Posted: 31 Jan. 2023 3 min. read

面白く、新しい未来(WOW!)を描こう!

【シリーズ】HOW経営からWOW経営へ:アートで個の想い・ポテンシャルを引き出し、イノベーションを起こすことを楽しもう

 

ワクワクしながら働いていますか?

わたしは、これが好きなんです!

わたしは、これがしたいんです!

 

ビジネスシーンですっかりと聞かなくなってしまった言葉だ。

実際、経営会議などで、このような言い方をしようものなら、「根拠は?定量的には?リスクは?…」など総ツッコミ状態になることが容易に目に浮かぶ。

ビジネスの場、特に“会社”では、“正しく、きちんと仕事をすること”が求められる傾向が強い。論理的に正しく、分析や考察を行い、論理的に着実に伝えることが、仕事では、とても大事であるとされている。特に、経営の重要な意思決定場面など、扱うトピックが重大であるほど、その傾向は強くなる。その結果、中期経営計画に書かれていることを見ても、ワクワクしないし、やりたいと思っている人が実は一人もいないということさえある。

この背景には、ここ数十年の経済環境の変遷が、経営者に与える心理的な影響も大きい。それは、もう二度とあのような大変な思いはしたくない、様々なステークホルダーに迷惑をかけたくない、という気持ちだ。

HOW経営からWOW経営へ:OVERALLs社×デロイトトーマツの協業リーダー、OVERALLs 代表取締役社長 赤澤岳人、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 Human Capital Division Co-Lead 執行役員 パートナー 岡本努
経営の未来に求められるWOW

しかし、果たして、このような論理的に正しいとされる方法でこれからの経営の未来を描いていけるのだろうか。ここに大きなチャレンジがあると、本連載執筆チームである「OVERALLs×デロイト トーマツ」は考える。ここ数十年、日本企業は、定量的な根拠を押さえた論理的な正しさを競い合うという営みによって、必ずしも大きな成果を残すことができていないという現実がある。また、魅力あふれるビジョンを持った経営者が現れたとしても、そのビジョンを論理的に正しいものとして証明しよう、きちんとした根拠に基づいた形で説明しようとすればするほど、「人の心には響かない」という結果に陥るだろう。

さらに言えば、果たしてそもそも、それで楽しいのか!?働いていてワクワクするのか!?という直感的な疑問が湧いてくる。論理的な正しさを追い求め、HOWを考え、実施する・作業することだけが仕事なら、人間の仕事は機械に取って代わられるであろう。では、これからの未来において、人間は何をやるのか。それは、結局、人の気持ち、意志、願望、ふつふつとした感情、好き・嫌い、嬉しい・楽しい・悲しい、などに基づいて、望むこと、欲するものを発想していくことではないだろうか。自分にとってのWOWとは何か!?チームにとってのWOWとは何か!?組織にとってはWOWとは何か!?そして、ひいては社会にとってのWOWとは何か!?に対して、素直に率直に想いを馳せ、それを表現し合って組み合わせていくような世界。こういう世界をビジネスや仕事のシーンにおいて作り出せないのか!?これこそが、本連載に込めた想いだ。

HOWではなくWOWを引き出す3つの問い

上述の通り、本連載では、HOWではなく、個人や組織のWOWを引き出すことを狙いとしている。具体的には、3つの問いにチャレンジをする。

  1. ビジネスシーンにおいて、もっと感情・気持ちをむき出しにすることができないか?
  2. その表現された感情・気持ちをお互いに尊重し合うことができないか?
  3. さらに、表現されたものを通じて、新しい価値を生み出すことができないか?

このチャレンジに向けて、提案したいのが、アート(≒絵)を使った表現とコミュニケーションである。ここでいうアートにおいては、流行りの映像技術やデジタル技術ではなく、“絵”という表現方法を我々は採用している。絵は、一瞬の場面・心情・イメージを切り取ったものであり、静止しているし、音はしないし、動きもしない。それがゆえに、その絵の描き手(もしくは、絵として表現する代弁者に対して伝えたメンバー)の想いと、受け手となる観察者の感じ方が、一致するにしても・しないにしても、交わっていき、そこから新しい情感や発想が生まれていく。

なおここで、絵の巧拙は一切関係ないという点を補足しておきたい。絵具を使って、キャンパスに向かって筆を下ろすことさえできれば大丈夫。むしろ、絵に不慣れで、表現方法が乏しい方が、絵を描く場面で苦労し、不自由さを感じ、それがゆえに立ち止まり、自身が考えていたことが何か?ということを振り返る時間が生まれる。

本連載では、 ビジネスシーンで実際に絵を描きながら行うワークショップ等、ちょっとした遊びをしながら体験するためのプレイブックも紹介していきたい。

さらに、絵以外の方法でも、ある種の思考の制約・ガイドを通じたエクササイズを行うことで、むしろ思考が深まり、自身の思い・意見が引き出され、また、その引き出された思い・意見を混じ合わせる醍醐味を味わうDeep Dive©という手法についても詳しく紹介する。

 

ビジネスシーンにおいて、感情や気持ちに素直になりながら、コミュニケーションしたり、自身の想いや希望、好き・嫌いを表現していくことは本当に難しい。しかしながら、そこにチャレンジすることが、仕事においてもワクワクを作り出し、面白く、楽しい未来(WOW!)を作っていく布石になると信じている。本連載が、みなさまのビジネスシーン、仕事上のコミュニケーションにおいて、普段は蓋をしてしまっている気持ちや感情を解放させ、WOW!へと向かっていく一助となれば幸いである。

HOW経営からWOW経営へ:OVERALLs社×デロイト トーマツのコラボレーションチーム

【シリーズ】
HOW経営からWOW経営へ:
アートで個の想い・ポテンシャルを引き出し、イノベーションを起こすことを楽しもう

[vol.1] 面白く、新しい未来(WOW!)を描こう!

[vol.2-1] <特別寄稿>【OVER ALLsを通じて実現したい社会】前編

[vol.2-2] <特別寄稿>【OVER ALLsを通じて実現したい社会】後編

関連リンク

デロイト トーマツ、OVER ALLsと協業し、企業の組織変革をアートで加速

 

【シリーズ】
HOW経営からWOW経営へ:
アートで個の想い・ポテンシャルを引き出し、イノベーションを起こすことを楽しもう

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