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会計・監査の最新情報 - 2020年

有限責任監査法人トーマツの「新しい公表」のページです。企業会計基準委員会(ASBJ)や日本公認会計士協会(JICPA)等からの新しい公表をお伝えします。

【2020.06.03】ASBJ:実務対応報告公開草案第59号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年6月3日に、実務対応報告公開草案第59号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」を公表した。

現在、2014年7月の金融安定理事会(FSB)による提言に基づく金利指標改革(以下「金利指標改革」という。)が進められている中、ロンドン銀行間取引金利(London Interbank Offered Rate。以下「LIBOR」という。)の公表が2021年12月末をもって恒久的に停止され、LIBORを参照している契約においては参照する金利指標の置換が行われる可能性が高まっている。LIBORは5つの主要な通貨について公表されており、LIBORを参照する取引は広範に行われているため、金利指標改革により多くの取引に影響が生じる可能性がある。
そこで、2019年3月に開催された第405回企業会計基準委員会において、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より、金利指標改革に起因する会計上の問題に関して、基準開発の要否も含めて適時に検討を行うことが提言された。
この提言を受けて、ASBJは、2019年11月に開催された第420回企業会計基準委員会において、金利指標改革に対応する会計基準の開発に着手することを決定し、検討を重ねてきた。今般、2020年5月28日開催の第434回企業会計基準委員会において、標記の「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」(以下「本公開草案」という。)の公表が承認されたことを受け、広くコメントを募集することを目的として公表することとしたものとされている。
また、本公開草案最終化時には、金利指標の選択に関する実務や企業のヘッジ行動について不確実な点が多いため、本公開草案の最終化から約1年後に、金利指標置換後の取扱いについて再度確認する予定とされている。

 <本公開草案の概要>

■範囲(本公開草案第3項、第21項及び第23項)
・金利指標改革に起因して公表が停止される見通しであるLIBORを参照する金融商品について金利指標を置き換える場合に、その契約の経済効果が金利指標置換の前後で概ね同等となることを意図した金融商品の契約上のキャッシュ・フローの基礎となる金利指標を変更する契約条件の変更のみが行われる金融商品を適用範囲とすることを提案している。
・最終化後に新たにLIBORを参照する契約を締結する場合、その金融商品も適用範囲に含まれるとしている。

■金利指標置換前の会計処理
●ヘッジ対象又はヘッジ手段の契約の切替(本公開草案第5項)
・本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段としてヘッジ会計を適用している場合、金利指標改革に起因する契約の切替が行われたときであっても、ヘッジ会計の適用を継続することができることを提案している。

●ヘッジ会計の原則的処理方法(繰延ヘッジ)
(1)ヘッジ対象となり得る予定取引の判断基準(本公開草案第6項)
 本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品がヘッジ対象である予定取引が実行されるかどうかを判断するにあたって、ヘッジ対象の金利指標が、金利指標改革の影響を受けずLIBORから変更されないとみなすことができることを提案している。

(2)ヘッジ有効性の評価
 ・事前テスト(本公開草案第7項)
 本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段としてヘッジ会計を適用する場合、ヘッジ対象及びヘッジ手段の参照する金利指標は既存の金利指標から変更されないとの仮定を置いて事前テストを実施することができることを提案している。

 ・事後テスト(本公開草案第8項)
本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段としてヘッジ会計を適用する場合、事後テストにおける有効性評価の結果、ヘッジ有効性が認められなかった場合であってもヘッジ会計の適用を継続することができることを提案している。

(3)包括ヘッジ(本公開草案第9項)
 本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品を含むグループをヘッジ対象として包括ヘッジを適用する場合、個々の資産又は負債のリスクに対する反応とグループ全体のリスクに対する反応が、ほぼ一様であると認められなかった場合であっても、包括ヘッジを適用することができることを提案している。

●金利スワップの特例処理等
(1)金利スワップの特例処理(本公開草案第10項)
 本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段として金利スワップの特例処理を適用する場合、金融商品実務指針第178 項③から⑤の条件を満たしているかどうかの判断にあたって、ヘッジ対象及びヘッジ手段の参照する金利指標は既存の金利指標から変更されないとみなすことができることを提案している。

(2)外貨建会計処理基準等における振当処理(本公開草案第11項)
 本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段として振当処理を適用するに際し、円貨でのキャッシュ・フローが固定されているかどうかの判断にあたって、ヘッジ対象及びヘッジ手段の参照する金利指標は既存の金利指標から変更されないとみなすことができることを提案している。

■金利指標置換時の会計処理
●ヘッジ会計の原則的処理方法(繰延ヘッジ)(本公開草案第12項)
 金利指標置換前において本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段としてヘッジ会計を適用していた場合については、金利指標置換時において、ヘッジ会計開始時にヘッジ文書で記載したヘッジ取引日(開始日)、識別したヘッジ対象、選択したヘッジ手段等を変更したとしても、ヘッジ会計の適用を継続することができることを提案している。

■金利指標置換後の会計処理
●ヘッジ会計の原則的処理方法(繰延ヘッジ)(本公開草案第13項及び第48項)
・金利指標置換前において本公開草案の適用範囲に含まれる金融商品をヘッジ対象又はヘッジ手段としてヘッジ会計を適用していた場合、金利指標置換時以後において、本公開草案第8 項の取扱いを適用しヘッジ会計の適用を2023年3月31日以前に終了する事業年度まで継続することができることを提案している。これは、LIBORの公表停止が予定されている2021年12月末から概ね1年間を想定したものである。
・当該取扱いを継続している間、再度金利指標を置き換えたとしても、ヘッジ会計の適用を継続することができることを提案している。

●金利スワップの特例処理等(本公開草案第15項)
・金利スワップの特例処理及び振当処理についても原則的処理方法に関して提案した特例的な取扱いと同様の特例的な取扱いを提案している。
・本公開草案最終化時には、金利指標の選択に関する実務や企業のヘッジ行動について不確実な点が多いため、本公開草案の最終化から約1年後に、金利指標置換後の取扱いについて再度確認する予定である。

■注記事項(本公開草案第16項及び第53項)
・報告日時点において本公開草案を適用することを選択した企業は、本公開草案を適用しているヘッジ関係の内容(ヘッジ会計の方法、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジ取引の種類等)を注記することを提案している。
・本公開草案を一部のヘッジ関係にのみ適用する場合には、その理由を注記することを提案している。ただし、連結財務諸表において上述の内容を注記している場合には、個別財務諸表において記載することを要しないこととしている。

■適用時期等(本公開草案第17項及び第18項)
本公開草案では、公表日以後適用することができることを提案している。また、本公開草案を適用するにあたっては、ヘッジ関係ごとにその適用を選択することができることを提案している。

なお、コメント期限は2020年8月3日(月)までとされている。
詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2020/2020-0603.html)を参照いただきたい。

以上

【2020.06.03】ASBJ:「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂

企業会計基準委員会(ASBJ)は、202063日に「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂を公表した。

ASBJは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下「日本基準」という。)及び修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)(以下「修正国際基準」という。)の開発を行っている。これらの会計基準の開発に関する予見可能性を高めるため、ASBJにおける検討状況及び今後の計画をまとめ、公表しており、63日付で改訂されたものである。

 

前回公表(2020331日)からの主な改訂点

・「I. 日本基準2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)(3)金利指標改革に起因する会計上の問題」の(検討状況及び今後の計画)において、202063日に、実務対応報告公開草案第59号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」を公表している。

 

・「Ⅰ.日本基準1.開発中の会計基準(4)財務諸表を継続企業の前提に基づき作成することが適切であるかどうかの判断規準の作成」が削除されている。

 

 

「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の概要

以下の会計基準に関する主な内容、検討状況及び今後の計画がまとめられている。

 

I. 日本基準

1. 開発中の会計基準

  1. リースに関する会計基準

  2. 金融商品に関する会計基準

  3. 公正価値測定に関するガイダンス及び開示

  4. 取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行等をする場合における会計処理

 

2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)

  1. 税効果会計に関する指針

  2. 子会社株式及び関連会社株式の減損とのれんの減損の関係

  3. 金利指標改革に起因する会計上の問題

  4. 金融商品取引法上の「電子記録移転権利」又は資金決済法上の「暗号資産」に該当するICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い

  5. 連結納税制度の見直しへの対応

     

3. その他の日本基準の開発に関する事項(適用後レビュー)

開示に関する適用後レビューの実施

 

II. 修正国際基準

 

 

詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/project/plan.html)を参照いただきたい。

 

以上


 

【2020.05.11追補】金融庁:「新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」の公表

 金融庁は、ASBJが公表した議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症に関する開示の考え方」(2020年4月10日、2020年5月11日追補)を踏まえ、「新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」を公表した。概要は以下の通り。

1.はじめに
新型コロナウイルス感染症の広がりは、多くの上場企業等の経済活動に影響を与えており、こうした不確実な経営環境において、経営者の視点による充実した開示を行うことは、投資家の投資判断にとって重要と考えられる。また、このような開示は、投資家と企業との建設的な対話を通じた持続的な企業価値の維持・向上にも資するものと考えられる。さらに、世界的な広がりを見せている今般の感染症について、こうした観点から開示の充実が図られることは、我が国の資本市場の信頼性の向上にも資すると考えられる。

2.有価証券報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示
(1)財務情報における追加情報の開示
ASBJから議事概要として「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」が公表されている(2020年4月10日公表、5月11日追補)。
当該議事概要では、財務情報において、「どのような仮定を置いて会計上の見積りを行ったかについて、財務諸表の利用者が理解できるような情報を具体的に開示する必要があると考えられ、重要性がある場合は、追加情報としての開示が求められる」とされている。
また追補では、「当年度に会計上の見積りを行った結果、当年度の財務諸表の金額に対する影響の重要性が乏しい場合であっても、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある場合には、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する追加情報の開示を行うことが財務諸表の利用者に有用な情報を与えることになると思われ、開示を行うことが強く望まれる」とされている。
このように「会計上の見積り」の開示は、投資家が財務諸表を理解する上で有用な情報と考えられ、新型コロナウイルス感染症の影響のように不確実性が高い事象については、財務情報である追加情報において、会計上の見積りに用いた仮定をより具体的に開示することが強く期待される。

(2)非財務情報(記述情報)の開示
非財務情報(有価証券報告書における、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「事業等のリスク」、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」等)では、2020年3月期決算から適用される企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(以下、「改正内閣府令」という。2019年1月31日公布・施行)において、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、「当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響」などを開示することが求められている。ただし、この内容を財務情報である追加情報において開示した場合には、非財務情報の開示ではその旨を記載することによって省略することができるとされている。
また、「会計上の見積り」以外では、非財務情報において、今般の新型コロナウイルス感染症の影響について、「事業等のリスク」における感染症の影響や対応策、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」における業績や資金繰りへの影響分析、経営戦略を変更する場合にはその内容等の充実した開示を行うことが強く期待される。

(3)有価証券報告書レビューによる対応
非財務情報における改正内閣府令に関する開示内容については、2020年3月27日に公表している通り、有価証券報告書レビューの対象となっており、これには新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示も含まれるとされている。
また、ASBJの議事概要(追補を含む)の公表を踏まえ、財務情報における、新型コロナウイルス感染症の影響に係る仮定に関する追加情報の開示についても、上記の有価証券報告書レビューの対象に含めて審査することとされている。


詳細については金融庁のウェブページを参照いただきたい。
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20200521.html
 

以上

【2020.03.31】ASBJ:改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年3月31日に、改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等を公表した。

  ASBJは、2018 年3 月30 日に、我が国における収益認識に関する包括的な会計基準として、以下の企業会計基準及びその適用指針を公表した。

・企業会計基準第29 号

「収益認識に関する会計基準」(以下「2018 年会計基準」という。)

・企業会計基準適用指針第30 号

「収益認識に関する会計基準の適用指針」

2018年会計基準においては、注記について、2018 年会計基準を早期適用する場合の必要最低限の注記(企業の主要な事業における主な履行義務の内容及び企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点))のみ定め、2018 年会計基準が適用される時(2021 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首)までに、注記事項の定めを検討することとされていた。

また、収益認識の表示に関する次の事項についても同様に、2018 年会計基準が適用される時までに検討することとされていた。

(1) 収益の表示科目

(2) 収益と金融要素の影響(受取利息又は支払利息)の区分表示の要否

(3) 契約資産と債権の区分表示の要否

上記の経緯を踏まえ、ASBJにおいて審議が行われ、今般、2020年3月27日開催の第428回企業会計基準委員会において、以下の企業会計基準及びその適用指針(以下合わせて「本会計基準等」という。)の公表が承認されたことを受け、公表することとしたものとされている。

 •改正企業会計基準第29 号

「収益認識に関する会計基準」(以下「改正会計基準改正案」という。)

•改正企業会計基準適用指針第30 号

「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下「改正適用指針改正案」という。)

•改正企業会計基準第12 号)

「四半期財務諸表に関する会計基準」(以下「改正四半期会計基準」という。)

•改正企業会計基準適用指針第14 号)

「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」

•改正企業会計基準適用指針第19 号)

「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」

 

 

 

 

<本会計基準等の概要>

 

■表示

・(顧客との契約から生じる収益の区分表示又は注記及び表示科目(改正会計基準第78-2
項、第155項及び第156項並びに改正適用指針第104-2 項))

・(契約資産と顧客との契約から生じた債権及び契約負債の区分表示又は注記の要否(改正会計基準第79 項及び第159 項))

・(貸借対照表上の表示科目(改正会計基準第79 項及び改正適用指針第104-3 項))

・(顧客との契約に重要な金融要素が含まれる場合の取扱い(改正会計基準第78-3 項及び第157項))

・(顧客との契約から生じた債権又は契約資産について認識した減損損失の開示(改正会計基準第158 項))

 

 

■注記事項

●注記事項の開発にあたっての基本的な方針(改正会計基準第101-2 項から第101-6 項)

 

●重要な会計方針の注記(改正会計基準第80-2 項、第80-3 項及び第160項から第165項)

 

●収益認識に関する注記

・(開示目的(改正会計基準第80-4 項から第80-6項、第166 項から第168項及び第171 項))

・(収益認識に関する注記の記載方法等(改正会計基準第80-7 項から第80-9 項、第169項、第170項、第172項及び第173項))

・(収益の分解情報(改正会計基準第80-10 項、第80-11 項及び第174項から第178項並びに改正適用指針第106-3 項から第106-5 項、第190項及び第191項))

・(収益を理解するための基礎となる情報(改正会計基準第80-12 項から第80-19 項及

び第179項から第191項並びに改正適用指針第106-6 項及び第106-7 項))

・(当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報)

・(工事契約等から損失が見込まれる場合(改正適用指針第106-9 項及び106-10 項及び第193項))

・(連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表における注記(改正会計基準第80-25
項から第80-27項、第206項及び第207項))

 

■範囲及び会計処理

●適用範囲の見直しを行ったもの

・(暗号資産及び電子記録移転権利に関連する取引(改正会計基準第3 項(7)及び第108-2 項))

 

●会計処理の見直しを行ったもの

・(契約資産の性質(改正会計基準第77 項及び第150-3 項))

 

●用語の見直しを行ったもの

・(契約の識別(改正会計基準第21 項、第80-22 項(1)、第80-24 項(1)、第119 項、第119-2 項等))

・(契約の解約時の取扱い(改正適用指針第11 項及び第122-2 項))

 

■適用時期及び経過措置(改正会計基準第81 項から第89-4項及び第208 項から第216 項)

 

■設例及び開示例

・(追加した設例及び開示例(改正適用指針[設例27]及び[設例28]並びに[開示例1]から[開示例3]))

・(見直した設例(改正適用指針[設例12]及び[設例13]))

 

■四半期財務諸表における注記(改正四半期会計基準第19 項(7-2)、第25 項(5-3)及び第58-4 項から第58-9 項)

 

■その他

 

 

詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2020/2020-0331-01.html)を参照いただきたい。

 

以上

【2020.03.31】ASBJ:「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年3月31日に「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂を公表した。

ASBJは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下「日本基準」という。)及び修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)(以下「修正国際基準」という。)の開発を行っている。これらの会計基準の開発に関する予見可能性を高めるため、ASBJにおける検討状況及び今後の計画をまとめ、公表しており、3月31日付で改訂されたものである。

 前回公表(2020年2月26日)からの主な改訂点

・「I. 日本基準2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)(3)金利指標改革に起因する会計上の問題 」の(検討状況及び今後の計画)において、2020年5月頃に公開草案を公表することを目標としている旨が記載されている。

・「I. 日本基準2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)」の「(4)金融商品取引法上の「電子記録移転権利」又は資金決済法上の「暗号資産」に該当するICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い」(検討状況及び今後の計画)において、2020年5月又は6月に公開草案を公表することを目標としている旨が記載されている。

・「I. 日本基準2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)」の「(5)連結納税制度の見直しへの対応」の(検討状況及び今後の計画)において、実務対応報告第5

号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」及び実務対応報告第7 号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」の改廃を、2021
年3 月までに行うことを目標としている旨が記載されている。

 「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の概要

以下の会計基準に関する主な内容、検討状況及び今後の計画がまとめられている。

 I. 日本基準

1. 開発中の会計基準

(1)  リースに関する会計基準

(2)  金融商品に関する会計基準

(3)  公正価値測定に関するガイダンス及び開示

(4)  財務諸表を継続企業の前提に基づき作成することが適切であるかどうかの判断規準の作成

(5)  取締役等の報酬等として金銭の払込み等を要しないで株式の発行等をする場合における会計処理

 2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)

(1)  税効果会計に関する指針

(2)  子会社株式及び関連会社株式の減損とのれんの減損の関係

(3)  金利指標改革に起因する会計上の問題

(4)  金融商品取引法上の「電子記録移転権利」又は資金決済法上の「暗号資産」に該当するICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い

(5)  連結納税制度の見直しへの対応

3. その他の日本基準の開発に関する事項(適用後レビュー)

開示に関する適用後レビューの実施

II. 修正国際基準

  詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/project/plan.html)を参照いただきたい。

 

以上

【2020.03.31】ASBJ:実務対応報告第39号「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年3月31日に、実務対応報告第39号「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」を公表した。

 令和2年度税制改正において従来の連結納税制度が見直され、グループ通算制度に移行する税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号))(以下「改正法人税法」という。)が2020年3月27日に成立した。これにより、グループ通算制度の適用対象となる企業は、改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む。)において、グループ通算制度の適用を前提として繰延税金資産の回収可能性の判断を行う必要があるが、当該判断を行うことについて、実務上対応が困難であるとの意見が聞かれたことから、ASBJにおいて審議が行われ、今般、2020年3月27日開催の第428回企業会計基準委員会において、標記の「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」(以下「本実務対応報告」という。)の公表が承認されたことを受け、公表に至ったものである。

 

<本実務対応報告の概要>

■範囲(本実務対応報告第2項)

 本実務対応報告は、2020年3月27日に成立した改正法人税法の成立日の属する事業年度において連結納税制度を適用している企業及び改正法人税法の成立日より後に開始する事業年度から連結納税制度を適用する企業を対象とするとしている。

 ■改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む。)に係る税効果会計の適用に関する取扱い(本実務対応報告第3項)

 本実務対応報告は、改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む。)についてグループ通算制度の適用を前提とした税効果会計における繰延税金資産及び繰延税金負債の額については、実務対応報告第5号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」及び実務対応報告第7号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」に関する必要な改廃をASBJが行うまでの間は、グループ通算制度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目について、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」第44項の定めを適用せず、改正前の税法の規定に基づくことができるものとされている。

 ■適用時期(本実務対応報告第5項)

 本実務対応報告は、公表日以後適用するものとされている。

 ■その他

 詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/practical_solution/y2020/2020-0331-04.html)を参照いただきたい。

 以上

【2020.03.31】ASBJ:企業会計基準第31号「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年3月31日に、企業会計基準第31号「会計上の見積りの開示に関する会計基準」を公表した。

  2018 年11 月に開催された第397 回企業会計基準委員会において、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より、「見積りの不確実性の発生要因」に係る注記情報の充実について検討することが提言された。

この提言を受けて、ASBJにおいて、2018 年12 月より、「見積りの不確実性の発生要因」に係る注記情報の充実について審議が行われ、今般、2020年3月27日開催の第428回企業会計基準委員会において、表記の「会計上の見積りの開示に関する会計基準」(以下「本会計基準」という。)の公表が承認されたことを受け、公表することとしたものとされている。

<本会計基準の概要>

■開発にあたっての基本的な方針(本会計基準第14 項)

ASBJでは、本会計基準の開発にあたっての基本的な方針として、原則(開示目的)を示したうえで、具体的な開示内容は開示目的に照らして判断することとしたとされている。また、本会計基準の開発にあたっては、IAS 第1 号第125 項の定めを参考とすることとしたとされている。

なお、検討の過程では、IAS 第1 号第125 項は「見積りの不確実性の発生要因」の表題のもとに定めが記述されているものの、注記が要求されている項目は会計上の見積りの対象となる資産及び負債に焦点を当てていると分析された。このため、本会計基準の開発にあたっても、IAS 第1 号第125 項と同様の内容の開示を求めたうえで、内容をより適切に表す会計基準の名称として「会計上の見積りの開示に関する会計基準」を用いることとしたとされている。

■会計上の見積りの開示目的(本会計基準第4 項及び第15 項から第17 項)

本会計基準は、当年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目における会計上の見積りの内容について、財務諸表利用者の理解に資する情報を開示することを開示目的としている。

 ■開示する項目の識別(本会計基準第5 項及び第21 項から第23 項)

本会計基準は、会計上の見積りの開示を行うにあたり、当年度の財務諸表に計上した

額が会計上の見積りによるもののうち、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスク

がある項目を識別するとしている。

 ■注記事項(本会計基準第6 項から第8 項及び第26 項から第31 項)

●会計上の見積りの開示の対象とした項目名の注記

本会計基準は、開示する項目として識別した項目について、本会計基準に基づいて識別した会計上の見積りの内容を表す項目名を注記するとしている。当該注記は独立の注記とし、識別した項目が複数ある場合には、それらの項目名は単一の注記として記載することを求めることとしている。

●項目名に加えて注記する事項

本会計基準は、開示目的に基づき識別した項目のそれぞれについて、会計上の見積りの内容を表す項目名とともに次の事項を注記することとしている。

(1) 当年度の財務諸表に計上した金額

(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情

 

(1)  
及び(2)の事項の具体的な内容や記載方法(定量的情報若しくは定性的情報、又はこれらの組み合わせ)については、開示目的に照らして判断することとしている。

 

●財務諸表利用者の理解に資するその他の情報

 本会計基準は、会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報としては、例えば次のようなものがあるとしている。なお、これらは例示であり、注記する事項は開示目的に照らして判断するとしている。

(1) 当年度の財務諸表に計上した金額の算出方法

(2) 当年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定

(3) 翌年度の財務諸表に与える影響

 

■個別財務諸表における取扱い(本会計基準第9 項並びに第32 項及び第33 項)

本会計基準は、連結財務諸表を作成している場合に、個別財務諸表において本会計基準に基づく開示を行うときは、本会計基準第7 項(2)の注記事項(会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報)について連結財務諸表における記載を参照することができるとしている。

 ■適用時期及び経過措置(本会計基準第10 項及び第11 項並びに第34 項)

本会計基準では、適用時期等について、次のように取り扱うこととされている。

 (1) 2021 年3 月31 日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務

諸表及び個別財務諸表から適用する。ただし、公表日以後終了する連結会計年度及び事業年度における年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から本会計基準を適用することができる。

(2) 本会計基準の適用初年度において、本会計基準の適用は表示方法の変更として取り扱う。ただし、改正企業会計基準第24 号第14 項の定めにかかわらず、本会計基準に定める注記事項について、適用初年度の連結財務諸表及び個別財務諸表に併せて表示される前連結会計年度における連結財務諸表に関する注記及び前事業年度における個別財務諸表に関する注記(比較情報)に記載しないことができる。

 ■その他

  詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2020/2020-0331-02.html)を参照いただきたい。

 

以上

【2020.03.31】ASBJ:改正企業会計基準第24号の改正案)「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年3月31日に、改正企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を公表した。

 

 2018 年11 月に開催された第397 回企業会計基準委員会において、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より、「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続」に係る注記情報の充実について検討することが提言された。

この提言を受けて、ASBJにおいて、2018 年12 月より、「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続」に係る注記情報の充実について審議が行われ、今般、2020年3月27日開催の第428回企業会計基準委員会において、表記の「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「本会計基準」という。)の公表が承認されたことを受け、公表することとしたものとされている。

 

 

<本会計基準の概要>

 

■本会計基準の公表の経緯(本会計基準第28-2 項)

2018 年11 月に開催された第397 回企業会計基準委員会において、公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続に係る注記情報の充実について検討することが提言された。この提言を受けて、ASBJでは、2018 年12 月より審議を開始し、その結果を会計基準として公表することとしたとされている。

 

■開示目的(本会計基準第4-2 項、第44-2 項及び第44-3 項)

本会計基準では、重要な会計方針に関する注記の開示目的は、財務諸表を作成するための基礎となる事項を財務諸表利用者が理解するために、採用した会計処理の原則及び手続の概要を示すことにあり、これは、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合も同じであるとされている。

 

■関連する会計基準等の定めが明らかでない場合(本会計基準第44-4 項及び第44-5 項)

「関連する会計基準等の定めが明らかでない場合」とは、特定の会計事象等に対して適

用し得る具体的な会計基準等の定めが存在しない場合をいう(本会計基準第4-3 項)。そ

のため、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び

手続には、例えば、関連する会計基準等が存在しない新たな取引や経済事象が出現した場合に適用する会計処理の原則及び手続で重要性があるものが該当すると考えられる。なお、対象とする会計事象等自体に関して適用される会計基準等については明らかではないものの、参考となる既存の会計基準等がある場合に当該既存の会計基準等が定める会計処理の原則及び手続を採用したときも、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続に含まれるとされている。

また、会計基準等には、一般に公正妥当と認められる会計処理の原則及び手続を明文化

して定めたもの(法令等)も含まれる。そのため、関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続には、業界の実務慣行とされている会計処理の原則及び手続のみが存在する場合で当該会計処理の原則及び手続に重要性があるときも該当すると考えられ、これには企業が所属する業界団体が当該団体に所属する各企業に対して通知する会計処理の原則及び手続が含まれるとされている。

 

■重要な会計方針に関する注記(本会計基準第4-4 項から第4-6 項)

本会計基準では、重要な会計方針に関する注記について、企業会計原則注解(注1-2)の定めを引き継ぎ、次のように取り扱うとされている。

(1) 財務諸表には、重要な会計方針について、採用した会計処理の原則及び手続の概要を注記する。

(2)会計方針の例としては、次のようなものがある。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。

① 有価証券の評価基準及び評価方法

② 棚卸資産の評価基準及び評価方法

③ 固定資産の減価償却の方法

④ 繰延資産の処理方法

⑤ 外貨建資産及び負債の本邦通貨への換算基準

⑥ 引当金の計上基準

⑦ 収益及び費用の計上基準

(3)会計基準等の定めが明らかであり、当該会計基準等において代替的な会計処理の原則及び手続が認められていない場合には、当該会計方針の注記を省略することができる。

 

■未適用の会計基準等に関する注記(本会計基準第22-2 項及び第28-3 項)

本会計基準では、未適用の会計基準等に関する注記に関する定めの記載箇所を変更した。未適用の会計基準等に関する注記に関する定めは、これまで会計方針の変更の取扱いの一部として定められていたため、専ら表示及び注記事項を定めた会計基準等に対しては適用されないと解されていた。しかし、この定めを独立した項目に移動することで、未適用の会計基準等に関する注記に関する定めは、既に公表されているものの、未だ適用されていない新しい会計基準等全般に適用されることを明確化することを意図しているとされている。

なお、この移動に伴い、専ら表示及び注記事項を定めた会計基準等に関して未適用の会計

基準等に関する注記を行う場合の取扱いを明確化した。

 

■適用時期及び経過措置(本会計基準第25-2 項及び第25-3 項)

本公開草案では、適用時期等について、次のように取り扱うこととされている。

(1) 本会計基準は、2021 年3 月31 日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用する。ただし、公表日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用することができる。

(2) 本会計基準では、本会計基準を適用したことにより新たに注記する会計方針は、表

示方法の変更には該当しないものの、本会計基準を新たに適用したことにより、関連

する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続を新たに開示するときには、追加情報としてその旨を注記する。

 

■その他

 

 

詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2020/2020-0331-03.html)を参照いただきたい。

 

以上

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