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脱炭素化に向けた2030年までの課題 ―“エネルギーの未来”への道筋―
4つのセクターからみる脱炭素化に向けた現状と今後の予測
資源/エネルギー業界向けNewsletter「Quest」Vol.3
脱炭素化に向けた2030年までの課題 ―“エネルギーの未来”への道筋―
世界のエネルギーミックスは、化石燃料から再生可能エネルギーへと変化してきており、官民双方による脱炭素化に向けた取り組みが進められています。
このエネルギー転換や「グリーン・ディール」の勢いが増すにつれて、新しいエコシステムが形成され、様々な新技術が出現しています。
エネルギー・資源業界の多くのプレイヤーの中には、2050年までにカーボンニュートラル化することを公言している企業も存在しています。
本レポートでは、化学、石油・ガス、鉱業・金属、電力・都市ガス、再生可能エネルギーなど、資源・エネルギー、素材業界の企業が、今後10年間で脱炭素化を加速し、2030年までに意味のある中間目標を達成する方法を探ります。
尚、本レポートはDeloitte Development LLCが発行した以下の和訳です。
「The 2030 Decarbonization Challenge -The Path to the Future of Energy-」
原著は下記リンクよりご確認いただけます。
【目次】
1.はじめに
昨今の世界的な潮流により、官民双方による脱炭素化に向けた取り組みが進められています。エネルギー転換や「グリーン・ディール」が勢いを増すにつれて、新しいエコシステムが形成され、さまざまな新技術が出現しています。それと同時に、電化、再生可能エネルギーの広範な利用、エネルギー効率改善といった、これまでにも追求されてきた脱炭素化への移行ステップを実行に移していくためには、数多くの課題が存在しています。本報告書では、化学、石油・ガス、鉱業・金属、電力・都市ガス、再生可能エネルギーなど、資源・エネルギー業界の企業が、今後10年間で脱炭素化を加速し、2030年までに意味のある中間目標を達成する方法を探ります。
2.まえがき
業界横断的に見てみると、脱炭素化を促進する主要なドライバー(促進因子)には、以下の4種類があります。
「 顧客、従業員、コミュニティの要望」「金融機関・投資家の圧力」「 政策・政府の目標」「 技術・運用コストの削減(より効率的なフロンティア)」
はじめに各ドライバーを詳細に検討こうしたエネルギー転換は長期的なトレンドであることを見ていきます。
以降のセクションでは、企業が「エネルギーの未来」への道筋を歩むのをサポートするために、4つの資源・エネルギーセクター(化学、石油・ガス、鉱業・金属、電力・都市ガス・再生可能エネルギー)における脱炭素化の現状を検証していきます。
3.化学
化学産業において、炭化水素の排出量は削減困難と分類されることが多いが、化学物質の生産段階における脱炭素化の進歩が、世界的に大きな影響を及ぼす可能性があります。このセクターにおける脱炭素の鍵を考察します。
4.石油・ガス
投資家圧力の特に強い石油・ガス企業が炭素排出量削減に取り組むにあたり、ビジネスモデルを変革するための2つの主要な手段を考察します。
5.電力・都市ガス、再生可能エネルギー
電力・都市ガス(ユーティリティ)セクターの脱炭素化はこれまで前例がありませんが、バリューチェーンの3つの主要なセグメントから実用的な考察を試みます。
6.鉱業・金属
鉱業セクターにおける脱炭素化は、主に電化と再生可能エネルギーに依存しています。他セクターと比較しつつ、カーボンフリーへの道のりを考察します。
7.業界横断的なソリューション
気候関連のリスクと機会が事業に及ぼす財務的影響を理解することは、様々なセクターの企業にとって不可欠です。やがて、「エネルギーの未来」への道筋における移行リスクと物理的リスクを開示するだけでなく、それに対応するために、企業はさらにモニタリングされるようになるでしょう。本稿では移行リスクと物理的リスクに触れながら、業界横断的なソリューションについて論じています。
8.結論
新たな循環型経済の構築に向けての結論を述べます。
(プロセスユニットニュースレター「Quest」Vol.3 2021年1月発行)