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金融機関の「DXの目詰まり」を解消する課題別アプローチ

週刊金融財政事情2022.1.25掲載記事

金融機関によるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、金融機関自身の競争力強化のみならず、顧客企業を巻き込んだ新しい事業の創出や、顧客企業のDX投資に係る目利きなど、幅広い波及効果を生む。しかし、「DX推進部署を立ち上げたものの具体的テーマが定まらない」「足元の業務効率化に終始していて変革にはほど遠い」といった金融機関がいまだに多く存在している。本稿では、そうしたDXの目詰まりの背景について考察するとともに、ビジネスの変革を強力に推進していくための具体的アプローチを紹介する。

DX達成には基本構造の理解が不可欠

DXは、データを処理する技術がビジネスの魅力度を高め、より多くのプレーヤー、ひいてはより多くのデータを引き付けることで事業に変革をもたらす。商品評価の収集・開示、購買履歴に基づくレコメンデーション等によりアマゾンのECビジネスは小売りを変革し、リアルタイムの価格提示や情報提供でウーバーイーツは飲食ビジネスの在り方を変えた。

一方で、売られている商品の本質的な価値は変化していない。変化しているのは顧客体験とバリューチェーンである。金融機関は従前から比較的高度なデータ分析技術を用いて、リスクを取得したり移転したりすることでビジネスを営んでいる。だが、さらに高度なデータ処理技術を用いてそれを磨き上げるだけではDXは達成されない。DXの基本的な構造(図表1)を踏まえ、データの集め方・処理方法を変革し、どのように新しい顧客体験・価値を作り出すかというグランドデザインが必要になる。

 

〔図表1〕DXの基本構造

DXの基本構造
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*記事の全文は「金融機関の「DXの目詰まり」を解消する課題別アプローチ(PDF)」をダウンロードください。

 

※本記事は、一般社団法人金融財政事情研究会の許可を得て当法人のウェブサイトに掲載したものにつき、無断転載を禁じます。

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