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DX:様々な開示要求に対する業務負荷軽減
決算報告業務の業務効率化を一層推進するための生成AI活用支援
東証からの上場企業に対する英文開示の義務化や、サステナビリティを始めとする非財務情報の開示要求の高まりなど、投資家に向けた情報開示のための業務負荷が増大しています。この課題を解決するために、デロイト トーマツは生成AIの活用により、資料作成等に関わる作業負荷を軽減し、開示要求の高まりに対する企業の開示業務効率化を支援します。
市場や投資家からの様々な開示要求
海外投資家との対話促進を目的として、東京証券取引所はプライム市場に上場する企業に対し、決算短信など重要情報の日英同時開示を義務づけることを発表しており、2025年4月からの適用が予定されています。3月決算の場合、決算短信及び決算説明資料は2025年3月期決算から、適時開示資料は2025年4月1日以降、日本語開示資料と同時の英文開示が求められます。また、有価証券報告書の開示時期を企業の株主総会前にすることも金融庁を中心に検討が進められており、企業は開示情報に対する一層の早期化が求められることになります。
一方で、開示情報の観点においても、2023年1月31日より有価証券報告書に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄が新設されたことに代表されるように、非財務情報の開示要求が拡がっていくトレンドにあります。
従来に比べ、より短期間に、より多くの情報を投資家へ開示することが求められていることに加え、開示関連業務を担える人材確保の難しさも相まって、これまで以上に業務負担への打開策が求められています。
決算報告関連資料の自動生成
デロイト トーマツは、上記課題の解決策として、生成AIを活用した開示要求に対する決算報告関連資料の自動生成実現を支援します。生成AIを活用することで、従来のRPA等のプロセスオートメーション技術だけでは効率化が進まなかったコンテクスト(文脈)を読み取った自動化が実現可能となります。また、有価証券報告書と株主総会時の準備に必要な想定Q&Aも生成することができます。具体例をご紹介します。
有価証券報告書草案の自動生成
生成AIを活用した文書作成はインプットとプロセスを適切に設計する必要があります。有価証券報告書は、明確なガイドラインやフォーマットがあることから、各種ガイドラインの情報を基に記載項目を確認し、財務諸表や従業員情報などの関連情報を収集します。
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有価証券報告書の項目によって作成プロセスが異なるため、生成AIを項目ごとにプロセスを可視化した上で組み込みます。例えば、「サステナビリティに関する考え方及び取組」についてであれば、委員会での討議内容が記載されている議事録や社内資料などをインプットとし、企業として強調したいキーワード・文字数・口調・その他前提事項を指示することで、有価証券報告書に記載する文章の草案を生成します。
株主総会時の想定Q&Aの自動生成
生成AIによって出力されるアウトプットをより実務で活用できるレベルにするためには、インプットとなる情報を充実させるだけでなく、生成AIに処理させるプロセスをより実務に近づけること、および生成AIへの指示(プロンプト)が肝要となります。
例えば、株主総会における想定Q&Aを作成する場合、担当者は一般的に①質問傾向を把握、②株主の関心が高そうなトピックを抽出、③想定質問作成、④回答作成という順で想定Q&Aを作成します。生成AIに対しても、一段階で最終的に期待するアウトプットを求めるのではなく、実態に則した①~④のプロセスを生成AIにも適用させることで、生成AIから出力させるアウトプットの質を向上させることが期待できます。
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また、質の高いアウトプットを得るためには、前述の実務知見に基づくプロセス設計に加え、プロンプトエンジニアリング(生成AIに望ましい結果を出力させるために、最適なプロンプトを作成するテクニック)も重要となります。①~④の各ステップにおいて、プロンプトには、実行するタスクの内容に留まらず、目的や背景情報も追記することで、期待する出力内容に近づけることができます。
従来のRPAによる自動化では、実務知見に基づいて適切なプロセスを構築することが求められていました。生成AIにおいてもRPAと同様に、業務知見に基づくプロセス構築が求められますが、加えて、生成AIが実行する各タスクのアウトプットを期待値に近づける、プロンプトエンジニアリング等の技術も必要となります。
導入アプローチ
デロイト トーマツでは、生成AIを活用した決算報告関連資料の自動生成において、システム構築の際に重要となる業務プロセス設計およびプロンプトエンジニアリングの技術を持つプロフェッショナルチームが企業の業務効率化・高度化を強力に支援します。
生成AIを活用したシステム構築は、一般的に効率化効果を確認しながら導入を進めていくアジャイルアプローチを推奨しております。生成する資料や文章の範囲を限定し、期待されるアウトプットに対して検証とチューニングを繰り返すことで効果を確認します。その後、順次対象範囲を拡げていくことになります。つまり、インプットとなるデータの準備、データの構造化、生成AIモデル構築、検証と精度評価を短サイクルで繰り返すことが重要になります。構築する範囲によりますが、標準的には約3か月で構築・検証・精度評価を繰り返し、業務として活用できるように支援します。
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東証の英文開示義務化に伴う対応支援サービス(Corporate as a Service)
決算情報や適時開示情報の英文同時開示に向けた翻訳支援のみならず、株主・投資家との円滑な対話の一層の促進を目的とし、企業にとっての開示の意義を可視化し、それを実現するための戦略立案、必要な方針・ルール策定、業務プロセスの構築までを一貫して支援します