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Crunch time VI – 決断の時6

デジタル世界の予測

なぜ、人間は未来に魅かれるのでしょうか。それは我々が進化の過程で受け継いできた遺伝子だからです。予測技術の向上により、"より充実した情報に基づく意思決定のための、より正確で、よりタイムリーな予測を提供する世界"は近づいています。

従来の予測とデジタル社会での予測

従来の予測プロセスは、ほとんど手動のプロセスで、その多くは表計算ソフトで行われおり、環境の変化から今後何が重要かを判断できないことも増え、かつ時間を要する業務と考えれていました。その結果、人間はしばしば自分の直観と判断に頼り、無意識のバイアスをかけたり、意識的に弱気な判断を下したりすることになりました。
しかし、今は新たな方法が出てきています。先進的な企業は人による予測とデータ主導の予測アルゴリズムとを共生させる予測プロセスへの移行を進めています。データ主導の予測アルゴリズムとは何か具体例を踏まえて紹介いたします。

Crunch Time Ⅵ -決断の時6〔PDF, 2194KB〕

アルゴリズム予測とは

最近では、将来を予測可能と宣伝するソフトウエアを当たり前のように見かけます。現実よりも期待が先行している感もあります。アルゴリズム予測は何もないところから何かを生み出す存在ではありませんし、100%の正確性を発揮する存在でもありません。しかし、自らの計画や予算、予測をより価値のあるものにする有効な手段です。多くのCFOがアルゴリズム予測の優先順位を高めている理由は以下の3つです。

  • 競争優位の確保
  • 前例が意味をなさない競争環境の拡大への対応
  • 広がる複雑性への対応

波及効果

  • アルゴリズム予測により、経理財務部門ではよりインサイトを示す業務が求められ、単純なマニュアル作業は減ります。
  • その場で判断しなければならない場合でも、より詳細な情報に基づく、よりスマートな意思決定が可能になります。
  • 予測は経理財務部門だけにとどまりません。マーケティングからサプライチェーン、人事などのあらゆる部門で、重要な意思決定をするために、将来を予測する必要があります

いま起きていること

企業の多くは、クラウドやインメモリーコンピューティング、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に投資しており、デジタル技術を活用した経理財務部門の実現に向けた旅路の途中にいます。それらへの投資に加え、多くの企業は予測に重点を置いたアドバンスドアナリティクスの取り込みを熱望しています。各社はより迅速で、信頼できる意思決定を可能にする予測を実現したいと考えています。この分野においてはデジタル投資の効果が見込まれる状況になってきています。

実際のアルゴリズム予測

以前は、予測チームが会議前に何日も徹夜仕事を強いられていました。表計算と格闘し、成長率を計算し、例外事例を検証しながら、過剰な量のコーヒーを飲んでいました。それはもう過去の出来事です。今では、予測機能を担うのはよく整備されたマシンで、80%以上の業務が自動的に処理されます。自分が望むどのような細かな業績データでも、手元のタブレット端末で手に入ります。ただリクエストを出せばいいだけです。さらに掘り下げたり、簡潔にしたり、例外条件を設けたり、電話会議が始まる前にいくつものシナリオを試せます。

何が変わったのだろうか?

ほとんどすべてが変わりました。

  • より多くより良いデータ
  • 正確性の向上により、信頼性も向上
  • モデルが増え選択肢も増大業績を左右する要素をより明確に把握
  • 悲観的にも楽観的にもならない

※画像をクリックかタップで拡大版をご覧いただけます。

動き出す前に

アルゴリズム予測へのコミットメントには、文化的な側面と統計的な側面の両方があります。その実現には、優秀な人員が洗練された技術と協調して活動する必要があります。片方だけでは成立しません。以下はデロイトが企業の取り組みを支援する中で得た教訓の一部です。

  • 人員に関わる教訓(例:確率論的な考え方の基礎や、予測の有効性を阻害する人間の一般的なバイアスの弊害について、チームを啓発する必要がある 等)
  • 統計に関する教訓(例:過去の業績は将来の業績予測に関連しない可能性があることを見過ごさない 等)
     

今後の展開

アルゴリズム予測は透明性のある手法で、予測プロセスの改善に役立つと同時に、経理財務部門の専門家を面倒な繰り返し作業から解放します。その成果として、より正確で、タイムリーな予測を提供し、より充実した情報に基づく意思決定が可能になります。皆さんや皆さんの同僚はインサイトを見いだしたり、対策を講じたりすることに時間を費やすことができ、至極退屈な表計算処理に費やす時間を削減できます。全員にプラスの効果をもたらすことから多くの企業で当たり前となる可能性が高いです。
 

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