ナレッジ

Governing Smart Cities

倫理的で責任あるスマートシティ開発のための政策実装における総合調査

本レポートは地方公共団体がポストコロナ社会を見据えてスマートシティ施策を推進するにあたり、倫理的かつ責任のある行政運営を実現し、適切なガバナンスをきかせていくための基準・ベンチマークについて論じています。

スマートシティ実装に係る5つのモデルポリシーを記載

経済発展の牽引役である都市部は、新型コロナウィルスを原因とする混乱により、現代における最大の公衆衛生上、および経済上の問題に直面しています。今、都市を率いるリーダーは、さらなる感染拡大に立ち向かうため、公衆衛生インフラの改善とレジリエンスを構築することを迫られています。ワクチン接種プログラムが再建に大きな役割を果たすことが見込まれる一方で、しばらくは、長引いたコロナが残していった経済的ダメージの爪痕と闘うことになるでしょう。

スマートシティ技術は、このような将来の課題に対して都市の応答性とレジリエンスを高め、かつ効率を促進し生活の質を向上させる役割を果たします。しかし、こうしたレジリエンスや効率の向上が新たなソリューションを導入するための新技術への投資をさらに促す一方で、倫理的で責任のあるガバナンスが内包されたポリシーを定める必要性があります。これにより、都市は、プライバシー、サイバーセキュリティまたは持続可能性に関するリスクを発生させることなく、混乱への対処に迅速に対応することができます。

しかしながら、他の都市と比較して、スマートシティ実装に係るポリシーを策定し、現場で実施しやすい状況にある都市もあります。市街地の急速な進展を実現するには、ナレッジの共有が必須になるでしょう。

ベストプラクティス(最良の事例)の活用やレジリエンスの強化における都市の取り組みを支援するために、デロイトは都市変革領域の重要なトピック(ビジョン、ガバナンス、インフラ、資金調達等)について技術的ソリューション、枠組み、ならびに戦略的アプローチを策定しました。また、都市が将来の課題により良く取り組めるように積極的な調査研究も実施しています。さらに、当社の取り組みで
ある「Urban Future with a Purpose」では、主要ステークホルダーを巻き込み、都市が認識するべき重要なトレンドについて討議しています。

都市の課題に取り組むことは、デロイトが世界経済フォーラムやG20スマートシティ都市連合(G20 Global Smart Cities Alliance:以下、GSCA)とともに現在行っている、スマート技術のガバナンスにおいて都市の羅針盤になるようなロードマップを策定し、実施する取り組みの焦点でもありました。このプロセスの最初のステップは、選出された都市における現行の事例と、ガバナンスの主要原則を織り込んだモデルポリシーを比較することで、ガバナンスにおけるギャップを特定することです。このエグゼクティブサマリーは、世界経済フォーラムの報告書『Governing Smart Cities: Policy Benchmarks for Ethical and Responsible Smart City Development』に基づいており、本編報告書では上述の取り組みのレビューやベンチマークとして活用できる5つのモデルポリシーについて記載しています。

「Governing Smart Cities」(PDF, 1.08MB )
※クリックかタップで拡大画像をご覧いただけます

日本のエキスパートによる見解

スマートシティガバナンスへの意識変革を

AIやブロックチェーン、IoT、ビッグデータ等の第四次産業革命のテクノロジーが社会を大きく変えていく中で、世界経済フォーラムは、法規制・ルールと最先端テクノロジーのギャップ、つまり「ガバナンスギャップ」を解消しなければいけない、との問題意識を強く社会に訴えてきました。しかし、「ガバナンスギャップ」の解消は、官民を交えたマルチステークホルダーで議論していくものであり、一朝一夕に実現できるものではありません。

では、持続可能なスマートシティの実現にあたり、地方公共団体は何に取組むべきでしょうか。

①第四次産業革命(4IR)テクノロジーおよび関連する法規制・ルールを正確に理解すること、②日本のみならず、世界の都市で実施されているスマートシティ施策の方向性や指針を学ぶこと、が肝要です。

>>続きをレポートで読む

 

お役に立ちましたか?