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10年後を勝ち抜くためのサプライチェーン戦略

サプライチェーンのトレンドは大きな変化の局面を迎えており、10年後を見据えてグローバル化、分業化、ネットワーク複雑化に対応することが必要です。デロイト トーマツ グループは、これらの変化に対応するためのサプライチェーン戦略の新たな着眼点とソリューションを提供し、10年後を勝ち抜くためのサプライチェーン戦略策定と再構築を支援します。

これからのサプライチェーン戦略に必要な着眼点

バリューチェーンの観点から企業活動の変化を見ると、一つのバリューチェーンを複数の企業で分担する分業化の推進や、市場拡大や新興国地域の供給力の向上により、バリューチェーンがグローバル化することによるネットワークの複雑化の進行が、これまでにないスピードで進んでいます。これからもこの流れは、間違いないく加速していきます。
これまでのサプライチェーン戦略は、サプライチェーンのリードタイム、コスト、在庫を指標基準にして、オペレーションやプロセス、組織にフォーカスして策定されてきました。しかし、上記のようなグローバル化、分業化、ネットワーク複雑化に対応したサプライチェーン戦略を立案できている企業は多くありません。デロイト トーマツ グループでは、今後競争力のあるサプライチェーンを構築するためには、以下の5つの着眼点よりサプライチェーンをデザインし、戦略策定を行うべきだと考えています。

1 バリューチェーンモデルに適合したサプライチェーンモデルデザイン
事業戦略を達成するために必要なバリューチェーンモデルを定義した上で、サプライチェーン機能の要件を定義して、サプライチェーンモデルを設計することが必要です。

2 サプライチェーントータルコスト
サプライチェーンのコストとしては、製造コスト、資材コスト、配送コスト、保管コスト等がありますが、今後は、関税、法人税なども考慮して、サプライチェーンにかかる全てのコストを横断的に捉えて、サプライチェーンモデルを評価、デザインすることが必要です。

3 データの活用(サプライチェーンアナリティクス)
企業が活用できるデータがこの10年間で飛躍的に拡大しました。データを積極的に活用し、サプライチェーンが創出する付加価値を向上させることが必要です。

4 サプライチェーンリスク
バリューチェーンの分業化、ネットワーク化にともない複雑化したサプライチェーンに潜んでいるリスクを抽出し、リスクについて客観的に評価して、対策をすることが必要です。

5 サスティナビリティ
今後は貧困、環境、資源などの課題に焦点を当てたサプライチェーンの構築が必要です。特に新興国では、企業に社会課題の解決者としての側面を求めているため、事業拡大の際に戦略的に対応することが重要です。

自社の事業戦略と照らし合わせ、これら5つの着眼点よりサプラチェーン戦略を策定することが重要です。

サプライチェーンデザイン力が競争力を向上させる

サプライチェーンモデルは、バリューチェーンで定義した価値創出プロセスを、物理的な拠点と物流ネットワークで定義したものです。サプライチェーンモデルは、1 拠点、2 物流ネットワーク、3 リードタイム、4 モデルミックス、5 在庫ポイントの5つの構成要素で構成されます。

サプライチェーンモデルがバリューチェーンで定義したバリューを生み出していなければ、企業の競争力を創出することはできません。
バリューチェーンを意識したサプライチェーンモデルのデザイン企画を日本企業で実践している企業は少なく、生産、購買、物流などの各拠点や各機能の改革活動として実践している企業がほとんどです。確かに、サプライチェーンが自社のみで完結している等シンプルな構造である場合や、バリューの源泉が製品製造コストなどに集約されているケースは、十分それで対応可能だったのですが、近年は水平分業化の進展、同業による積極的なM&Aにより、拠点や機能に閉じた考え方では、競争力のあるサプライチェーンを維持することは不可能になっています。

競争力を向上させるサプライチェーンモデルを定義するには、バリューと、バリューを創出するメカニズムを明確にしたうえで、サプライチェーンモデルを定義することが必要です。サプライチェーンモデルを定義するステップとしては、以下の4つのステップで実施します。

1 事業目標の設定
2 事業戦略の策定
3 バリューチェーンモデルの定義
4 サプライチェーンモデルのデザイン

1、2は中期経営計画の策定等で実施されている場合が多いので、競争力のあるサプライチェーンを構築する観点では特に3、4のステップが重要となります。

(PDF,82KB)

プロフェッショナル

金澤 透/Toru Kanazawa

金澤 透/Toru Kanazawa

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役副社長

製造業を中心に戦略立案からオペレーション変革の実行を多数手掛け、end to endのトランスフォーメーションを遂行する経験を有している。 アジアパシフィック地域のサプライチェーンチームもリードしており、クロスボーダーの改革にも強みを持つ。 2019年6月よりデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役副社長(現職)。 >> オンラインフォームよりお問い合わせ... さらに見る

藤岡 稔大/Toshihiro Fujioka

藤岡 稔大/Toshihiro Fujioka

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員|デロイト トーマツ ノード合同会社 代表職務執行者社長

外資系ERPベンダーから、大手コンサルティング会社を経て現職。一貫してSCM、生産管理領域の業務/組織/システム設計に従事。グローバル需給調整プロセス、S&OPの構築プロジェクトの経験が豊富であり、グローバルかつ大規模プロジェクトのマネジメントに強みを持つ。 関連サービス ・ サプライチェーンマネジメント(SCM)(ナレッジ・サービス一覧はこちら) >> オンラインフォームよりお問い合わせ... さらに見る