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グループ通算制度の重要ポイント その4(所得・税額計算の概要)~単体申告になったが、グループ全体計算も一部必要~

Japan Tax Newsletter:2021年2月1日号

グループ通算制度は、損益通算・欠損金の通算をするという特別な取扱いがある以外は、基本的に、各通算法人を納税主体とする単体申告です。そのため、所得計算・税額計算における個別項目については、各法人において計算することを基本的な考え方としています。ただし、一部の項目については通算グループ全体を加味するものもあり、通算制度特有の取扱いも一部残されています。これらの項目については、単体申告をしながら通算グループ全体を考慮した計算となり、やや複雑な取扱いとなるケースもあるため、それらの概要を説明します。

Executive Summary

  • グループ通算制度は、各通算法人を納税主体とするため、所得計算・税額計算における個別項目については、各法人において計算するのが基本となっている。しかし、一部の項目についてはグループ全体を加味して計算することとされている
  • グループ全体の要素を加味する項目の中には、グループ法人税制によりグループ通算制度の適用の有無を問わず適用される項目もあるが、これに加え、グループ通算制度特有の取扱いとして通算グループ全体を加味する項目がある
  • グループ通算制度特有の取扱いとして通算グループ全体を加味する項目には、中小法人等の判定、外国税額控除、試験研究費の税額控除等がある
  • 通算グループ全体を加味する項目については、修更正時にグループ内の他の法人の所得・税額計算への影響を遮断する措置が設けられているものもあるほか、計算方法の差により計算結果に影響があるため、取扱い内容の確認が必要である
  • 一部の租税特別措置については、グループ通算制度施行日である令和4年4月1日より前に適用期限を迎えるため、グループ通算制度を適用した場合の取扱いが未定となっているが、令和3年度税制改正に係る法案において、その一部が明らかになったため、その主要項目(大企業についての一定の租税特別措置の停止)についても解説する。

 

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※本記事は、掲載日時点で有効な日本国あるいは当該国の税法令等に基づくものです。掲載日以降に法令等が変更される可能性がありますが、これに対応して本記事が更新されるものではない点につきご留意ください。

 

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