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ESGデータの収集・開示に係るサーベイ2023

2023年、最新の調査結果とデロイト トーマツの提言をPDFで公開中

世界的な非財務情報開示の標準化・義務化の潮流において、広く企業の対応状況と課題を把握するため、2021年度及び2022年度のサーベイに引き続き、2023年7月、「ESGデータの収集・開示に係るサーベイ2023」を実施しました。

調査結果サマリー

1.非財務情報の開示を巡る外部動向のモニタリング・分析
  • 日本における有報へのサステナビリティ情報開示義務化およびIFRS財団のISSBについて約9割が注視
  • 新設した「有価証券報告書へのサステナビリティ関連情報の開示」に関する設問では、直近年の実績データ(約8割)を可能な限り詳細に開示(約5割)したという割合が高く、タイムリーな開示に積極的な姿勢がみられる
  • 外部動向を受け基準/規則とのGAP分析を実施しているとの回答が7割で昨年から大幅に増加。また、約半数が組織設計の検討に着手済みと回答
2.連結範囲を対象とした非財務情報の収集・分析、内部統制の高度化
  • 新設した「サプライヤーのESGデータ収集」の設問では、収集ができているとの回答は1割弱であり、困難という回答が約6割であった。サプライヤーからのデータ収集に係るハードルの高さがうかがえ、テクノロジーの活用が期待される
  • 現在導入しているシステムによるESGデータの収集では、データの精度が悪い、エラーチェック機能が甘いと回答した回答者が約4割と年々増加傾向にあり、システムのアップデート・変更に対するニーズは高っている
  • ESGデータの第三者保証は約1割が監査法人系の監査人に変更済み。非財務情報の保証義務化や保証水準の厳格化に備える企業が出てきていると推察
3.非財務情報の開示と自社の企業価値との関連性に関するモニタリング・分析
  • 過去2年間の調査結果と同様、7割程度が「ESGデータの開示がどのように自社の企業価値に繋がっているかを分析し、経営の意思決定に活かしたいがまだ実施できていない」と回答
ESGデータの収集・開示に係るサーベイ2023(PDF, 1.9MB)

調査概要

  • 調査期間:2023年7月
  • 調査方法:Webサーベイ
  • 参加企業・回答者数:132社189名
  • 調査結果集計方法:複数選択可の設問の場合は棒グラフ、単一選択の設問の場合は円グラフで集計

ESGデータドリブン経営について

デロイト トーマツ グループでは外部/内部のESG関連データを収集・分析し経営の意思決定に活用する「ESGデータドリブン経営」の実装が今後企業に不可欠になると考えています。ESGデータドリブン経営とは、企業活動の努力を企業価値向上に繋げる経営管理基盤として、意思決定に必要なインプットおよび企業活動の結果(アウトプット)を財務・非財務問わずタイムリーに収集・分析することを可能とするアナリティクス基盤を整備・実装・活用することです。このESGデータドリブン経営が、これからの不確実性が高まる時代を生き抜くサステナブルな経営スタイルとして必須になると位置付けています。

ESGデータドリブン経営
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■過去の調査データは、以下からご覧いただけます。

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