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内部監査業務を標準化することで内部監査の品質と効率を向上させる

~内部監査の品質評価で抽出される一般課題と対応例(4)~

内部監査業務の標準化が十分でない場合、監査品質や監査業務の効率性を損なうリスクがあります。「手引きとなるような方針や手続」を策定し、教育研修や品質レビューと組み合わせて標準化を進めることが必要です。さらに、内部監査に対する期待や内部監査のミッション・位置づけを考慮した「あるべき姿」に合った標準化を進めることが重要となります。

内部監査の品質評価の結果、内部監査業務の標準化に関する課題が共通して認識されます

内部監査の品質評価では様々な課題が抽出されますが、多くの内部監査部門に共通している課題のひとつとして内部監査業務の標準化があります。

内部監査は監査計画(年度・個別)策定→事前準備→往査(調書作成)→報告(報告書作成)→フォローアップというステップで進められるのが一般的です。

品質評価で監査関連書類等をレビューすると、監査チーム(あるいは担当者)ごとに監査の手続き(視点・深度)、監査調書や報告書の様式や書き方が異なるなど、監査品質に係る課題がよく見られます。また、監査チーム(あるいは担当者)ごとに事前準備に要する時間、監査調書や報告書作成に要する時間が大きく異なるという監査業務の効率に係る課題も見られます。

監査品質に係る課題は、監査指摘事項や監査結果に影響することもあります。監査チームや監査担当者によって監査結果が異なるということは、監査結果の利用者に誤った情報を伝えたり、監査結果の信頼性を損なったりすることにもなりかねません。

また、監査業務の効率に係る課題は、無用な試行錯誤や新たに監査部門に配属された新人のキャッチアップに時間を要し、付加価値の高い業務に時間を掛けることができないという結果をもたらします。

 

IIA国際基準では、内部監査の手引きとなる方針や手続の策定が求められています

内部監査のグローバルスタンダードである『内部監査の専門職的実施の国際基準(IIA国際基準)』によれば、以下のような規定があります。

”内部監査部門長は、内部監査部門の手引きとなるような方針と手続を策定しなければならない。(2040)”

複数人で実施する内部監査において一定の品質を保持しながら効率的に業務を実施するためには、「手引きとなるような方針や手続」を策定することが有効です。平均的な内部監査人であれば標準的な監査日数で同じ監査結果となるような「方針や手続」を策定することが求められます。

グループ・グローバル内部監査体制を構築して一定品質の監査を目指す場合には、グループ・グローバルに所属する内部監査人全員にとって手引きとなる方針と手続を策定することになります。

 

標準化を進めるためには手引きの策定だけでなく、教育研修と品質レビューが不可欠です

標準化を進めるために策定すべき手引きとしては内部監査のミッション、内部監査基本規程、内部監査実施準則、内部監査マニュアル、標準監査手続き、監査関連書類様式(個別監査計画書・監査調書・監査報告書など)などが含まれます。

作成すべき手引きの例

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このうち、標準化を進めるうえで特に重要なものは内部監査マニュアル、標準監査手続き、監査関連書類様式です。

内部監査マニュアルは、内部監査人が内部監査を進めるうえで必要な情報のすべてがわかりやすく記載されていることが望ましいとされています。

標準監査手続きは内部監査人が実施する監査手続きを定めたもので、監査の視点だけでなく母集団、サンプル数、監査手法等が具体的に記載され、内部監査人が解釈に迷わないような記述が望ましいとされています。また、監査関連書類様式は当該書類に記載すべき項目が網羅され、記載内容のばらつきが少なくなるような様式が望ましいとされています。

これらの手引きは標準化を進めるうえで重要ですが、手引きを策定すれば十分というわけではありません。手引きが浸透し、正しく利用されるためには教育研修と品質レビューなどの仕組みもあわせて採用する必要があります。

監査管理ツールを導入して監査手順や監査手続き、監査関連書類様式を固定してしまうことで強制的に標準化するケースもあります。

 

トーマツは内部監査の標準化を含めた高度化を支援します

内部監査に対する期待や、内部監査のミッション・位置づけは企業ごとに異なるので、企業の実態に合わせて内部監査のあるべき姿も変わってきます。

手引きを策定して標準化を進めても、それが企業の実態に即していないと、期待に応え、付加価値の高い内部監査とは言えません。

トーマツでは品質評価やドキュメントレビュー、ステークホルダーインタビューなどを通して現状と期待のギャップを特定し、企業の実態に合った内部監査標準化・高度化を支援します。

トーマツはこれまで国内外の内部監査標準化・高度化支援を数多く提供しており、それらを集約したベストプラクティスに関する知見を有しています。

内部監査の標準化・高度化でお悩みの場合には、トーマツの内部監査プロフェッショナルにご相談ください。

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