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Crunch time XVlll -決断の時18

ダイナミックファイナンス

常に変化し続けるビジネス環境に対処するにはどうしたらよいでしょう。答えは、経理財務部門自体がダイナミックになることです。ダイナミックファイナンスとは何か、なぜ重要なのか、そしてそれを組織で実現する際に皆さんがどう貢献できるかを解説します。

ダイナミックファイナンスとは?

ダイナミックファイナンスのケイパビリティ

「飛躍的に成長する企業」を目指す企業の間で、変化に適応できる企業は競争に勝つことができると理解されるようになってきました。この敏捷性こそが組織の競争力となり、戦略的優位性をもたらす原動力となります。しかしそれを可能にするためには、プロセスの簡素化と標準化、敏捷性を支える革新的なテクノロジーの基盤、高いスキルを有し技術的に優れた労働力が必要です。勝つために進化し、常に戦える状態にあり、そしてあらゆる変化を機会として捉える。それがダイナミックファイナンスのケイパビリティです。
 

なぜいま必要なのか?

それは、社内外で起こっている変化や、社会的、経済的、そして地政学的な変化が加速し続けることが予想されるからです。これから何が起こるのかは誰にも分かりません。しかし、何が起きても企業のトップはビジネスを失敗させるわけにはいきません。経理財務部門がダイナミックになるということは、変化の流れの中においても自社の競争、存続、繁栄を後押しできるようになるということです。それが今、ダイナミックファイナンスが必要な理由です。

Crunch time XVIII -決断の時18 ダイナミックファイナンス〔PDF, 4.79MB〕

ダイナミックファイナンスの原則

ダイナミックファイナンスは新しいオペレーティングモデルです。経理財務部門の責任者が会計の門番と正確かつ迅速な業務遂行の役割を果たしながら、経理財務部門を紋切型組織から変化に即応できる組織へと変革する方法をよりよく理解できるよう、一連の原則を定義づけしました。

ダイナミックファイナンスの原則
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変革を受容する組織マインド

この不明瞭な状況と継続的な進化が今後も続くことを受け入れます。今やビジネスのテンポは一変したのです。基幹テクノロジー、自動プロセス、構造化データモデル、豊富な知識を持つ人材といった、強固かつ柔軟な基盤を確保することで、変化する影響力に直面した際に企業をダイナミックにサポートすることができます。
 

スキルと経験を重視した育成

従業員のスキルと経験を重視します。全階層の人材に投資し、育成します。スキルアップは通常の業務の一環として行い、基礎的な財務スキルだけでなく、テクノロジーや問題解決のスキルも強化していく必要があります。従業員に成長の機会と余地を与えましょう。
 

プロセスの完全自動化

システムと自動化によって実行される業務プロセスを再考・再設計します。これは、テクノロジーの継続アップグレードにより促進しましょう。人間との相互作用による価値の付加と促進を徹底します。
 

情報のリアルタイム連携

信頼できる情報を即座に提供して欲しい企業のニーズに応えます。ビジネスニーズを完全に満たす情報の、現在の提供方法を検討してください。情報が消費されるスピードは劇的に変化し、ビジネスからの期待が高まっています。
 

データガバナンス

社内外のデータに対して強固なガバナンスを構築します。経理財務部門は、分析結果に迅速かつ柔軟に反応できるよう、データ構造、ソース、メンテナンスの方法を熟知していなければなりません。
 

テクノロジーの継続アップデート

企業に合わせた変化や拡張が可能な、互換的、かつ継続的に最新状態にアップデートできるプラットフォームを導入します。絶えず進化して経理財務部門に新たなケイパビリティをもたらすプラットフォームをフル活用しましょう。
 

リスクの検知と学習

リスクを感知、検討、緩和するケイパビリティを構築します。企業にとって最も重要なリスクと業績評価指標を把握・測定し、リスクに対応できるように備えましょう。

 

取り除くべき障壁

我々のこれまでの経験では、経理財務部門が自社が変化を乗り越えようとする際に、迅速に動けているケースはさほど多くありません。

取り除くべき障壁
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部門間の壁

経理財務部門の一部が他部門と連携していない、あるいは意思決定が下位層に及ぼす影響を把握するための会社との連携が取れていないと、業務量が増加してしまいます。
 

意識と風土の転換

変革はどの部門にとっても困難なことですが、統制を保つため常に重要な役割を果たしてきた経理財務部門にとっては特に難題です。変革を無事に乗り越えるには、柔軟性が安定の鍵だという意識への転換が必要です。
 

連携不足

経理財務部門を変革するには多くのことを行わなければならず、その全てが常に連携しているとは限りません。しかし、統合しなければ、ダイナミックファイナンス機能をもつ組織を実現することは不可能です。
 

レガシーシステムの存在

経理財務部門が使用する技術アーキテクチャとプラットフォームの変革にはコストがかかり、実施が困難な場合があります。そのため、システム変更だけでは壊れたプロセスや内在するデータ課題を解決することはできません。
 

目指す姿の不一致

変革の理由には様々な視点がありますが、全社的に整合性が保たれ、経営層から支持されるものであることが重要です。自分たちが向かっている方向や組織のビジョンを聞かれたときに、全員が答えられるようにしておかなければなりません。
 

資金調達

CFOは資金を巡って日々奮闘しています。CFOの多くは主に伝統的なROIを使用して投資対効果の検討資料を作成しています。また、必要な投資の根拠を説明するためには、より適切な情報をより迅速に入手することを重視する必要があります。

 

安定をもたらす仕組みの整備

常に変化と変化が生じているこの新たな環境において、何を良策とすることができるでしょうか。
その答えは、自部門を紋切型の組織から変化に即応できる組織に変革する責任を負う経理財務部門のリーダーの皆さん次第です。確実に言えるのは、「敏捷性と柔軟性を獲得し、プロセスの自動化と簡易化を実行している組織は、今後何が起きても成功できる可能性が高い」ということです。

今後も変化や変化は加速し続けるでしょう。しかし皆さんはビジネスの失敗を何としても阻止しなければなりません。機敏で、完璧よりも良策を尊重し、そして戦略的知見をもたらすために絶え間なく進化できる経理財務部門こそが、未来での活躍が期待できる組織です。変化に備えて戦略とその方向性を刷新することで、組織を長期的な成長に導きます。

それこそがダイナミックファイナンスの真髄なのです。

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