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イベントレポート:生成AI時代の今こそ、企業には「攻めのAIガバナンス」が求められる

Robust Intelligence主催のAI Risk Management Summitにデロイト トーマツの森正弥・染谷豊浩が出席

2023年10月25日、Robust Intelligence主催の招待制イベント「AI Risk Management Summit 2023」が東京都内で開催、デロイト トーマツ グループよりDeloitte AI Institute所長の森正弥、Deloitte Analyticsの染谷豊浩が出席しました。

※本ページの記載情報は記事公開時点のものです

本サミットは日本企業が経営アジェンダとしてどのように生成AIのビジネス利用に付随するAIリスク管理に立ち向かうべきかを議論する場として開催。日本企業のCEOをはじめとした経営層や、CDO、CISOといった企業における生成AIの利活用を推進する役職の方々、取材を目的として来場した記者等も含めて、約60名が参加しました。

写真提供:Robust Intelligence

サミットは約2時間にわたって開催。前半では、AI Securityというキーワードをもとに、AIの利活用によって組織が得られるベネフィットを概観し、生成AIの時代に求められる「攻めのAIガバナンス」の重要性について議論を交わしました。また後半では、パネルディスカッション形式で業界横断のケーススタディを紹介し、その後AIをめぐる政策潮流と企業に求められるガバナンスモデルについて参加者同士で議論を交わしました。

サミットにおいてデロイト トーマツの森は「AIガバナンスに関しては、システム的な観点に加えて、業務プロセスがAIのリスクを誘発するものになっていないかどうか、使用しているデータがバイアスないかどうか、AIのリスクをコントロールしつつ利用を促進できる組織や人材を整えられているかどうか、といった多面的な観点が求められる。」と、AIガバナンスに求められる観点に触れ、「それぞれのレイヤを経営がモニタリングし、管理していくことで、AIの戦略的活用を進めることができる。AIの活用をアクセルとしたら、AIガバナンスはブレーキにあたる。よいアクセルとブレーキの組み合わせがあってはじめて、目的地へ向かってドライブしていくことが可能となる。」と、AI活用とAIガバナンスの両輪を動かすことがビジネスをドライブさせると語りました。

 


写真提供:Robust Intelligence


またAIガバナンスを着手している企業は多いが、エンドユーザーたる顧客とのコミュニケーションをガバナンスに反映させているところは少ないことを受けて、「今後のAIガバナンスは、サービス提供者だけにとどまらない、エンドユーザーも含めたステークホルダーとのコミュニケーションと協力によって実現をしていくことが大切になる。」とコメントしました。

また、本イベントに出席したデロイトアナリティクスの染谷は、「AIRMS2023で多数のCxOの方との意見交換を通じて、もはやAIは一部の専門化だけが取組むトピックでは無くなったこと、この変革に対応していくには業界として個社の枠を超えた取組みが必要であることを再認識することができました。我々としてもAIガバナンス協会の活動を通じて日本社会のAIガバナンス体制の構築に貢献して参ります。」とコメントしています。

 

デロイト トーマツ グループでは、生成AIを中心としたAIの利活用におけるリスクマネジメントの高度化を通じ、Trustworthy AIの社会実装に向けて幅広いソリューションを提供しています。従前より協業を進めているRobust Intelligence社との連携を含め、今後も生成AIの利活用をはじめとした取り組みを推進すべく、デロイト トーマツのAI専門家が取り組んでまいります。ご関心のある方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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