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Crunch time XV -決断の時15

エンタープライズビジネスプランニング(EBP)

複数の計画プロセスを一つの統合的なアプローチにすることができ、それにより主要部門長全員がコミットできる計画となり、その計画に対して全員が評価することが可能になったら、どう思いますか?

テクノロジーの活用

常に変化し続ける市況を把握するため、 EBPでは、AI による予測アルゴリズムを使用します。これらのデジタルツールにより、従業員、顧客、サプライヤー、流通業者、外部のデータプロバイダーからの膨大なリアルタイムの情報を高速処理することができ、企業が業務を効率化し、問題を予期して、仮定の変更を全社に周知する際に役立ちます。

また、次世代のプランニング・プラットフォームでは、信頼できる唯一の情報源、共通のデータ定義、高度なデータ可視化機能を提供することが可能です。熟練の従業員がこの技術を活用すれば、経理財務部門はより精度の高い分析を行えるようになり、より価値のあるビジネスパートナーとなることができます。

Crunch time XV -決断の時15 エンタープライズビジネスプランニング(EBP)〔PDF, 2.1MB〕

はじめるにあたって

あなたの会社の計画プロセスを連携させる上でもっとも大変なのは、どこから手を付けるかを決めることかもしれません。事業ごとにニーズは異なりますが、どの企業もプロセスを進めるにあたり、5つの重要ステップを考慮することが必要です。

  1. 目指す姿を定めます。経理財務部門以外の主要部門(例:調達物流部門、営業部門、マーケティング部門、人事部門等)の代表者を集め、どのように計画策定を行っていくのか、その方法を討議します。成功事例は何か?ボトルネックが生じているのはどこか?優れた技術で可能となり得ることは何か?従業員のどんな能力が必要となるか?などといったことを討議します。討議のゴールは最終的にありたい姿を明確に示すことです。
  2. ロードマップを作成します。目指す姿が定まったら、目標の実現に向けた戦略を策定します。「人員・プロセス・テクノロジー」の基本的な組み合わせを考えてみてください。計画策定の妨げとなっているスキルのギャップは何か?どうすれば各部門は計画プロセスをより効果的に連携できるのか?会社にとって、どのような技術や外部支援が新たな機会を掴むために役立つか?
  3. パイロット運用を行います。成功すれば全社的な導入と関心につながるため、即座に効果が出るユースケースを選びます。包括的なビジョンに合致する、小規模で管理可能なユースケースから始め、試験運用を実施し、想定どおりに機能するかを検証します。そして、どうすれば広範囲で他のユースケースを追加・実施できるかを検討します。
  4. 範囲を広げます。各試験運用の結果を追跡・確認し、目覚ましい成果をもたらす方法を模索します。教訓を生かして複数の事業部門でユースケースを改善・拡大することから始め、全社へと展開します。
  5. 関係者を巻き込みます。周囲の協力を得て推進をするには、経理財務部門のニーズだけで進めないことがポイントです。その代わり、会社の主要部門長を早期かつ高い頻度で関与させます。EBPには、組織的な連携と援助が必要となります。

 

早速試してみましょう

EBPでは、デジタルの発展と人間のインサイトを組み合わせ、最善の財務上・業務上の意思決定を行います。個人によるバイアスから社内政治、変化する仮定まで、予測の難しいさまざまな要因により計画策定が単純な作業となることはめったにありません。しかし、新たなツールや手法により、企業はリアルタイムで情報を収集・分析・共有することが以前よりも容易になり、計画プロセスにおいて、当て推量で意思決定を行うことがほとんどなくなりました。

統合化されたことで、計画策定はさらに大きく進化を遂げることができます。今回は企業の業績に影響を及ぼす複雑な問題に関して、CFOの皆さまに連携の取れた全社的な考察をご紹介しました。

チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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