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ASBJ:実務対応報告公開草案第67号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」等の公表

月刊誌『会計情報』2024年1月号

『会計情報』編集部

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2023年11月17日に、実務対応報告公開草案第67号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」等を公表した。

2021年10月に経済協力開発機構(OECD)/主要20か国・地域(G20)の「BEPS包摂的枠組み(Inclusive Framework on Base Erosion and Profit Shifting)」において、当該枠組みの各参加国によりグローバル・ミニマム課税について合意が行われた。これを受けて、我が国においても国際的に合意されたグローバル・ミニマム課税のルールのうち所得合算ルール(IIR)に係る取扱いが2023年3月28日に成立した「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号)において定められ、2024年4月1日以後開始する対象会計年度から適用することとされている。これは、一定の要件を満たす多国籍企業グループ等の国別の利益に対して最低15%の法人税を負担させることを目的とし、当該課税の源泉となる純所得(利益)が生じる企業と納税義務が生じる企業が相違する新たな税制とされている。当該税制について、現行の会計基準等では、当該税制に係る法人税等(当期税金)及び当該法人税等に関する税効果会計をどのように取り扱うかが明らかでないとの意見が聞かれたことから、ASBJでは2023年1月より審議を開始し、税効果会計の取扱いについては、2023年3月に実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い」において当面の取扱いを公表している。その後、ASBJでは、グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等(当期税金)及び同制度適用後の税効果会計の取扱いについて、検討が行われた。

2023年11月14日開催の第514回企業会計基準委員会において、グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等(当期税金)に関する標記の「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」(以下「本公開草案」という。)の公表が承認され、2023年11月17日に公表されている。

また、実務対応報告第X号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」を適用する場合に実務に資するための情報を提供することを目的として、補足文書「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等に関する適用初年度の見積りについて」(以下「補足文書」という。)を公表することを予定している。

本公開草案及び補足文書のコメント募集期間は、2024年1月9日(火)までとされている。

詳細については、ASBJのウェブページ(実務対応報告公開草案第67号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」の公表|企業会計基準委員会:財務会計基準機構 (asb.or.jp))を参照いただきたい。

以上

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