ナレッジ

社会のEntrepreneurship(起業家精神)を集結させた新規事業構想・立ち上げ

外部パートナーとの効果的な連携による、イノベーションや新規事業の創出をサポート

近年の環境変化に伴い、日本企業の抱える経営課題は大きく変化しており、既存事業に依らない、新たな収益の柱の構築が求められている。一方で、取り組みを進める企業からは、多くの悩みも聞かれる。新規事業の確実なローンチに向けては、Doer(起業家人材)や外部パートナーとの協業が肝要となる。

近年の環境変化(国内市場の縮小、デジタルトランスフォーメーションによる事業構造変化、COVID-19による生活スタイル、顧客・消費者ニーズの変化等)に伴い、日本企業の抱える経営課題は大きく変化しており、既存事業に依らない、新たな収益の柱の構築が求められています。
一方で、取り組みを進める企業では、既存事業を回すことには長けていても、不確実性が極めて高い新規事業をゼロから組み立て、スピード感を持って実行できる人材はこの10年続いていたベンチャーブームにおいて、大企業内では希少となってしまいました。したがって、新規事業開発を専門とする外部コンサルタントのコーチ的な起用・有望ベンチャーの買収等の対策も講じられてはいますが、十分に機能しているとはいえず、むしろ手段が目的化して、戦略的意図が不明瞭なベンチャー投資が増えてしまいました。
このような状況を打開するには、以下のポイントがあると考えています。

  1. 仕組み(組織・制度等)の整備のみならず、Doer(起業家人材)を活用した、新規事業アイデアの事業化に向けた推進力(Business Produce)
  2. 自社のリソースのみに頼らず、外部パートナーによる仮説を早期に構築し、有効活用する

 

Doer(起業家人材)を活用したBusiness Produce

新規事業の検討においては、市場・顧客ニーズ(マーケット視点)及び自社・パートナー候補の強み(ケイパビリティ視点)を踏まえて、ビジネスモデルのトライアル・アンド・エラーを高速で検討する必要があります。ここでは、顧客セグメント検討時、パートナー候補との討議持、市場規模の算出時、マネタイズ方法の検討時等、高頻度かつ複数回、ビジネスモデルをピボッドする必要性が生じます。

したがって、新規事業の推進に向けては、従前での日本の大企業における取り組みとは、全く異なる人員・マネジメント手法・KPI等が求められ、ありがちな新規事業の“ワナ“に陥らないためには、聖域なき社外活用を進め、既存事業とは異次元のスピードで、Business Produceに取り組むことが肝要となります。

こうした変革には、「Doer人材」が不可欠です。Doerとは、大企業の企画部門を中心に増殖したThinkerと違い、上位者や時には経営陣からの批判をものともせず、自ら胆力を持って試行/実践し、新たな解に辿り着く逞しさを有するルールブレイカーのことを言います。このような人材は現在の大企業の多くで欠乏しているため、出身や雇用形態を問わず不可欠な能力を有する人材を外部からも登用する“聖域なき”社外活用も成功の要件の一つになります。
 

	Doer(起業家人材)を活用したBusiness Produce
※クリックまたはタップして拡大表示できます

 

 

外部パートナーによる仮説の早期構築と、有効活用

Business Produceの現場では、週次でビジネスモデルの仮説が更新されることは珍しくなく、潜在顧客やパートナー候補の“生の声”を通じて、高速に仮説を検討・検証し、実現性を高めることが成功の要諦となります。

したがって、外部パートナー候補の検討においては、いわゆるウォーターフォール型のアプローチ(外部に求める要件検討→ロングリスト・ショートリスト作成→ターゲット企業へのコンタクト)のみに頼らずに、外部パートナーになり得る企業との討議を行いつつ、ビジネスモデルの仮説をブラッシュアップする、という迅速な動きが必要になります。


 

モニター デロイトの提供価値

モニター デロイトでは、「Scaling the edge(新規事業=EdgeがScaleして次代の本業になる)」というコンセプトのもと、大企業にとって新規事業は短期的に収益を追求するためのものだけでなく、10年後の自社のあるべき姿を先取りするもの、という考え方で新規事業に係る取り組みを打開します。ここでは、「外部コンサル」としての目線のみならず、「事業を共に創造する起業者・経営者」・「リスクを取る投資家」の目線で、新規事業案の検討、外部パートナーとの提携(提携・スタートアップ投資・JV設立等)、新規事業の立ち上げまで、一貫したご支援が可能です。
 

事業会社と投資会社のポートフォリオマネジメントは根本的に異なる
※クリックまたはタップして拡大表示できます

著者

白鳥 聡/Satoshi Shiratori
デロイト トーマツ コンサルティング アソシエイトディレクター

テクノロジーの進化など、外部環境の急速な変化に直面する企業に対し、外部企業との協業を活用した変革を支援する。
専門領域は、協業を活用した新事業開発や市場参入、Startup投資、提携・M&A(買収・売却・JV)の推進、事業リモデリング等。
モニター デロイトにおいて、外部協業を通じた事業創造を支援するInnovation M&Aサービスをリード。


pro

尾島 健/Ojima Takeshi
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 マネージャー

イノベーション・事業創造、組織再編・M&A等のコンサルティングに10年以上従事。
戦略・構想段階から設計・実装まで幅広い経験を持つ。
イノベーション・事業創造領域では、社会課題を起点とした新規事業テーマ検討、新規事業のビジネスモデル検討、イノベーション創出の仕組み設計等に多くの経験を有する。
また、組織再編・M&A領域では、企業の競争力向上や事業創造を念頭においた、経営統合・買収・グループ内再編(持株会社化、事業・子会社の統合・売却)等、多数の再編スキームの経験を有する。

 

(2020.8.07)
※上記の社名・役職・内容等は、掲載日時点のものとなります。

関連サービス

M&A Strategy

成長戦略策定、新規事業開発、海外進出等のシーンにおいて、外部企業との連携や協業(出資・買収・JV・提携)は今や日常的手段ですが、構想・交渉面で固有の難しさも存在します。難しさに対処しながら、創発的活動としての戦略策定と、適切なリスクテイクを支えるファイナンスの双方を融合した、In-Organicな戦略策定を支援します。また「相手ありき」のM&Aでも画餅化しない構想策定と、Post M&A局面の、着実なバリューアップ(Tangible Value-up)施策や事業創造の実現ステップまで、戦略と実行を融合させる打ち手を包括的に支援します。
 

お役に立ちましたか?