サービス
提案型営業への変革支援サービス
自社仕様への誘導を支援するコンフィグレータを活用
顧客の要望通りに作る「御用聞き営業」から、顧客の課題を一緒に解決する過程で自社でコントロールしやすい仕様に誘導する「提案型営業」へのスタイル変革を支援します
多様化する顧客ニーズに素早く正確に対応
IOTやビッグデータの活用、製品技術成熟に伴いより精緻できめ細やかな仕様の製品を提供することが求められています。一方で次のような課題を抱えているケースが増えています。
- 営業だけでは見積もりができない。同じ要求仕様でも営業によって見積もり結果が変わる
- 役割や部署として営業技術を発足させたが、技術進化に伴い陳腐化
- 製品提供までに許容されるリードタイムはどんどん短くなる
- 価格競争力を維持するためのコストダウン要求はどんどん厳しくなる
- 業務従事者のスキルに依存した設計、生産
- 働き方改革、労働人口減でベテランによる救済も限界
- 仕様決定、伝達をされてから出荷までのリードタイムが短く品質、コストが悪化
こういった課題解決にコンフィグレーションを活用した提案型営業が有効です。
コンフィグレータとは
コンフィグレータは、入力されたインプット情報(例えば受注仕様)を事前に準備された一定のルールを使ってアウトプット情報(例えば製品仕様)に変換するツールです。グローバルで年間1200億円程度の市場規模ですが、急速に拡大しており、B2B企業に欠かせないツールになりつつあります。
これまではマトリクスで管理された簡単な組み合わせ制御や仕様値をすべて入力した後でチェックができるものが主流でしたが、現在では仕様の連携や排他制御を柔軟に行えるツールが増えています。条件を満たす最適な組み合わせを探索するアルゴリズムで早く正確な製品仕様を選び出せるソフトも登場しています。
Deloitteでは日本国内でのコンフィグレータ導入経験のある構造計画研究所様と共同でコンフィグレータツールの導入を支援しています。
自社仕様に誘導する提案型営業
コンフィグレータは仕様選択、見積もり算出において実にパワフルなツールです。しかし、ツールだけではなく自社のに有利な仕様に誘導できる「提案型営業」の実現が欠かせません。
顧客に「何が欲しいですか?」と尋ねるのではなく、「御社の課題を弊社のこういう製品を使ってこのように解決できます」と先回りして困りごとを解決する提案をしていくのが、提案型営業です。コンフィグレータを活用すれば、誰でも、早く、正確に、複数の製品仕様案を提案することができます。自社の提案をベースに打ち合わせが進めば、自社仕様への誘導、受注後の要求変更の防止が期待できます。
成功につながる4つのポイント
Deloitteではコンフィグレーションを活用した提案型営業の実現には次の4つの要素が必要と考えています。
- 営業戦略、製品戦略、開発計画の連動
- 営業組織の意識改革、評価見直し
- 勝ち方を関係者で合意、共有したモジュラーデザイン
- 提案する製品の検討、早期見積もり、手配のできるコンフィグレータ導入
1. 営業戦略、製品戦略、開発計画の連動
売りたいもの、地域、作りたい製品、開発したい技術にズレがあっては、いくら準備をしても全く当てはまらず受注につながらない、受注できたものは技術的なチャレンジに富み、品質が安定しないといった事態を引き起こします。
そもそもどこでどれだけ売り上げたいのか?それにはどんな製品、技術がいるのか?が連動していることが重要です。
2. 営業組織の意識改革、評価見直し
多くの営業組織は「売上」が評価指標になっており、営業戦略にそった製品受注をすることで評価が高くなるわけではありません。結果的に、「とにかく売上をあげたい」、「提案するよりも顧客の御用聞きの方が案件獲得できる」、「利益を圧迫したとしても売上」といった状況が頻発するのも無理からぬことです。
自社に有利な(=実績がありQCD全てにメリットがある)製品を売り、利益を確保できる営業が評価される仕組みが必要です。
3. 勝ち方を関係者で合意、共有したモジュラーデザイン
売りたい市場で売りたい製品はどういう差別化要素で競合に勝つのか?その勝ち方を活かせる設計になっているか?が連動されていなければ営業に自社に有利な製品を売り込んでもらうことは困難です。勝ち方に繋がるキー仕様が不可欠です。
例えばリードタイムが支配的な競争要因であれば、共通部品率をあげて部品在庫を持てます。スペック違いでも組み立て手順、設備は同じなどの要素を具備する設計が必要です。また、技術革新が盛んな製品であれば、技術革新の起きるモジュールと起きないモジュールを切り分け、I/Fとプラットフォームを定義し、数世代先まで見越した設計が必要です。
真のモジュラーデザインを実現するには各ドメインでどうやって勝つのか?営業だけでなく設計、生産技術、購買、製造といったサプライチェーンにかかわる部署の英知を集めることが肝要です。
4. 提案する製品の検討、早期見積もり、手配のできるコンフィグレータ導入
1から3までに検討した内容を提案、見積もり、手配といった実際の業務シーンで、人の経験に依存せず具現化する手助けをコンフィグレータは実施します。とにかく仕様を入れる量が膨大、仕様×部品のマトリクスが大きくなりすぎてメンテナンスできなくなった。これらの課題は1~3に加えて製品仕様決定ロジックをコンフィグレータに持たせることで、解決できます。
Deloitteが考える仕様誘導型営業成功のポイントと支援例