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品質不正に関するガバナンス高度化

品質不正を「現場の問題」と矮小化せず、「全社的な経営アジェンダ」として取り組む

日本企業による品質不正は2020年代においても続発しており、品質を巡る「ガバナンス」の在り方が改めて問われています。品質不正に対して、「教育」や「トップメッセージ発信」は実施しているものの、「組織」や「制度・仕組み」などガバナンスの根幹にまで踏み込んだ対策は道半ばであり、全社的な経営アジェンダとしての取り組みが求められます。

1. 今、企業に求められる「品質ガバナンス」

近年、品質データの偽装や捏造・改ざん、製造・検査工程における法定基準・顧客仕様の非準拠、無資格検査などといった品質不正が多数発生しています。

上記のような品質不正が発覚した場合、企業は顧客や社会に対する説明や規制当局・監督官庁への対応の他、信用失墜による売上低迷や賠償責任に発展する恐れがあるなど、企業の存続にも重大な影響を与えかねません。

当グループが実施した調査によると、多くの企業が品質不正を防ぐための取り組みとして「教育」や「トップメッセージの発信」は積極的に実施している一方で、「組織」や「制度・仕組み」などガバナンスの根幹にまで踏み込んだ対策には多くの企業が課題を持っています。

 

2. 品質不正の発生原因の多くはガバナンスの不備

品質データ捏造や改竄などの品質不正は、個人的な利益のために行われる一般的な不正とは異なり、組織からのプレッシャーにより行われるケースや当事者に自覚がないまま無意識に行われるケースが多くみられます。これらのケースを防止するためには、従業員の倫理観に頼った「教育」や「トップメッセージの発信」だけではなく、プレッシャーや機会を与えないための組織体制や社内の制度・仕組みを整備することで、予防が可能となります。

 

3. 品質ガバナンス高度化に向けたアプローチ

健全な品質ガバナンスの構築にあたっては、「戦略」・「組織」・「制度・仕組み」・「業務」・「組織風土・価値観」の5つの観点から、課題や施策の検討を行うことが有効です。

 

品質ガバナンス高度化のための施策は様々ありますが、とりわけ「戦略」・「組織」・「制度・仕組み」は関係する部署が多く、経営アジェンダとして全社的な取り組みが必要になります。

 

デロイト トーマツ グループでは、経営アジェンダへ対応するための様々な専門家を有しており、品質不正の予防から対処・回復まで、幅広いサービスをワンストップで提供します。

プロフェッショナル

山内 達夫/Tatsuo Yamauchi

山内 達夫/Tatsuo Yamauchi

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー パートナー

有限責任監査法人トーマツに入社後、監査業務や株式公開支援業務に従事したのち、(社)日本証券業協会、(株)ジャスダック証券取引所上場審査部(現 日本取引所自主規制法人)に出向し、新興市場の上場審査業務に関与。 また、2012年より経済産業省経済産業政策局にて産業競争力強化法や、コーポレートガバナンス施策、組織再編税制・連結納税の改正業務に関与。 現在、取締役会・監査役会などコーポレートガバナンス、グ... さらに見る

佐藤 保則/Yasunori Sato

佐藤 保則/Yasunori Sato

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー パートナー

フォレンジック & クライシスマネジメントサービス副統括 監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)に入社後、国内法定監査・IPO支援に従事。その後2007年よりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて事業再生における調査、事業計画策定、金融支援交渉、スポンサー選定業務の他、M&A関連の調査等に従事。その後、大手自動車メーカーに出向し、国内事業会社の再編業務に携わる。2... さらに見る

森本 正一/Shoichi Morimoto

森本 正一/Shoichi Morimoto

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー パートナー

2016年から2018年、2022年から2024年にDeloitte Singaporeに出向し、東南アジア地区、現地での日系企業向けリスクアドバイザリーサービス担当チームのリーダーとして日系企業現地法人や地域統括拠点に対する様々な経営管理支援を行う。 2024年6月より日本に帰任し、デジタルガバナンスのリードパートナーの1人として活動。製造業向けの製品品質管理、業績管理基盤グループ展開、サステナ... さらに見る