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アジア太平洋地域版: 公正な移行(Just Transition)におけるグリーンカラー労働力の増加
本レポートでは、アジア太平洋諸国における気候変動とそれへの対策においての最も脆弱な状況にある人々を特定し、彼らがレジリエンスを高め、衡平な雇用成果を確保しつつ、GXへの取り組みにおいて主導的役割を果たす「公正な移行」を可能にする「グリーンカラー労働力政策アジェンダ」を提示しています。
異常気象の頻発化・激甚化や既存の社会経済的脆弱性により、アジア太平洋地域は世界で最も気候変動の影響を受けやすい地域の一つとなっています。
同時にアジア太平洋地域は豊富な自然資本、人的資本、技術的資本を有しており、特に産業技術とデジタルテクノロジーの強みは、モビリティ、エネルギー、製造、食料、土地利用など世界的なネットゼロへの移行を加速させるために必要なあらゆる低炭素システムのソリューションを構築し、拡大するうえで将来にわたって大きなリーダーシップを発揮する立場にあります。
デロイトの分析では現43%のアジア太平洋諸国の労働力が異常気象とグリーンな経済移行の影響に対して脆弱な産業に従事していると特定している一方で、グリーン成長により経済の脱炭素化の移行が最も早く成功すれば2050年までに1億8,000万人の雇用を創出することが可能だと推計しています。またアジア太平洋諸国が脱炭素化の機会を捉えることができれば、2070年までに47兆ドルの経済効果が地域にもたらされるとも試算されています。
本レポートではこれらを現実化させる上でカギとなる5つの要素を(①野心的な中間排出削減量の設定、②新しい産業政策の設計、③移行経路における価値の高い仕事の創出、④適応可能なスキルと教育のパイプラインの確保、⑤必要な場所のスキルを集中させることを目的とした両動力制作の策定)「グリーンカラー労働力に関する政策アジェンダ」を提言するとともに、アジア太平洋諸国の各国の現在における取り組みを紹介しています。
<目次>
01序文
02エグゼクティブサマリー
03アジア太平洋地域における労働力の脆弱性
04アジア太平洋地域におけるグリーンカラー労働力の増加
05公正な移行(Just Transition)の確保
06アジア太平洋諸国政府が労働力移行を主導するには
07グリーンカラー労働力に関する政策アジェンダ
08Technical appendix(補足資料)
なお、本レポートは、デロイトネットワークが発行した「Work toward netzero in Asia Pacific The rise of the Green Collar workforce in a just transition」をデロイト トーマツ グループが翻訳し、2023年12月に発行したものです。原著は下記リンクよりご確認いただけます。