お知らせ

デロイト トーマツのプロフェッショナルも参画する東京大学未来ビジョン研究センター AI監査研究会よりAIガバナンスに資するAI監査の実践に向けた提言を公表

AIサービス・システム監査の制度設計の整備、人材育成、アップデートを提言

東京大学未来ビジョン研究センター技術ガバナンス研究ユニット AI監査研究会にデロイト トーマツ グループのプロフェッショナルが参画しています。この度、人工知能(AI)を用いたAIサービスやシステムを対象とした監査に関する論点を整理して、AIガバナンスに資するAIサービス・システムの監査を目指すための提言を公表しました。

提言の具体的な内容は、東京大学未来ビジョン研究センターのウェブサイトをご覧ください。
AI ガバナンスに資するAI 監査の実践に向けて | 東京大学未来ビジョン研究センター (u-tokyo.ac.jp)
 

AIサービスおよびAIシステムをどのように監査していくかは、現在世界的な関心事となっています。AIを対象とした監査は深層学習をはじめとするいわゆる「ブラックボックス」化してしまうシステムやサービスに対するもので、その対象範囲や手法、タイミングなどの監査実施に関することや、内部監査と外部監査の役割、監査品質の確保、監査人の能力、さらに、安全性・公平性等の AIサービスの信頼性を確保する上での確認点といったことなど、様々な観点があります。立場や前提の違いによって想定する内容が異なる可能性があり、議論のすれ違いが発生しやすいことに課題があります。そこで、AI監査に関する論点を整理し、関係者間で今後のAI監査に関する議論を推進、発展させる共通の土台を構築するために、この度提言を公表しました。

提言の公表にあたり、AIサービス・システム監査を議論する上で想定される(1)監査の必要性、(2)立証命題、(3)監査対象、(4)実施タイミング、(5)実施者要件、(6)監査関係者と関係組織の6つの論点を取り上げ、それぞれについて概観を整理しました。また、何故AIサービス・システム監査の実施が困難であるのかについて技術的、制度的、社会的等の様々な観点から検討を行いました。これらの監査上の論点、監査を困難とする要因について、具体的なイメージが持てるように、採用AIの事例を想定した検討も併せて実施しています。

以上をふまえ、AIサービス・システム監査を今後適切に進めて行くために以下の3点を提言します。

  • AIサービス・システム監査の制度設計の整備
    AIサービス・システム監査のニーズに応えられる制度が整備されていない状況です。国際社会でも必要性が高まっており、日本においても議論の活性化が必要です。
  • AIサービス・システム監査に関する人材の育成
    AIサービス・システム監査の実施には幅広いスキルや経験による多様な専門性が求められます。ニーズに応えられる監査人の育成や、新たな資格要件制度の要否についても検討が必要です。
  • 技術や利用の進展に伴うAIサービス・システム監査のアップデート
    AIに関連する技術研究は盛んであり、日々新たなサービスやシステムが誕生しています。AIサービス・システム監査の制度や基準、手法についても合わせてアップデートが必要です。
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