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保険会社のグループ・ガバナンスと再建計画
Group governance and recovery planning for insurers
保険会社のグループ・ベースでの活動が進展する中、グループ・ガバナンスは大きな課題の一つとなってきています。また、国際的に活動する大規模な保険グループには、再建計画の策定が求められるようになりました。本稿では、グループ・ガバナンスと再建計画について、規制・監督の動向について概観するとともに、それぞれの高度化に向けたアプローチを議論しています。
- 金融庁は2020年12月、「保険会社向けの総合的な監督指針」を改正し、その中で、保険会社に対するグループ・ベースでの監督の目線を示しました。この改正の目的の一つは、保険監督者国際機構(IAIS)が2019年11月に最終化した国際的な保険監督基準である「国際的に活動する保険グループの監督のための共通枠組み(ComFrame)」を保険監督指針に取り込むことです。
- 金融危機は、①金融機関のガバナンスやリスク管理の脆弱さ、②金融規制・監督の調和や協調の欠如、という課題を浮き彫りにしました。
- IAISが策定したComFrameは、グループ・ベースでのガバナンスやリスク管理に関する監督上の基準を提供するものであり、保険会社には、例えば、グループ・ベースで4つのコントロール機能(リスク管理機能、コンプライアンス機能、保険数理機能、内部監査機能)を整備するなど、グループ・ガバナンスの高度化に向けて取り組むことが求められます。
- 再建計画は、グループ・ガバナンスの高度化と密接に関連するもので、保険会社が策定する再建計画には、以下の7つの要素を含むことが求められます。
- COSOのERMフレームワークが示すように、カルチャーは強固なリスク管理の枠組みを構築する重要な要素の一つです。保険会社には、グループ・ガバナンスのさらなる強化のため、グループとして価値を共有するとともに、グループの(リスク)カルチャーを醸成していくことがより一層重要になってきます。
- グループ・ガバナンスの強化は、国際的に活動する保険グループのみならず、国内においてグループ形態で事業展開を行う保険会社にとっても大きな(潜在的な)課題の一つです。
- デロイト トーマツは、デロイトのグローバル・ネットワークも活用し、保険会社のグループ・ガバナンスの高度化や再建計画の策定など、お客様の多様なニーズに対応できるアドバイザリー・サービスをご提供しています。
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