出版物
信頼できるAIへのアプローチ
AI活用で踏まえておきたい9つのチェックポイント
原著:Trustworthy AI: A Business Guide for Navigating Trust and Ethics in AI
信頼できるAIをいかに実現していくか。あるいは、AIをいかに信頼できるものとして活用していくか。
本書はBAM社という架空の企業における信頼できるAI実現に向けた物語を追いかけることで、AIの信頼性と倫理に関する課題を探っていく。
AIガバナンスの仕組みを策定する経営層やリーダー層、そしてAI研究者、開発者にとって、この分野のバイブルとなり得る1冊。
2022年末にChatGPTが公開され大きな話題となっています。質問を打ち込むとまるで生身の人間のような回答を返してくれます。ときには人間の回答能力を超えると思われる網羅的な回答を瞬時に返してくれる場合もあります。
生成AIを筆頭に近年のAIは急速に進歩しており、人間の一部の能力を超越するほどの能力を獲得しています。それに伴い、自動応答や自動運転など社会およびビジネスの現場での実装も始まっています。
一方で、AIの出力が正確な情報ではないことやバイアスが入るなどの懸念もあります。人間がこのAIの出力を意思決定の支援として利活用することを考えると、AIとのうまい「つきあいかた」を特性別に検討しておくことが必要です。企業・ビジネスにおける利活用においては、企業の信用に関わるため特に留意が必要になります。
本書は、Deloitte AI Instituteのグローバル・マネージング・ディレクターであるBeena Ammanath(ビーナ・アマナス)が執筆したAI倫理の書籍Trustworthy AI(信頼できるAI)の邦訳です。信頼できるAIをいかに実現していくか。あるいは、AIをいかに信頼できるものとして活用していくか。そのためのガイドラインとなるフレームワークを紹介しています。
これらのフレームワークはいずれも企業や組織がAIの取り組みを進めていくにあたっての重要な観点であり、AIを用いた効果的オペレーションや競争力創出のための基礎となるものです。しかし、このすべての観点に網羅的に対応しないといけないということではありません。AIのユースケースに応じてどのようなリスクがあるのかを識別し、必要となる観点を踏まえた対処を行うことがガバナンスの要諦です。そういう意味で、本書で挙げられている項目ごとの留意点は、どの段階に位置する企業、組織にとっても、安全かつ確実にAI活用を進めて成果を出すための助けになります。AIガバナンスの仕組みを策定する経営層やリーダー層、そしてAI研究者、開発者にとって、この分野のバイブルとしてお薦めの1冊です。
目次
序章
第1章 現代AI入門
第2章 公平性と中立性
AIの公平性チェックリスト
第3章 堅牢性と信頼性
AIの堅牢性と信頼性チェックリスト
第4章 透明性
AIの透明性チェックリスト
第5章 説明可能性
AIの説明可能性チェックリスト
第6章 セキュリティ
AIのセキュリティチェックリスト
第7章 安全性
AIの安全チェックリスト
第8章 プライバシー
AIのプライバシーチェックリスト
第9章 アカウンタビリティ
AIのアカウンタビリティチェックリスト
第10章 責任
責任あるAIチェックリスト
第11章 信頼できるAIの実現に向けて
第12章 信頼できるAIの展望
書籍概要
- 書名
- 信頼できるAIへのアプローチ AI活用で踏まえておきたい9つのチェックポイント
- 著者
- Beena Ammanath(ビーナ・アマナス)
- 監訳者
- 森正弥・神津友武
- 訳者
- 清水咲里・山本優樹・大音竜一郎・老川正志・中島拓海
- 発行所
- 共立出版株式会社
- 発売日
- 2023年10月30日
- 定価
- 3,080円(本体2,800円+税10%)
- ISBN
- 978-4-320-12570-4