グローバルな金融犯罪リスク管理改革の有効性と次のステップ ブックマークが追加されました
調査レポート
グローバルな金融犯罪リスク管理改革の有効性と次のステップ
国際金融協会とデロイトによるホワイトペーパー
デロイトと国際金融協会(IIF)は2019年、国際的に一貫性のある規制改革と金融犯罪リスク管理に対するインテリジェンス主導型アプローチを統合し、不正資金の移動を抑制するための取り組みについて説明したホワイトペーパーを公表しました。
それ以降、これらの問題を巡っては世界中で注目に値する進展が見られ、金融活動作業部会(FATF)が長年にわたって主導してきた優れた取り組み、そして金融犯罪の特定から抑制、最終的には防止に向けた官民両セクターの協力が強化されています。
今回の新たなレポートは、2019年のホワイトペーパーを踏まえ、推奨事項に照らして進捗状況を追跡するとともに、この分野における世界的な規制・監督システムの改善のために必要な主要重点分野を特定することを通じて最新の情報をお届けするものです。レポートの内容は、当社の業界における豊富な経験、そして金融業界のマネーロンダリング防止とテロ資金供与対策(AML/CFT)のコンプライアンス責任者、法執行機関、政策立案者、規制当局の関係者との広範なインタビューに基づいています。
レポートの概要
本稿の第一部「金融犯罪リスク管理改革に関するグローバルな見通し」では、国際基準の設定機関と主要な国・地域で現在進んでいる特筆すべき金融犯罪リスク管理改革の取り組みを取り上げ、その概要を説明します。
第二部「金融犯罪リスク管理の有効性を継続的に向上させるために」では、官民両セクターの関係者に向けて、次にあげる四つの主要分野における推奨事項の実施を通じて金融犯罪防止戦略の有効性を継続的に向上させるための枠組みを紹介します。
- 金融インテリジェンスの活用
- リスクの優先順位付け
- テクノロジーとイノベーション
- 国際協力と能力構築
金融犯罪対策の枠組みは国・地域が異なれば成熟度も異なることが知られていますが、金融犯罪対策の原動力、効果、解決策は世界共通です。金融の不正利用、また、それにより社会と金融の安定性が損なわれる事態を阻止するためには、全世界が力を合わせて取り組みを続け、継続的に成果を挙げることが必要です。