調査レポート

サードパーティーリスクマネジメントに関するサーベイ結果2020

デロイトが世界で実施している委託先や仕入先等のサードパーティーを含む統合リスクマネジメント(Extended Enterprise Risk Management, EERM)の調査は2020年で5回目を数えました。本調査(2019年11月~2020年1月)の終了後、COVID-19のパンデミックが、世界的および業界横断的に組織に影響を及ぼし、リスクの状況は大きく変化しました。このような変化を踏まえ、本レポートでは、主に顧客との対話やエンゲージメントに基づき、変化しつつある状況を反映しています。

調査概要

この5年間で参加者が大きく伸び、今回の調査には過去最多の1,145人、20カ国の回答者の方々にご協力いただきました。この5年間で、デロイトの顧客はEERM*プログラムをより重視するようになっており、過去の調査に反映された懸念に対処するための措置を講じていることが見て取れます。

本レポートにおける調査結果は、2019年11月から2020年1月の間に参加者から集めた回答を反映しています。本調査の終了後、COVID-19のパンデミックが、世界的および業界横断的に組織に影響を及ぼし、リスクの状況は大きく変化しました。このような変化を踏まえ、本レポートに記載されているデロイトの見解(COVID-19コメンタリーを含みます)には、主に顧客との対話やエンゲージメントに基づき変化しつつある状況を反映しました。

*EERM(Extended Enterprise Risk Management)は、「委託先等を含む拡張された企業リスクマネジメント」を意味しています。

参考: 外部委託先とのビジネスにおける重要リスクとリスクマネジメント

 

調査結果レポートイメージ

サードパーティーリスクマネジメントに関するサーベイ結果2020

  

2020年 重点テーマ

1. 失敗のコスト

サードパーティーや下請企業の失敗による財務上の影響は過去5年間で少なくとも倍増していると、半数近くの回答者が回答しています。5人に1人は、財務的な影響が10倍になったと回答しています。

2. 責任とコストのバランス

責任ある事業体でありたいという願望は、EERMへの投資のトップ・ドライバーの1つとなりました。しかし、コスト圧力のため、多くの組織では、責任あるビジネスに関するイニシアティブを全サードパーティーとの関係に組み込むための十分な予算が確保されていません。

3. 規制活動の増加

規制活動が増加することで、機動的な組織はEERMの更なる成熟化に向けて前進します。変化していく期待に歩調を合わせることのできない組織は、成熟に向けた行程において他社に遅れをとることとなります。

4. 変革へのビジョン

組織は、今後2、3年のEERM変革の長期ビジョンを策定しつつあります。これは、サードパーティーの断片的な管理ではなく、包括的な管理を伴うものであり、先端テクノロジーを利用して集中化された情報を蓄積する「信頼できる単一の情報源」によって可能となります。

5. 外部援助の活用

EERMプログラムを改善し、補完するために外部支援を利用する組織が増えています。これには、リスクインテリジェンス、ユーティリティモデル、マネージドサービスによる支援が含まれます。

6. フォーカスの拡大

経営幹部は、サードパーティーに関するリスクにとどまらず、サードパーティーをより幅広い視野で管理することにまで焦点を広げています。これにより、長期的には相乗効果が期待できますが、移行期には調整上の課題が生じます。

調査レポート(日本語版)について

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サードパーティーリスクマネジメントに関するサーベイ結果2020(pdf, 7.9MB)

過去の調査レポートについて

多くの企業にとって、サードパーティーのエコシステム、すなわち「委託先等を含む企業群(拡大企業)の確立」は、事業価値と戦略的利益をもたらす重要な取り組みです。しかし、サードパーティーへの依存度が継続的に上昇するとそれに付随するリスクも同様に上昇し、風評被害や規制措置を招く可能性があります。

デロイトのメンバーファームは、クライアントとのチームワークを数多く経験し、あらゆる形態のサードパーティーリスクを効率的に特定、管理するガバナンス体制を構築してきました。この過程においては、事業価値の創出および契約上の義務の履行に必要なプロセス上のソリューションと技術的なソリューションが検討されています。

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