調査レポート

Crunch time Ⅸ – 決断の時9

デジタル世界における税務

ファイナンス組織の変革やERP/会計システムの導入では「経理・決算」や「業績管理・予算管理」、または「資金管理・決済」といった機能が主軸になりがちです。しかし、ビジネス進出先国の税制対応、デジタル税制に代表される新たな概念の導入等、コンプライアンスの観点からも新たなテクノロジーの活用の重要性が高まっています。

デジタル世界における税務

少子化と年長の経験者世代の退職により、現在、市場に経験豊富な税務人材が十分に存在するとはいえません。グローバルでの複雑な規則や規制を考えると、税務人材市場はさらに厳しいものと言えるでしょう。 そのため、企業は税務業務でも機械学習・コグニティブツールやチャットボット等のテクノロジーを活用することは必然の流れと言えるでしょう。しかし、企業はERPのアップグレードに投資を行いますが、税務にそれほど多くの投資は行われていません。税務部門の多くはテクノロジーによる高度化の機会を見逃してきたも同然です。

Crunch time IX-決断の時9〔PDF,941KB〕

話したいことがあります

税務について一つ確実に言えることは、世界中で、かつてないほど多くの規制や税務政策が変わっているということです。しかし、今まで経理・財務リーダーは容易に思いつく方法で対応してきました。雇用を増やし、派遣社員を雇い、新たなテクノロジーソリューションを導入し、税務業務プロセスの一部をアウトソースしてきました。今まではこれらの対応で事足りていました。将来に環境変化が無いのであれば、今までどおりでよいはずですよね?

 

つまり、人を雇わなければならないということですか

少子化と年長の経験者世代の退職により、現在、市場に経験豊富な税務人材が十分に存在するとはいえません。グローバルでの複雑な規則や規制を考えると、税務人材市場はさらに厳しいものと言えるでしょう。 企業は税務業務をこなすため、機械学習・コグニティブツールやチャットボット等のテクノロジーが必要になります。そして、そのためには投資が必要です。

 

高度化とはどういうことですか

高度化によって今までとは異なるマインドを生みだしします。高度化した税務部門は、コンプライアンス機能から付加価値の高いプランニング・レポーティング機能へとシフトしていきます。

高度化された税務部門における業務とは 実際にはどのようなものでしょうか


それで、どんな計画ですか

経理・財務部門の変革に取り組んできたことがあるなら、変革に終わりのないことはご存知でしょう。それは税務についても同じことがいえます。
税務の高度化に必要なことの多くはEPRの導入で実現しますが、すべてではありません。 「可能なことを実行する技術(”Art of Possible”)」を実現するためには、BIツールのような他のテクノロジーと組み合わせることによって実現が可能となります。

 

結局、費用についてはどれくらいになるのですか

税務の高度化のためのビジネスケースは、ほぼすべてのグローバル企業で容易に実現できます。税務の高度化を上手く実行できれば、より適切にグローバルの実効税率を管理することができます。 また、自動化により効率的に税金還付申請を行い、VATの過大申告などの現金流出を削減することもできます。

 

投資しない場合にはどのようなリスクがありますか

企業が遵守しなければならない新たな規制の数は驚くほどたくさんあります。各国ごとに独自の要件があります。グローバル企業は日々、新たな規則に悩まされ、リスクは増加傾向にあります。もう一つのリスクは人材についてです。利用可能な人材母集団は縮小しており、企業が優秀な人材を確保することは以前より難しくなっています。

 

決断の時です

さらなる税制改正、税務の複雑化が進み、そしておそらく貴社の税務機能も変化が必要となるでしょう。新たなテクノロジーの活用や関連する税務業務の組織モデルを見直すことで、CFOは望みを叶えられるかもしれません。すなわち、経理・財務部門や他部門と強固に連携された、有能で効率的な税務部門の実現です。
 

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