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グリーンスチール最前線~欧州の現在地と“ネットゼロ”を左右する5つの論点~

グリーンスチールの最新事例とネットゼロ実現への課題

グリーンスチールの最新事例を紹介しつつ、鉄鋼業界の企業に求められる対応や、今後の課題について論じます。

鉄鋼・非鉄金属業界向け Newsletter「Next Stage」Vol.28

グリーンスチール最前線~欧州の現在地と“ネットゼロ”を左右する5つの論点~

2021年は、様々な産業界の中でも最も炭素集約的とされる鉄鋼業界においても、ついに“グリーンスチール”と呼ばれる、製造過程でのCO2排出量が“ネットゼロ”とされる製品が現実のものとなり、脱炭素化の流れがより強く感じられる年となりました。このようにネットゼロに向けた取り組みが欧州で進む一方、何をもって“ネットゼロ”とするか、その前提については、未確定な部分も存在します。

本稿では欧州におけるグリーンスチールの最前線を振り返ったのちに、ネットゼロに取り組むうえでの前提を左右する現状の論点を論じます。


(プロセスユニット ニュースレター「Next Stage」vol.28 2022年4月発行)

【目次】

  1. グリーンスチール元年の2021年
    2021年、様々な産業界の中でも最も炭素集約的とされる鉄鋼業界においても、ついにグリーンスチールと呼ばれる、製造過程でのCO2排出量が実質ゼロとされる製品が出現した。本稿は欧州におけるグリーンスチールの最前線を振り返ったのちに、ネットゼロに取り組むうえでの前提を左右する現状の論点を論じる。
  2. グリーンにひた走る欧州
    欧州では日本と比較し高い再生可能エネルギー比率を活かして競争優位を実現するためのルール作りを進めている。民間企業ではグリーンスチール達成に向けた長期ロードマップの検討や、鉄鋼メーカーでもグリーンスチールの実現に向けた設備投資を進めるなど、産業界もそれに呼応している。政策・民間の両面から欧州の最新動向を見ていく。
  3. 自動車業界の対応~グリーンに金を払う需要家~
    代表的な鉄鋼製品の需要者である自動車業界では、グリーンスチールを開発する鉄鋼メーカーへの投資や、グリーンスチールの調達方針・共同開発等を発表している。自動車業界の詳しい動向を事例を元に見ていく。
  4. 定まらないネットゼロの前提
    そもそもCO2排出量をどのように把握し、その削減に資する取組が何であるかについては、条件が定まっていない部分も多い。ここでは、今後のネットゼロに向けた取組の優先順位付け、投資判断を行ううえで注視すべきネットゼロの前提に関する論点を考察する。
  5. 求められる冷静な対応
    ネットゼロという荒波は急速にビジネス環境に大きな変化をもたらしているが、その前提を見誤ることは、過剰投資や手戻りを発生させる。これからの企業に求められる対応に触れる。

 

※同業企業・学生の方のお申込みはご遠慮いただいております

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