事例紹介

内部監査へのCAAT導入を検討する中で、Risk Analytics Connectが選択肢に

Risk Analytics Connectユーザー企業インタビュー: アネスト岩田株式会社様(前編)

本記事では、Risk Analytics Connectの導入企業であるアネスト岩田株式会社様をお迎えし、当ソリューションの活用や内部監査への取り組みについてインタビューしたものを抜粋して掲載しています。前編では、Risk Analytics Connectの導入から活用に至る経緯をお伺いします。

この方に伺いました:

アネスト岩田株式会社 内部監査室
室長 高瀬 清司 様

公認内部監査人、公認不正検査士

本記事はPDFでもご用意しております。(1.2MB)

ダウンロード

取締役への情報提供が求められる内部監査:多くの海外拠点のリスクの適切な把握が課題だった

―本日はありがとうございます。最初に、御社のビジネスのご紹介をいただけますでしょうか?

アネスト岩田株式会社 高瀬氏(以下、高瀬氏):
こちらこそ本日はありがとうございます。アネスト岩田は、一言で申し上げると産業用機械のメーカーです。創業以来の主要製品のひとつとしてスプレーガンがありますが、塗装の領域に対し、その周辺環境も整える製品を展開しています。それらのコーティング事業や圧縮空気を作るコンプレッサー等を提供するエアエナジー事業等を展開しており、2021年で創業95年になりました。

本社は神奈川県の横浜にございまして、横浜は研究開発や、お客様へのデモンストレーションを行う施設になっています。国内には秋田と福島に製造拠点があるほか、営業拠点が全国にございます。そのほか世界の21の国と地域でグループ会社としてビジネスを展開しています。


―大変グローバルなビジネスを展開されていらっしゃいますね。高瀬様は内部監査のご担当でおられますが、御社の経営層やステークホルダーからの内部監査に対する期待はどのようなものでしょうか?

高瀬氏:
代表取締役や経営層への情報提供はもちろんですが、当社の社外取締役への情報提供を強く期待されています。当社のガバナンスの特徴のひとつとして、社外取締役が過半数を超えている点があるのですが、監査等委員である社外取締役と、監査等委員ではない社外取締役がおり、後者への情報提供が不足していたことが従来の課題でした。そのため内部監査部門からの情報提供によって、その情報の不足の解決の一助となることがミッションのひとつです。

当社について言えるのは、内部監査部門として行動しやすい環境であることです。先般よりコーポレートガバナンスコードでも求められるようになった通り、監査等委員会と内部監査部門との密な連携が理想的だと考えていますが、当社でも数年前よりそのような体制を採用しています。


―社外取締役が大多数というのは日本企業の中でも開かれたガバナンスの在り方で、社外の目を入れて進めていくという点において先進的ですね。一方で、御社において特徴的な点として、海外の売上比率が非常に高く、拠点も多くございます。「内部監査」という点において、限られた人数の中で、各拠点の問題点等を報告していくことにも取り組んでいらっしゃいますよね。

高瀬氏:
海外子会社の内部監査につきましても、ステークホルダーから内部監査部門への期待は感じるところではありますね。ご指摘の通り、当社は海外展開を積極的にしており、海外拠点としてグループ会社を多く抱えています。グループ会社は比較的小規模な拠点が多く、各拠点で内部監査部門を整備するのは実質的に不可能ですので、内部監査に関しては本社で担っていく必要があります。

限られた人数で内部監査に取り組まなくてはならないため、どの拠点を重点的に監査するか等、内部監査計画策定に注力しなくてはいけません。どの拠点で、どのようなリスクが最も高いのか、クイックかつ効率的な把握が重要だと考えています。

アネスト岩田株式会社 高瀬様
アネスト岩田株式会社 高瀬様

CAATの導入を検討する中でのRisk Analytics Connectとの出会い

―どの拠点を監査するのか、計画立案は非常に重要な観点ですね。どの子会社が重要な拠点か、洗い出す手法は様々かと思いますが、Risk Analytics Connectをはじめ、内部監査にデータ活用を採用されたのはどのような経緯だったのでしょうか?

高瀬氏:
過去からCAAT(※)によるデータ分析に取り組む意向はありました。一般的なスプレッドシート等での分析を試したこともありましたが、手間はかかり、リスクシナリオや閾値に関するノウハウがない中で、手作業でのアプローチでは継続的な実施が難しいと感じていました。そのため、CAATツールの選定を進めていたのですが、その中でわかったのはCAATツールの導入によって工数削減を見込めることはわかったのですが、リスクシナリオに関するノウハウがないことは課題として残ってしまうことでした。

※CAAT: Computer Assisted Audit Techniques
監査実施時にコンピューターを利用し、不正の有無等を検証する技法である。大量のデータを検証できるといったメリットがある。

そのような状況で困っていたところ、デロイト トーマツにRisk Analytics Connectを紹介いただき、導入の検討を始めました。従来から当社が抱えていたニーズにフィットするソリューションであると感じましたし、内部監査対象の選定をするプロセスにおけるノウハウが魅力でしたね。従前より会社の規模や売上高、製造や営業等の拠点の業務内容等の情報をもとに選定していたのですが、さらに即時性を持った分析ができるようになる点がRisk Analytics Connectの魅力でした。

―ありがとうございます。今おっしゃっていただいたように、一般的なCAATツールにはリスクシナリオ等は含まれていないため、特に内部監査の目線、ノウハウがどうしても必要になりますよね。Risk Analytics Connectは自動化する部分と、内部監査のノウハウがセットになっていることが特徴なので、その点を喜んでいただけるのは嬉しいですね。ほかにRisk Analytics Connectが魅力的に感じられた点があれば教えていただけますか?

高瀬氏:
Risk Analytics Connectは導入後のイメージがしやすかった点が大きいです。他のソリューションは分析ツール導入とコンサルティングがセットになっており、結果が見えにくかったのですが、Risk Analytics Connectは導入の検討がスムーズに進みました。

―多くの導入企業様から「Risk Analytics Connectは結果がわかりやすく出てくる」と評価いただくことが多いです。私自身も、結果がわかりやすく出てくることは特徴であると認識しています。そのほか、導入も含めた作業や、導入後の使用感・操作性などについてもお聞かせいただけますか。

高瀬氏:
検討後の導入についても、データの確認等は当社側にとって負荷が高い作業ではありませんでした。導入については部門全体で苦労した感覚はなく、デロイト トーマツのサポートもあり、非常にスムーズに導入に至ることができたと感じています。

導入後はITに特別な専門性のない私でも容易に使えており、内部監査部門として注力すべき業務に集中できるという大きなメリットを感じています。経理部門の対応も上手く連携できており、分析を始めてから30分くらいで結果が閲覧できるようになりました。導入当初はITの専門性が高いメンバーに任せていたところもありましたが、現在では非常に使いやすいと感じています。

―ありがとうございます。限られたリソースの中で、効率的な内部監査を行う上で一助になっているようで、大変うれしく思います。続いて、新型コロナウイルスの影響についてもお伺いしたいと思います。(後編に続く)

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 中瀬
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 中瀬

聞き手:
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 Deloitte Analytics 中瀬真一

Deloitte Analyticsトップページへ戻る

サービス内容等に関するお問い合わせは、下記のお問い合わせフォームにて受付いたします。お気軽にお問い合わせください。

オンラインフォームより問い合わせを行う

お役に立ちましたか?