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「連結会計」シリーズ(8)第8回・最終回 連結財務諸表の開示
月刊誌『会計情報』2020年2月号
公認会計士 戒能 唯
はじめに
連結会計に関連する会計基準等は多岐にわたり、また、連結の範囲、連結決算日、投資と資本の相殺消去等、連結財務諸表における開示等に関して、実務上、論点となることも多いことから、連結会計の主要論点に関する基本的な内容について、解説を連載している。
本号の第8回・最終回では【図表】の通り、金融商品取引法等に基づく連結財務諸表の種類及び開示(表示及び注記事項)について、解説を行う。
【図表】
回 |
テーマ |
内容 |
8 |
連結財務諸表の開示 |
・表示 |
なお、会社法における連結計算書類の取扱いについて簡単に解説すると、会計監査人設置会社は、法務省令(会社計算規則)で定めるところにより、連結計算書類を作成することができるが(会社法444条1項)、事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない会社については、連結計算書類を作成しなければならない(会社法444条3項)。
会社法における連結計算書類は、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結注記表により構成される(会社計算規則61条1項)。金融商品取引法で求められている連結包括利益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は含まれない。
また、有価証券報告書における連結財務諸表を国際会計基準、修正国際基準若しくは米国基準で作成することができる株式会社は、会社法における連結計算書類も同様の基準で作成することができる(会社計算規則61条2項~4項、120条、120条の2、120条の3)。
以下は、本号「連結財務諸表の開示」の解説にあたって参照している基準等の一覧であるが、上記の通り、本シリーズでは連結会計の主要論点に関する基本的な内容を解説しており、「連結財務諸表の開示」のテーマに関する論点を網羅していないため、本号に記載されなかった論点は基準等の原文を参照されたい。
- 会社法
- 会社計算規則
- 金融商品取引法(以下「金商法」という。)
- 金融商品取引法施行令(以下「金商令」という。)
- 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「連結財務諸表規則」という。)
- 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(以下、「連結財務諸表規則ガイドライン」という。)
- 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(以下「連結会計基準」という。)
- 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「過年度遡及会計基準」という。)
- 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識基準」という。)
2.金融商品取引法等に基づく連結財務諸表の開示
(1)有価証券報告書の提出義務
金融商品取引法等では、下記のいずれかに該当する場合には有価証券報告書の提出が義務付けられている(金商法24条、金商令3条の6、4条の2)。
① 金融商品取引所に上場されている有価証券
② 店頭登録されている有価証券
③ 募集又は売出しにあたり有価証券届出書又は発行登録追補書類を提出した有価証券
④ 所有者数が1,000人以上の株券(株券を受託有価証券とする有価証券信託受益証券及び株券にかかる権利を表示している預託証券を含む。)又は優先出資証券(ただし、資本金5億円未満の会社を除く。)、及び所有者数が500人以上のみなし有価証券(ただし、総出資金額が1億円未満のものを除く。)
(2)有価証券報告書における連結財務諸表の構成及び様式
有価証券報告書における連結財務諸表の様式、表示及び注記事項は、連結財務諸表規則に定められている用語、様式及び作成方法に基づいて作成することとなる(連結財務諸表規則1条)。
- 連結貸借対照表:様式第四号
- 連結損益計算書:様式第五号
- 連結包括利益計算書*:様式第五号の二
- 連結株主資本等変動計算書:様式第六号
- 連結キャッシュ・フロー計算書:様式第七号(直接法)、様式第八(間接法)
- 連結附属明細表:様式第九号から様式第十一号
* 2計算書方式を採用している場合。1計算書方式を採用している場合は、「連結損益及び包括利益計算書」
なお、一定の要件を満たしている会社は、連結財務諸表を指定国際会計基準又は修正国際基準に基づき作成することができる(連結財務諸表規則1条の2、1条の3、93条、94条)。また、米国式連結財務諸表を米国証券取引委員会に登録している会社が、当該米国式連結財務諸表を法の規定による連結財務諸表として提出することを金融庁長官が公益又は投資家保護に欠けることがないものとして認める場合には、金融庁長官が必要と認めて指示した事項を除き、連結財務諸表を米国基準に基づき作成することができる(連結財務諸表規則95条)。
(3)連結財務諸表の表示
① 連結貸借対照表
資産、負債及び純資産は、それぞれ資産の部、負債の部及び純資産の部に分類して記載する(連結財務諸表規則18条)。
ア.資産
資産は、流動資産、固定資産及び繰延資産に分類し、更に、固定資産に属する資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に分類して記載する(連結財務諸表規則21条)。
流動資産、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産及び繰延資産は、区分掲記が定められている項目については、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記する。ただし、当該項目に属する資産の金額が資産の総額の100分の1以下のもので、他の項目に属する資産と一括して表示することが適当な場合には、退職給付に係る資産を除き、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することも認められている(連結財務諸表規則23条、26条、28条、30条、32条)。
また、区分掲記が定められている項目について、別に表示することが適当であると認められるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもって別に掲記することも認められている(連結財務諸表規則23条2項、26条2項、28条2項、30条4項、32条2項)。
一方、「その他」の項目に含まれる資産のうち、その金額が資産の総額の100分の5を超えるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもって別掲する必要がある(連結財務諸表規則23条3項、26条4項、28条4項、30条5項)。
イ.負債
負債は、流動負債及び固定負債に分類して記載する(連結財務諸表規則35条)。
流動負債及び固定負債は、区分掲記が定められている項目については、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記する。ただし、当該項目に属する負債の金額が負債及び純資産の合計額の100分の1以下のもので、他の項目に属する負債と一括して表示することが適当な場合には、引当金及び退職給付に係る負債を除き、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することも認められている(連結財務諸表規則37条、38条)。引当金は当該引当金の設定目的を示す名称を付した科目もって掲記しなければならないが、金額が僅少で、他の項目に属する負債と一括して表示することが適当な場合は、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することも認められている(連結財務諸表規則37条3項、38条3項)。
また、区分掲記が定められている項目について、別に表示することが適当であると認められるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもって別に掲記することも認められている(連結財務諸表規則37条2項、38条2項)。
一方、「その他」の項目に含まれる負債のうち、その金額が負債及び純資産の合計額の100分の5を超えるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもって別掲する必要がある(連結財務諸表規則37条5項、38条4項)。
ウ.純資産
純資産は、株主資本、その他の包括利益累計額、新株予約権及び非支配株主持分に分類して記載する(連結財務諸表規則42条)。
株主資本は、資本金、資本剰余金及び利益剰余金に分類し、それぞれ、資本金、資本剰余金及び利益剰余金の科目をもって掲記する(連結財務諸表規則43条1項)。
自己株式は、株主資本に対する控除科目として利益剰余金の次に自己株式の科目をもって掲記する(連結財務諸表規則43条3項)。
その他の包括利益累計額は、次に掲げる項目の区分に従い、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記するが、それ以外でもその他の包括利益累計額として計上することが適当であると認められる項目は、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記することができる(連結財務諸表規則43条の2)。
(1) その他有価証券評価差額金 |
新株予約権は、新株予約権の科目をもって掲記するが、連結財務諸表提出会社が保有する連結財務諸表提出会社が発行した新株予約権及び連結子会社が保有する当該連結子会社が発行した新株予約権は、新株予約権から控除しなければならない。ただし、新株予約権に対する控除項目として新株予約権の次に自己新株予約権の科目をもって掲記することができる(連結財務諸表規則43条の3)。
② 連結損益計算書
収益又は費用は、次に掲げる項目を示す名称を付した科目に分類して記載する(連結財務諸表規則49条)。
(1) 売上高 |
販売費及び一般管理費は、適当と認められる費目に分類し、当該費用を示す名称を付した科目をもって掲記する方法の他、販売費の科目若しくは一般管理費の科目又は販売費及び一般管理費の科目に一括して掲記し、その主要な費目及びその金額を注記する方法も認められている。主要な費目とは、退職給付費用及び引当金繰入額(これらの費目のうちその金額が少額であるものを除く。)並びにこれら以外の費目でその金額が販売費及び一般管理費の合計額の100分の10を超える費用をいう(連結財務諸表規則55条)。
営業外収益、営業外費用、特別利益、特別損失は、項目ごとに区分し、当該損益を示す名称を付した科目をもって掲記することが原則であるが、その金額が該当する項目(営業外収益、営業外費用、特別利益、特別損失)の100分の10以下で、一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該損益を一括して示す名称を付した科目をもって掲記することができる(連結財務諸表規則57条、58条、62条、63条)。
③ 連結包括利益計算書
連結包括利益計算書は、当期純利益又は当期純損失、その他の包括利益及び包括利益に分類して記載する(連結財務諸表規則69条の4)。
その他の包括利益は、次に掲げる項目の区分に従い、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記するが、それ以外でもその他の包括利益の項目として計上することが適当であると認められるものは、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記することができる(連結財務諸表規則69条の5第1項、2項)。
(1) その他有価証券評価差額金 |
なお、持分法を適用する非連結子会社及び関連会社のその他の包括利益の項目の金額に対する連結財務諸表提出会社の持分相当額は、当該項目の名称を示す科目をもって一括して掲記する必要がある(連結財務諸表規則69条の5第3項)。
その他の包括利益の項目の金額は、税効果の金額を控除した金額を記載するが、税効果の金額を控除する前のその他の包括利益の項目の金額に、税効果の金額を一括して加減して記載することも認められている(連結財務諸表規則69条の5第4項)。また、当該税効果の金額は、その他の包括利益の項目ごとに注記する必要がある(連結財務諸表規則69条の6)。
④ 連結株主資本等変動計算書
連結株主資本等変動計算書は、株主資本、その他の包括利益累計額、新株予約権及び非支配株主持分に分類したうえで適切な項目に区分し、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記するが、当該項目及び科目は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結貸借対照表における純資産の部の項目及び科目と整合させる必要がある(連結財務諸表規則71条)。
株主資本、その他の包括利益累計額、新株予約権、非支配株主持分は、それぞれ、当連結会計年度期首残高、当連結会計年度変動額及び当連結会計年度末残高に区分して記載する(連結財務諸表規則72条1項、73条1項、75条1項、76条1項)。
株主資本に記載される科目の当連結会計年度変動額は、変動事由ごとに記載しなければならない(連結財務諸表規則72条2項)。一方で、その他の包括利益累計額、新株予約権、非支配株主持分の当連結会計年度変動額は、一括して記載するが、主な変動事由ごとに記載又は注記することも認められている(連結財務諸表規則73条2項、75条2項、76条2項)。
⑤ 連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書は、次に掲げる区分を設けてキャッシュ・フローの状況を記載する(連結財務諸表規則83条)。
(1) 営業活動によるキャッシュ・フロー |
営業活動によるキャッシュ・フローは、次のいずれかの方法により、営業利益又は営業損失の計算の対象となった取引に係るキャッシュ・フロー並びに投資活動及び財務活動以外の取引に係るキャッシュ・フローを、その内容を示す名称を付した科目をもって掲記する(連結財務諸表規則84条)。
(1) 営業収入、原材料又は商品の仕入れによる支出、人件費の支出その他適当と認められる項目に分けて主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法(直接法) |
利息及び配当金に係るキャッシュ・フローは、次に掲げるいずれかの方法により記載する(連結財務諸表規則88条1項)。
(1) 利息及び配当金の受取額並びに利息の支払額は営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載し、配当金の支払額は財務活動によるキャッシュ・フローの区分に記載する方法 |
⑥ 連結附属明細表
連結附属明細表の種類は、社債明細表、借入金等明細表及び資産除去債務明細表である(連結財務諸表規則92条)。
なお、資産除去債務明細表については、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下である場合には作成を省略できる。その場合には、作成を省略している旨を注記する(連結財務諸表規則92条の2)。
(4)連結財務諸表の注記事項
① 連結財務諸表の注記項目
連結財務諸表には、下記に掲げる項目を注記する必要がある。なお、連結会計基準43項においては、注記事項として「連結の範囲等」、「決算期の異なる子会社」、「会計方針等」、「企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を判断するために重要なその他の事項」が定められている。
(1) 継続企業の前提に関する注記(連結財務諸表規則15条の22) |
*1 「過年度遡及会計基準」では、過去の財務諸表に重要な誤謬があった場合には、修正再表示を行うことになっており、連結財務諸表規則においても関連する注記が定められている。一方で、金商法上は、重要な事項の変更等を発見した場合訂正報告書の提出が求められていることから(金商法24条の2第1項)、一般的には過去の誤謬を比較情報として示される前期数値を修正再表示することにより解消することはできないと考えられる(【新起草方針に基づく改正版】「監査基準委員会報告書第63号『過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表』」の公表について 前書文(日本公認会計士協会))。
*2 連結財務諸表規則において特に定める注記のほか、連結財務諸表提出会社の利害関係人が企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められる事項があるときは、当該事項を注記しなければならない。
*3 「収益認識基準」を早期適用する場合(収益認識基準80項)。
このうち、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「連結貸借対照表に関する注記」、「連結損益計算書に関する注記」について、以下に詳細な記載内容を解説する。
② 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項
連結財務諸表のための基本となる重要な事項については、次に掲げる事項に区分して注記する(連結財務諸表規則13条)。
ア.連結の範囲に関する事項
- 連結子会社の数及び主要な連結子会社の名称(有価証券届出書及び有価証券報告書の連結財務諸表以外の箇所に記載されている場合には、その旨を記載することで記載の省略が可能)
- 非連結子会社がある場合には、主要な非連結子会社の名称及び連結の範囲から除いた理由
- 他の会社等の議決権の過半数を自己の計算において所有しているにもかかわらず当該他の会社等を子会社としなかった場合には、当該他の会社等の名称及び子会社としなかった理由
- 開示対象特別目的会社がある場合には、開示対象特別目的会社の概要、開示対象特別目的会社との取引の概要及び取引金額その他の重要な事項
イ.持分法の適用に関する事項
- 持分法を適用した非連結子会社又は関連会社の数及びこれらのうち主要な会社等の名称
- 持分法を適用しない非連結子会社又は関連会社がある場合には、これらのうち主要な会社等の名称
- 持分法を適用しない非連結子会社又は関連会社がある場合には、持分法を適用しない理由
- 他の会社等の議決権の100分の20以上、100分の50以下を自己の計算において所有しているにもかかわらず当該他の会社等を関連会社としなかった場合には、当該他の会社等の名称及び関連会社としなかった理由
- 持分法の適用の手続について特に記載する必要があると認められる事項がある場合には、その内容
ウ.連結子会社の事業年度等に関する事項
- 事業年度の末日が連結決算日と異なる連結子会社がある場合において、その内容及び当該連結子会社について連結財務諸表の作成の基礎となる財務諸表を作成するための決算が行われたかどうか
エ.会計方針に関する事項
- 重要な資産の評価基準及び評価方法
- 重要な減価償却資産の減価償却の方法
- 重要な引当金の計上基準
- 退職給付に係る会計処理の方法
- 重要な収益及び費用の計上基準
- 連結財務諸表の作成の基礎となった連結会社の財務諸表の作成に当たって採用した重要な外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算の基準
- 重要なヘッジ会計の方法
- のれんの償却方法及び償却期間
- 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
- その他連結財務諸表作成のための重要な事項
③ 連結貸借対照表に関する注記
連結貸借対照表に関しては、次に掲げる事項を注記する。
ア.商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品をたな卸資産の科目をもって一括して掲記した場合、当該項目に属する資産の科目及び金額を注記する(連結財務諸表規則23条4項)
イ.流動資産及び投資その他の資産に属する資産に係る引当金を当該各資産の金額から直接控除した場合、当該引当金を当該各資産科目別又は一括して注記する(連結財務諸表規則24条、31条)
ウ.建物等の有形固定資産に対する減価償却累計額を当該各資産の金額から直接控除した場合、当該減価償却累計額を当該各資産の資産科目別又は一括して注記する(連結財務諸表規則27条)
エ.減損損失累計額を減価償却累計額に含めて減価償却累計額の科目をもって掲記した場合、減価償却累計額に減損損失累計額が含まれている旨を注記する(連結財務諸表規則27条の2)
オ.非連結子会社及び関連会社の株式、社債等を注記する(連結財務諸表規則30条2項、3項)
カ.土地再評価法の規定により事業用土地の再評価を行った場合、その旨、再評価の方法、再評価を行った年月日、再評価前及び再評価後の帳簿価額を注記する(連結財務諸表規則34条の2)
キ.資産が担保に供されている場合、その旨を注記する(連結財務諸表規則34条の3)
ク.偶発債務がある場合、重要性が乏しいものを除き、その内容及び金額を注記する(連結財務諸表規則39条の2)
ケ.企業結合に係る特定勘定が負債に計上されている場合、その主な内容及び金額を注記する(連結財務諸表規則41条)
コ.申込期日を経過した新株式申込証拠金に関する株式の発行数等を注記する(連結財務諸表規則43条2項)
サ.利益剰余金のうち債権者との契約により特定目的として積み立てられたものがある場合、その内容及び金額を注記する(連結財務諸表規則44条)
シ.特別法上の準備金等について、その計上を規定した法令の条項及び1年内に使用が認められるものかどうかの区別を注記する(連結財規45条の2第2項、3項)
ス.資産及び負債に関して、別記事業を営む会社の財務諸表について適用される法令又は準則に定める分類に準じて記載した場合、その準拠した法令又は準則を注記する(連結財務諸表規則46条)
④ 連結損益計算書に関する注記
連結損益計算書に関しては、次に掲げる事項を注記する。
ア.売上原価に含まれている工事損失引当金繰入額の金額を注記する(連結財務諸表規則52条の2)
イ.収益性の低下による帳簿価額の切下げ後の金額で棚卸資産の期末棚卸高を計上した場合、重要性が乏しい場合を除き、その旨及び当該切下額を注記する(連結財務諸表規則53条)
ウ.販売費及び一般管理費を一括で掲記した場合、その主要な費目及びその金額を注記する(連結財務諸表規則55条)
エ.一般管理費及び当期製造費用に含まれている研究開発費について、その総額を注記する(連結財務諸表規則55条の2)
オ.特別損益項目に関して、固定資産売却損益は種類又は内容、その他の項目は発生原因又は性格を示す名称を付した科目によって損益計算書に表示することが困難な場合、当該名称を付した科目を注記する(連結財務諸表規則ガイドライン62)
カ.減損損失を計上した場合、重要性が乏しい場合を除き、次に掲げる事項を注記する(連結財務諸表規則63条の2)
- 当該資産又は資産グループに関する、用途、種類、場所等の概要
- 減損損失を認識するに至った経緯
- 減損損失の金額及び主な固定資産の種類ごとの当該金額の内訳
- 資産グループがある場合には、当該資産グループに係る資産をグループ化した方法
- 回収可能価額が正味売却価額の場合にはその旨及び時価の算定方法、回収可能価額が使用価値の場合にはその旨及び割引率
キ.企業結合に係る特定勘定の取崩益が生じた場合、重要性が乏しい場合を除き、内容及び金額を注記する(連結財務諸表規則63条の3)
ク.引当金繰入額を区分掲記しない場合、その内容及びその金額を注記する(連結財務諸表規則66条)
ケ.収益及び費用に関して、別記事業を営む会社の財務諸表について適用される法令又は準則に定める分類に準じて記載した場合、その準拠した法令又は準則を注記する(連結財務諸表規則68条)
以上