Deloitte Insights

デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024 #1 はじめに

境界を超えて躍進する:境界のない世界における人間のパフォーマンス

従来のルールや組織の運営方法、評価基準を変える時が来ました。人間のパフォーマンスを優先することで、組織は境界のない未来へと飛躍することができます。

私たちは今、仕事がジョブに縛られず、職場が特定の場所に限定されず、多くの労働者が伝統的な雇用形態に留まらず、人事が単一の機能に閉じ込められない、新しい時代に立っています。これまで自然な秩序とされていた境界は消滅しつつあり、伝統的な仕事の在り方は、境界のない世界へと変わりつつあります。

1年前、私たちはデロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2023のレポートにおいて、このように変化する仕事の実態を紹介しました。この1年間で、変化は更に加速しています。

生成AIの出現、バーチャルな世界の台頭(私たちのデジタルクローンを含む)、そして脳を定量化できる脳科学技術の開発等、今起きている技術的な変化の多くは、まるでSF小説のページから飛び出してきたもののように思えるかもしれません。しかし、これらの概念は既に私たちの日々の現実となっています。予測不能なグローバル規模の問題、技術やAIの急速な進歩、組織文化や労働市場の変化、労働者のメンタルヘルスやウェルビーイングに関する懸念の高まり、そして仕事と職場に対する考え方の変化によって形作られる、不確実性の時代が到来しています。

これらの変動の中で、境界のない仕事の在り方を再構想することは、もはや架空の話でも、選択肢でもありません。かつて成果の測定に活用されていた評価基準は適用できないかもしれませんし、新しい環境下で組織が繫栄するための分かりやすい手引き書はありません。では、組織と労働者にとって、これから必要なものは何なのでしょうか?境界のない世界を支配する不確実性の中で、可能性と希望に満ちた未来を創造するために、私たちはどのようなステップを踏むことができるのでしょうか?

デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024の調査では、人間らしさに焦点を当てることが、仕事の未来を形成する変化について知ることと、それを具体的な行動に移して成果を生み出すこととのギャップを埋める上でのポイントとして浮かび上がっています。今年のグローバル調査(95カ国から14,000人以上の回答者が参加)の回答からも明らかなように、仕事から境界がなくなっていけばいくほど、共感や好奇心等の人間らしい能力がますます重要になっていきます。

私たちの調査は、人間の持続可能性を重視することが、人間の成果だけでなくビジネスの成果をも創出する好循環をもたらすことを示唆しています。人間の持続可能性とは、組織が人間としての価値を創造する度合のことです。つまり人々の健康と幸福感を高め、スキル強化により雇用可能性を高め、良い仕事1 を提供し、昇進の機会を創出し、公平性に向けて前進し、帰属意識を増加させ、パーパスへの繋がりを高めるといったことで、人々により大きな価値を提供することです。

このレポートにおいて、私たちは人間の成果とビジネスの成果の組み合わせを「人間のパフォーマンス」と呼んでいます。なぜなら今日のビジネスの成果を真に牽引しているのは、物理的な資産ではなく人間だからです。この視点は、組織が常に進化する働き方の未来を形成し、それに適応するために、これまで以上に必要とされています。

人間のパフォーマンスを示す新たな方程式

私たちは、人間のパフォーマンスを労働者、組織、そして社会にとって共通の価値を作り上げ、相互に強化し合うサイクルと定義します。

(人間の成果) x (ビジネスの成果) = 人間のパフォーマンス

今年のレポートでは、組織が人間のパフォーマンスの最大化を目指し、昨年紹介した新しい仕事の在り方を実装するための具体的な方法を紹介しています。

 

  • 研究者のように考える
    新しいデータやテクノロジーを活用して研究者のように考えることで、労働者の信頼を育む透明性を高めると共に、問題解決、創造的思考、イノベーション等の人間らしい能力を活用しながら、価値の実現につながるアイデアの探求、試行、実験に取り組みます。
  • 関係を共創する
    労働者と協力して、人事施策や、マイクロ・カルチャー、デジタル空間を設計することで、これらを労働者にとって有意義かつ人間の成果創出をサポートするものとします。
  • 人間の成果を優先する
    労働者を単なる数字や組織図の箱、プロセスの歯車として扱うことで仕事と労働者の人間性を奪う産業時代の思考から脱却し、労働者、組織、また彼らが運営するコミュニティのための共有価値を創造します。

幸いなことに、多くのリーダーは、人間のパフォーマンスに焦点を当てることが、躍進を続ける組織を作るための鍵であることを既に理解しています。しかし、知識と行動のギャップ2 を埋めるためには、従来の考え方や組織の運営方法、評価基準を手放す必要があります。

時代遅れの対策が足かせとなっている

従前より、組織は労働者の力を引き出すために、人間が仕事でより優れた結果を出すための構造、プロセス、技術、システムの導入を試みてきました。近年、これらの取り組みは、仕事そのものを人間にとってより良いものに改善しようという試みにまで拡大しています。3 直接雇用する従業員だけでなく、フリーランスやギグワーカー等の全ての労働者、将来の労働者、また彼らが影響を及ぼす地域社会の人々を含む全ての人間に価値を提供しようとする転換期に直面しています。しかしながら、ほとんどの場合、現在の取り組みは不十分です。多くの労働者は、昨年と比較して今年のウェルビーイングの状態が、悪化したかあるいは変わらなかったと述べています。4 これは決して目新しい傾向ではありません。2018年には、労働者の40%以上が仕事で強いストレスを感じており、生産性、健康、家族の安定に悪影響を及ぼしていると報告しました。5 燃え尽き症候群は珍しくなく、6 労働者の48%と管理職の53%が仕事で燃え尽きたと回答しており、ミレニアル世代とZ世代の労働者の半数近くが、常にまたはほとんどの時間においてストレスを感じていると報告しています。7 2023年のGallup State of the Global Workplaceの調査によると、世界の労働力の59%が 「静かな退職(quiet quitting)」をしていることが明らかになっています。

 

幸いなことに、多くのリーダーは、人間のパフォーマンスに焦点を当てることが、躍進を続ける組織を作るための鍵であることを既に理解しています。しかし、知識と行動のギャップを埋めるためには、従来の考え方や組織の運営方法、評価基準を手放す必要があります。

 

仕事での人間の能力向上に関して言えば、生産性へのパラノイア(リモートで働く労働者の生産性に対する懸念)9 が増加しています。リーダーの85%が、ハイブリッドワークへの移行により、労働時間の増加に対して労働者の生産性を確信することが難しくなっていると述べています。10 そして、新たな技術や生成AIを使って人間のパフォーマンスを測定し最適化する組織が増えてきている中で、組織はこれらの技術を創造し使用する人間の欠点や不十分さを認識する必要があります。

しかし、ほとんどの組織は人間のパフォーマンスを最適化することはおろか、それを把握するための適切な手段すら持っていません。デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024の調査回答者のうち、自分たちの組織が労働者によって創出される価値を極めて効果的に捉えることができていると答えたのはわずか3%でした。産業革命以降、働き方のスケールの拡大と複雑性の増大にも関わらず、私たちは仕事とパフォーマンスを測定するための不完全な枠組みを使ってきました。

例えば、私たちは 「従業員」 という概念を使って、フルタイムで働く人材を一緒くたにして表現してきましたが、これは組織のために価値を創出する全ての労働者のエコシステムを捉えきれてはいません。

また、私たちは 「ジョブ」 という概念を使って、反復可能な一連の機能やタスクを表現してきました。しかし、これでは従来のジョブの枠を超えて実施される今日の仕事の動的な性質が考慮できていません。

私たちは、共通の組織文化の構築に焦点を当て、組織が全体としてどのように運営されるべきかを語ってきましたが、実態としてほとんどの組織は無数のマイクロ・カルチャーによって構成されています。

私たちはこれまで「従業員エンゲージメント」を用いて組織と労働者の関係性を評価してきましたが、本来注目すべきは信頼の度合、つまり労働者にとって意義深い指標であったと言えます。労働者が組織のためにどこまで貢献する意欲があるかを測ることは、組織にとっては意義深いかもしれません。しかし、それが労働者にとって本当に有益な指標であるかどうかは明確ではありません。

そして、私たちは 「生産性」 という概念を用いて労働者の活動を管理してきましたが、望ましい人間やビジネスの成果や、将来的な価値の観点は十分に考慮できていませんでした。

これらの枠組みや評価基準は、本来捉えるべきものの不完全な置き換えであり、かつては一定の効果があったと言えます。組織の主な差別化要因が規模を拡大するための効率性であった時代において、従来の仕事の境界の中で業務の進捗を測り、組織を評価することができました。11 しかし、それらはよりシンプルで、常に仕事の革新が求められないような世界のために設計されており、組織が評価「すべき」ものを測る高度なツールがない時代に、何を評価「できる」かをもとに具現化されたものでした。かつて組織活動を構造化し、推進し、測定する一助となっていた枠組みや指標は、この10年間で生み出された、境界のない世界で新しい価値の実現を促すためのツールや学びの活用を妨げています。

これまで以上に多くのデータや技術、ツールが私たちの手元にある今、私たちは人間のパフォーマンスを測定する方法を再定義し、本来あるべき組織、現在および将来の労働者、そして社会全体の価値創造の姿に近づくための機会を得ています。

知識と行動のギャップを解消する

デロイト・グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024の調査では、労働者と雇用者との間の信頼が仕事の通貨となり、人間のパフォーマンスにとって重要な人間らしい能力を育成・発展させる機会に満ちた世界を紹介しています。自分たちが所属する組織が人間の持続可能性を目指して具体的な行動を起こしたり、労働者の未来のために様々な機会と場所を提供したりする姿を見た時、労働者はどのように感じるでしょうか。また、人に関わる専門性が組織に所属する全ての人の能力と責任となり、中央集権ではなく労働者との共創から生まれた各種取り組みや組織文化が定着すれば何が起こるでしょうか。

その結果は、組織、労働者、そして社会にとって、良いものになるでしょう。より多くのイノベーションや複雑な問題の解決、より高度な仕事、より健康で士気が高く、組織の目標に対して当事者意識を持ったパーパス・ドリブンの労働者が期待できます。

人間のパフォーマンスへのシフトは、ビジネスの成果と人間の成果が交差する場所から始まります。そして、この飛躍を実現するには、組織が過去の枠組みや指標を手放すマインドセットの転換が必要です。例えば、人間を資産ではなくコストとして捉える考え方や、価値や成果よりも活動の効率性を重視する方針は変えていかなければなりません。幸いなことに、私たちの調査に回答したほとんどのリーダーは、これらの転換が必要であることを既に十分認識しています。組織が成長できていない理由として、これらの変革の必要性に対する理解不足を挙げたのは回答者の一部(33%)に留まり、ほとんどの回答者が変革を実行する能力や限られたリソース、リーダーシップの欠如等の内部要因を挙げました。この結果を踏まえると、組織が人間のパフォーマンスを高め、境界のない世界を牽引していくためには、立ちはだかるマインドセットの障害を取り除くだけでなく、運用上の障害も突破していく必要があることが分かります。

 

人間のパフォーマンスへのシフトは、ビジネスの成果と人間の成果が交差する場所から始まります。

 

問題を認知している状態から、新しい働き方を定義し、実際に受け入れられている状態を目指すことは、生成AI等の新しい技術が組織の価値創造を促進するための多様な方法を生み出している今日において、特に重要です。これらの技術は、人間のパフォーマンスを推進するために活用できる組織内部の情報について前例のない透明性を提供する一方で、これまでにない挑戦ももたらします。組織は新たに得られる情報を、労働者による信頼の低下ではなく、強化のために活用できるよう、新たな責任の在り方を検討する必要があります。

今年のレポートでは、各トレンドの共通テーマである人間のパフォーマンスの最大化と、知識と行動のギャップを解消するための実践的なガイドラインを紹介します。

私たちが最初に紹介するトレンドは、人間の持続可能性についてです。この章では、私たちが人間のパフォーマンスの本質であると考える、人間の成果とビジネスの成果の関係性をより深く理解することから始めます。この議論を踏まえて、次の章では、組織が人間のパフォーマンスに関するゴールの達成状況を測るために活用すべき新たな指標について探求します。続いて、人間のパフォーマンス創出に欠かせない組織と労働者の信頼関係構築に向けて、透明性がもたらすメリットとデメリットについて議論します。

後半のトレンドは、具体的なアプローチに焦点を当てます。つまり、組織はどのようにして人間のパフォーマンスを促進できるのでしょうか、という問いに関する考察です。まず、生成AI等の新しい技術の進歩が、いかに人間の想像力の欠如を露呈させているか、について論じ、人間らしい能力の発揮と育成にあたって労働者に安全な「デジタル・プレイグラウンド」を提供することの重要性を議論します。続いて、労働者の能力を高める上で、画一的な組織文化から脱却し、多様なマイクロ・カルチャーを受け入れることが、いかに自律性やアジリティ、労働者のエクスペリエンス向上に貢献するかを探ります。そして最後に、人事部門が閉じられた専門機能から、人、事業、コミュニティと共に創られ、一体化していく境界のない領域へと進化していく中、人間のパフォーマンスが全ての人にとって共通責任になっていく未来について取り扱います。

今年のレポートで紹介するトレンドは、次の通りです。

人間の持続可能性を積極的に取り入れる:多くの組織にとって、従業員、外部協力者、顧客やコミュニティのメンバー等、「人」ほど重要なものはありません。これらの人間関係は、収益、イノベーション、知的財産、効率性、ブランド、生産性、適応力、リスク等を含む組織の価値の大部分を生み出しています。しかし、これらの関係性を優先するために組織が取っている行動は、十分な成果を上げていないように見えます。残念ながら、今も古い固定観念に縛られていて、人のために価値を創出することよりも、人から価値を吸い上げることに重点を置いている組織は少なくありません。リーダーは、人間の持続可能性という考え方を中心に組織の在り方を見直すべきです。

生産性ではなく、人間のパフォーマンスを測る:あらゆる業界のリーダーは、今日の労働環境における伝統的な生産性指標の限界を認識し始めています。労働者の生産性を一連のインプットとアウトプットの視点から測る従来の方法は、組織側の目線のみを反映したものになっています。新たな考え方として、労働者を一人の人間として捉え、その人が組織にどのように貢献できるかをより繊細な視点で考えることを提案します。では、組織が人間のパフォーマンスを効果的に評価するために、従来の生産性指標に代わる指標とはどのようなものでしょうか?人間のパフォーマンスを測る新たな方程式は、ビジネスと人間の持続可能性のバランスを取り入れ、組織と労働者の双方にとって共有・補完され合う結果を創出します。

プライバシーと透明性のバランスを通じて信頼を築く:技術の進歩により、組織内のあらゆる情報があらゆる人に対して公開されるようになっています。リーダーにとって、組織や労働者の状況を隅々まで見渡せるようになることは、魅力的かもしれません。しかし、新たに手に入れた透明性は、機会であり、脅威でもあります。責任を持って管理・利用されれば、透明性は人間のパフォーマンスを測り、解放することに役立てられるでしょう。他方で、プライバシーの侵害や、AIによる監視、労働者の全ての行動をコントロールしようとする試み等、公開された情報が悪用される可能性も大いにあります。一般的に、透明性は高ければ高いほど信頼関係の強化につながると思われがちですが、そう単純なことではありません。多くの組織は、透明性とプライバシーのバランスをどのように取っていくかが信頼を高めていくための鍵であり、情報の取り扱いを誤ると信頼関係を大きく損なう可能性があるということに気づいています。

想像力の欠如を克服する:技術の進歩は、多くの組織や労働者が人間と技術双方にとって最大の利益を得るための新たな働き方を想像する能力を上回っています。その結果、多くの組織が近いうちに想像力の欠如に直面する可能性があります。この不足を防ぐために、組織は好奇心、共感、創造性等の人間らしい能力を高め、運用していく必要があります。そして、労働者やチームにこれらを用いて自分たちの仕事を形成する自由を与えるべきです。一方、労働者は、AIやその他の破壊的技術が仕事の中でますます重要な役割を果たすようになる中、自分の未来を想像するためにこれらの能力が必要になると認識することが重要です。

デジタル・プレイグラウンドを作り、探索し、実験し、遊ぶ:変革のスピードが加速する中で、組織と個人が共に未来を想像し、探索し、共創するための安全な場所がますます必要となってきています。デロイトはこれらの場所を「デジタル・プレイグラウンド」と呼んでいます。デジタル・プレイグラウンドは特定の場所や仮想プラットフォームを指すものではありません。むしろ、それは活用される技術が意図的に選ばれ、それを使う機会が民主化される考え方やアプローチを指し、労働者が様々な可能性を実験、共創、そして探索するための機会と心理的な安全性を意味します。

マイクロ・カルチャーを育てる:これまで、組織文化は組織のメンバーが全員同じように働くことを前提とした、統一されたものであるべきだと考えられてきました。12 しかし実際には、組織の中に無数のマイクロ・カルチャーが存在しているのが一般的で、それぞれの機能や地域、構成員やチームの特徴によって仕事のやり方に微妙な違いがあることが多いです。組織は、マイクロ・カルチャーの存在を認めることで、優秀な人材を惹きつけ定着させ、変化に対してアジャイルに対応し、労働者のニーズに応えることができるでしょう。マイクロ・カルチャーの力を引き出すための鍵は、様々なグループの自律を促進し、それぞれの働き方を成立させるために(法令順守の範囲内で)必要なリソースを提供し、個別の文化とビジネス全体の戦略を組織の共通の行動指針に沿って当てはめていくことです。

境界のない人事へのシフト:仕事の成果を達成する上で、アジリティやイノベーション、コラボレーションがますます必要となっています。そして、この変化に対応するための道筋は、人事の新たなオペレーティングモデルを構築することだけではありません。仕組みや指標、技術に加えて、新たなマインドセットを持つことで、人事を中央集権的な専門機能から、人や事業、地域社会と共に創り上げられ、包含された、境界のない領域へと変えることができます。境界のない人事は、人に関わる専門性を育み、それをビジネス全体に織り込むことで、複雑化する問題に対する様々な解決策を生み出すことができます。

境界のない世界が進化する速度は、恐らく今後も加速し続けるでしょう。私たちの調査では、多くの組織がまだこの差し迫った未来に対応するために必要なマインドセットと業務の変革を実践できていないことが示されていますが、それは一方で、この変化に対する理解自体は進んでいることを示しています。多くの組織が行き詰まっているのは、具体的な行動をどのように起こすか、つまり、実際に人間のパフォーマンスを解放するための明確なステップをどう取るか、という点なのです。

私たちは、この状況を機会として捉えています。
なぜなら、私たちの分析では、知識と行動のギャップを埋めることに成功した組織は、より良いビジネスの成果と人間の成果を達成できる可能性が高いことが示されているからです。今年のトレンドで概説しているように、私たちは今、人間のパフォーマンスを向上させ、境界のない世界で躍進する機会を手にしているのです。

調査方法

デロイトのグローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2024は、世界95カ国の様々な業種・業界における14,000人のビジネス・人事リーダーを対象に実施されました。基礎データを形成する広範囲な調査に加えて、今年は労働者とリーダーそれぞれに特化した調査の視点を反映し、リーダーの認識と労働者の現実とのギャップを明らかにすることを目指しました。リーダー向けの調査は、最新の組織・人事課題に関するリーダーの考え方を理解するため、Oxford Economicsと共同で、世界中の経営者と役員1,000人を対象に実施されました。更に、これらの調査データは、複数の先進的な組織のリーダーとのインタビューによって補足されています。これらの洞察により、本レポートのトレンドが形作られました。

Endnotes

1 Jeff Schwartz, Kraig Eaton, David Mallon, Yves Van Durme, Maren Hauptmann, Shannon Poynton, and Nic Scoble-Williams, The worker-employer relationship disrupted: If we're not a family, what are we?, Deloitte Insights, July 21, 2021.

2 Jeffrey Pfeffer and Robert I. Sutton, The Knowing-Doing Gap: How Smart Companies Turn Knowledge into Action (Boston: Harvard Business School Press, 1999).

3 Steve Hatfield, Tara Mahoutchian, Nate Paynter, Nic Scoble-Williams, John Forsythe, Shannon Poynton, Martin Kamen, Lauren Kirby, Kraig Eaton, and Yves Van Durme, Powering human impact with technology, Deloitte Insights, January 9, 2023.

4 Jen Fisher, Paul H. Silverglate, Colleen Bordeaux, and Michael Gilmartin, As workforce well-being dips, leaders ask: What will it take to move the needle?, Deloitte Insights, June 20, 2023.

5 Gaurav Lahiri and Jeff Schwartz, Well-being: A strategy and a responsibility, Deloitte Insights, March 28, 2018.

6 Microsoft, Hybrid work is just work. Are we doing it wrong?, September 22, 2022.

7 eloitte, 2023 Gen Z and Millennial Survey—Waves of change: acknowledging progress, confronting setbacks, accessed December 15, 2023.

8 Gallup, State of the global workplace: 2023 report, accessed December 15, 2023.

9 Jean Brittain Leslie and Kelly Simmons, “The paradox of “productivity paranoia”,” Quartz, April 17, 2023.

10 Microsoft, Hybrid work is just work.

11 John Hagel III and John Seely Brown, “Great businesses scale their learning, not just their operations,” Harvard Business Review, June 7, 2017.

12 Linda Ray, “Types of corporate culture,” Bizfluent, April 20, 2018.

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