も膨大でした。

これらがシステム処理されることにより、被監査会社・監査人双方の手間やミスが減少するだけでなく、被監査会社ごとの確認状況についての情報が視覚化され、一元管理できることになり、手続の迅速化と同時に、監査品質の向上が可能になります。

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Balance Gateway(バランスゲートウェイ)

Argus(AIを利用した文書解析ツール)

トーマツでは、人工知能(AI)を活用した各種ツールを順次導入予定です。その一つである“Argus”は、会計処理の基礎となる取引の実態や契約条件の把握のため、多数の英文契約文書から一括して重要な文言や条件、欠損個所等を抽出することで、効率的な監査の実施を実現する文書解析システムです。

Deloitte Analytics Cloud

Deloitte Analytics Cloud は、国内複数のデータセンターで運用を行うとともに、24時間のサイバーセキュリティの監視を行うことで、高可用性と高セキュリティを実現したプライベートクラウドです。今後、本プラットフォーム上には、オンライン上で残高の確認手続を行う等のデジタル化された監査サービスを複数展開予定です。

WEBサイト(外部サイトへ)

ワークスタイル変革

トーマツが進めるイノベーションは、監査手続の変更やツール開発にとどまりません。 トーマツで働く人が生涯にわたって社会の期待に応え続けられるよう、個々人の働き方に柔軟に対応した、新たなワークスタイルの実現も目指しています。

具体的には、在宅勤務制度の導入や、フレキシブルワーキングプログラム制度によるコアタイムの短縮、休職制度の新設と拡充、介護・看護休暇制度の改定、退職した方の再雇用制度等の整備を行い、各職種の働き方や特性に応じた制度改革活動を進めています。

また、制度面の変革だけでなく、どのような環境でも快適な業務提供が行えるITの活用などハード面の整備も進めています。どこからでも安全に、同じ作業環境にアクセスできるVDIの活用や、離れた場所でもインタラクティブな会議を実現する双方向ビデオ会議システムの導入、業務用スマートフォンを活用した勤怠管理システムなど、様々な可能性を考慮しながら企画検討を行い、開発・実用テストを通じて、監査現場への導入を進めています。

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