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出版物
新「レピュテーショナル・リスク」管理論
SNS時代の情報の加速化・拡散にどう対応するか
デロイト トーマツ グループの書籍
「レピュテーショナル・リスク管理」は、古くて新しいリスクです。言わば、情報テクノロジーの発達に応じてリスクの「質」が時代とともに変化し続けるものともいえ、今般注目を集めています。
関心が高まるきっかけとなったのは、SNS(Social Networking Service)での噂話の広がりで短期に破綻に至ったある事例です。ネットが媒体となり、情報の拡散が急速に、かつ、無方向に拡大し、これがマーケットに実際に影響しました。このスピードの速さと噂が噂を呼ぶSNSの連鎖的な機能は注目すべきで、どの金融機関にも起こりうる可能性があります。
これがレピュテーショナル・リスクの新たな側面です。情報社会や金融テクノロジーの進展、情報ネットワークの拡大と情報速度の加速化、匿名による情報拡散に加えて、世界的な過剰流動性がゆえのスケープゴート探しなども影響し、レピュテーショナル・リスクが具体的な財務インパクトとして顕在化するリスクが着実に高まってきています。特に、金融機関は、保有する資産のうち短期の流動性に対応できる資産が少ないため、従前から取り付け騒ぎ等で資金繰り破綻するリスクがあったように、こうした噂話等による突然の信用不安に弱い側面がありました。それが最近のテクノロジーの進化で情報伝達の速度も範囲も広がり、一層の留意が必要となってきています。
そこで、レピュテーショナル・リスク管理の高度化の一助になるものとして、金融機関の営業担当・マーケットフロント関係者、リスク管理関係者、経営層等実務者に参考になるように、本書を出版することとました。さらに本書では、リスク管理面のみに焦点を当てるのではなく、レピュテーションのポジティブな側面(ブランドイメージ等)にも焦点を当てて、ブランド戦略などにも広げ、ブランドと企業価値の向上というテーマにも取り組むこととしました。その意味で、IRや広報、マーケティング部署にも参考になれば幸甚です。
目次
第1章 レピュテーショナル・リスクが注目を集めている背景
第2章 レピュテーショナル・リスク管理の新たな管理枠組み
第3章 予兆管理・管理手法
第4章 モニタリング・エスカレーション
第5章 アペタイトへの反映
第6章 進化、拡大するレピュテーショナル・リスク
第7章 ケーススタディ
第8章 レピュテーションとブランドの価値及び企業価値経営における実践実務
書名 | 新「レピュテーショナル・リスク」管理論 ―SNS時代の情報の加速化・拡散にどう対応するか |
出版 | 株式会社 中央経済社ホールディングス |
著者 | 有限責任監査法人トーマツ 執筆者代表 森 滋彦 |
価格 | 2,860円(税込) |
刊行 | 2023年8月 |
ISBN | 978-4-502-47071-4 |