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Future of Screens: スクリーンの未来

2030年におけるスクリーンを取り巻くシナリオ

今日のデジタル化された社会では、スマートフォンやタブレット、テレビ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスから車内ディスプレイ、屋外のデジタルサイネージに至るまで様々な数多くのスクリーンが存在し、情報やサービスを媒介しています。スクリーンの機能や役割が拡大する中で、今後市場はどう変化するのでしょうか。本稿では、4つのシナリオを設定して未来像を検討し、事業戦略検討・立案のヒントを提示します。

2030年におけるスクリーンを取り巻くシナリオ

※シナリオの詳細内容と「日本の視点」を含むレポート全体は、右側のダウンロードボタンをクリックしてご参照ください

本稿は、デロイトのセンター・フォー・ザ・ロング・ビュー(CLV)のシナリオ開発アプローチに基づき、メディア業界を分析したものです。

シナリオプランニングに当たっては、「スクリーンはどれだけ普及しているのか(普及度)」と「スクリーンの利用を推進するものは何か(推進要因)」という2軸を抽出し、それを基に具体的な4つの主要シナリオを設定しています。各シナリオにおけるプレイヤーの位置づけや、設定された前提条件などをステークホルダーそれぞれの目線で詳細に検討することで、今後各企業が取りうる戦略の立案に資するヒントを抽出できると考えられます。

シナリオ策定プロセス

シナリオ策定に当たっては、専門家インタビューをもとに、自然言語処理(NLP)アルゴリズムに基づく外部環境分析を実施し、広告業界の将来を形成する複数のドライバーを特定したのち、5つのカテゴリ(社会、技術、経済、環境、政治)に分け、スクリーンの未来に関する不確実性のレベルと影響度に応じて評価しました。

さらに、特に不確実性と関連性の高いドライバーについて相互依存性と適合性を測定するテストを実施し、関連性のレベルに従って集約化しました。このプロセスを経て、「スクリーン利用の主要な推進要因」「スクリーンの普及度」という2軸を基にして、4つのシナリオを配置するマトリクスを構成しました。

2030年のスクリーンについてのシナリオ概要
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4つのシナリオ

本稿ではデロイトCLVのシナリオ開発アプローチに基づき、以下の4つのシナリオを提示し、解説しています。

シナリオ1 Army of Interfaces インターフェースに取り囲まれる

→多数のスクリーンがコモディティ化した安価なハードウェアとして使用され、スクリーン利用のための無数のデータを作成・処理・収益化するデジタルプラットフォーム企業が活躍する

シナリオ2 My Personal Assistant 私だけのアシスタント

→人々はパーソナライズされた高性能デバイスを1人につき1台利用し、多数のアプリケーションを集約している。メガネ型スクリーンやスマートフォンを提供するハードウェアメーカーがユーザーデータを収集し、パーソナライズ体験を提供している

シナリオ3 Escape from Reality 現実からの逃避

→限られた数の高性能スクリーンを利用したメディア消費が主眼となり、高品質なデバイスを提供するサプライヤーと、高品質なデバイスで視聴するためのメディアサービスを提供するメディア企業の存在感が高まる

シナリオ4 Source of Distraction 目移りを招く要因

→スクリーンが至るところにあふれ、最低限にとどまるターゲティングにより多くの情報が過剰に供給される。スクリーン数と広告量は多くなるため、ハードウェアメーカーと広告業界には一定の恩恵はあるものの、多くのステークホルダーにとって厳しいシナリオになる。

こちらもご覧ください。

Future of Screens: Four future scenarios for 2030(英語サイト)

About center for the long view(英語サイト)

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