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デロイト トーマツと取り組む「PBR1倍割れ問題」

企業価値向上のために上場企業がどのようなアプローチで取り組んでいくか

2023年3月に東証から資本効率改善要請が発表されました(PBR1倍割れ問題)。上場企業の半数以上がPBR1倍割れ、ROE8%未満という厳しい現状を踏まえ、抜本的な意識改革と経営方針の見直しが求められています。企業価値向上という、最大の経営課題を前に、上場企業各社がどのようなアプローチで何から着手すべきか、具体的に論点を整理するとともに、資本市場にどの媒体でいつ開示するのかといったIRも含め、デロイト トーマツのもつPBR向上ソリューションをご紹介します。

上場企業が直面する「PBR1倍割れ問題」とは

2023年3月に、東証より「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」が発表されました。

背景には、市場改革の一貫として、さらなる日本経済の活性化、そのための資本コストを意識した経営の推進や、中長期的な企業価値向上に向けた自律的な取り組みの動機付けとなる枠組み作りを推進したいという、東証の思いがあります。

上場企業の半数以上がPBR1倍割れ、ROE8%以下と現状は厳しく、上場企業のほとんどが他人事では済まされず、このいわゆる「PBR1倍割れ」問題に対し、具体的なアクションをとることが求められています。

 

PBR向上に向け、どのようなアプローチで取り組み事項を検討し、どの媒体でいつ開示をすべきか?

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東証は、「計画策定・開示の前提として十分な現状分析や検討を行っていただくことが肝要であることから、開示について具体的な開始時期の定めはありませんが、できる限り速やかな対応をお願いいたします」としています。また、開示形式について、「開示を行う書類・フォーマットの定めはありませんが、たとえば、経営戦略や経営計画、決算説明資料、自社ウェブサイト、上場維持基準の適合に向けた計画などの中で示すことなどが考えられます。なお、いずれの形式で開示をしている場合でも、投資者における把握のしやすさという観点から、開示を行っている旨やその閲覧方法(ウェブサイトのURLなど)について、コーポレート・ガバナンスに関する報告書の「コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示」の記載欄への記載をお願いいたします」としています。よって、3月決算企業の場合は、6月定時株主総会後に提出するガバナンス報告書で、その旨を記載することが1つのマイルストンになります。

従って、このタイミングまでに現状評価を行い取締役会等に報告、そして改善にむけた方針や具体的な目標を定める必要があります。

しかし、東証の要請が3月末だったこともあり、タイミング的に6月総会後のガバナンス報告書に間に合わなかったという企業は、6月から7月に詳細な現状評価や改善方針を定め、遅くとも8月から9月末までにはガバナンス報告書を更新することをお勧めします。
そうすれば、10月から11月の統合報告書やサステナビリティレポートの発表に間に合わせることができます。

11月頃には、2Q決算発表とあわせて中期経営計画の進捗説明を行う企業も多いため、そのタイミングで具体的な取組みを説明し、機関投資家とのIRロードショーに備えます。
対話実績を開示することも求められていますので、従来以上に、多くの機関投資家との対話を実施していくことになるはずです。

また、11月から年明けにかけては、議決権行使助言会社のポリシー案も更新されます。日本においても議決権行使助言会社の影響力は高まっています。すでに、ROEの低い状態が続いている会社に反対票を投じる方針は、主な助言会社のポリシーに盛り込まれてきていますが、今回の東証の要請を受け、PBRの改善に関する項目について、新たに議決権行使ポリシーに設ける議決権行使助言会社・機関投資家も増えてくるかもしません。

株価は複合的な要因で形成されることから、何か1つを実施したらPBRが改善するわけではありません。取り組むべき経営アジェンダは多いので、迅速に株価が低迷している原因を調査し、対応策を検討していく必要があります。

 

デロイト トーマツと取り組む「PBR向上の取組み」

デロイト トーマツでは、企業価値を向上させるドライバーを4つに分解し、各社の状況に合わせた最適なソリューションを提供しています。

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■現状分析・課題仮説立案

デロイト トーマツでは、PBRを向上させるための施策立案にむけ、現状分析に基づく課題仮説の立案支援を提供しています。
株価は様々な要因が複雑に絡み合って形成されるものであるため、株主・投資家の期待を踏まえて「多角的」かつ「総合的」に課題仮説を抽出・分析する必要がありますが、自社内では見えづらい・指摘しづらい課題も多いものです。

デロイト トーマツでは第三者として「客観的」に、何に対応すべきかに加え、何から対応すべきかの優先順位について助言することが可能です。

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■対応策立案・実行

この「PBR1倍割れ問題」への対応は、当然ながら企業価値向上という最大の経営課題に正面から総合的に取り組むことを意味しており、1つの部署で対応が完結することはありえません。

CFOやCSOが中心となって、経営企画、財務、経理、サステナビリティ、ガバナンス、IRなどの各部署を巻き込み、さらには、事業部門とコーポレート部門の垣根も超えて、全社ワンチームで取り組む必要があります。

デロイト トーマツでは、関連各部署の課題に応じた専門家を配置し、デロイトの専門知見を結集してワンストップでソリューションをご提案できることに加え、各部門の垣根を超えた全社横断でのプロジェクト設計、PMOとしてワンチームとしてプロジェクト推進をご支援することも可能です。

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部門横断プロジェクトの設計、客観的な立場からの現状評価・分析、具体的な個別課題の解決まで、ご関心のあるテーマについてお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

【デロイト トーマツが提供可能なアドバイザリーサービス例】

  • 稼ぐ力の訴求
    付加価値向上による利益率向上
    投資マネジメント高度化
    デジタル戦略の見直し
    ROE・ROIC経営導入
  • 財務レバレッジの適正化
    資本コストを踏まえた財務戦略・資本政策の策定
    キャッシュフロー戦略(キャッシュアロケーション)の見直し
  • 成長期待の醸成
    価値創造ストーリーの立案
    非財務情報の株価インパクト分析
    社会・環境価値のインパクト評価
    人的資本経営
  • ガバナンス強化
    グループガバナンス体制構築
    グループ経営管理高度化
    事業リスクマネジメント高度化
    事業ポートフォリオマネジメント高度化(資源配分ルール設定等)
    インオーガニックグロース施策(M&A、アクセラレータプログラム、ベンチャー投資、CVC等)

プロフェッショナル

山内 達夫/Tatsuo Yamauchi

山内 達夫/Tatsuo Yamauchi

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー パートナー

有限責任監査法人トーマツに入社後、監査業務や株式公開支援業務に従事したのち、(社)日本証券業協会、(株)ジャスダック証券取引所上場審査部(現 日本取引所自主規制法人)に出向し、新興市場の上場審査業務に関与。 また、2012年より経済産業省経済産業政策局にて産業競争力強化法や、コーポレートガバナンス施策、組織再編税制・連結納税の改正業務に関与。 現在、取締役会・監査役会などコーポレートガバナンス、グ... さらに見る

川島 悦朗/Etsuro Kawashima

川島 悦朗/Etsuro Kawashima

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー パートナー

公認会計士。2004年監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入社後、上場企業の監査業務、IPO支援業務、財務DD等の業務に従事した後、英国Deloitte ロンドン事務所への出向を経験。 帰国後は、投資基準策定・投資時のリスク管理体制構築支援、PMI支援、売却時におけるセパレーション・事業カーブアウト支援に至るまで、ワンストップサービスで業務を提供している。 また、近年ではベンチャー投資... さらに見る

関本 哲也/Tetsuya Sekimoto

関本 哲也/Tetsuya Sekimoto

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー マネージングディレクター

公認会計士。2007年に監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入社後、法定監査業務、 J-SOX支援業務、株式公開支援業務に関与した後、企業価値評価、財務デューデリジェンス等のFAS業務に従事。2013年から国内大手サービス業の株式公開支援業務に関与し、主に資本政策のアドバイザリー業務を経験。 現在は、M&A関連業務を担当する他、投資マネジメント高度化、事業リスク管理高度化(リスク定量化含... さらに見る

永井 希依彦/Kiyohiko Nagai

永井 希依彦/Kiyohiko Nagai

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー マネージングディレクター

海外での研究活動および大手重工業を経て、デロイト トーマツ コンサルティングに入社。耐久消費財、特に産業機械・設備の分野において、事業戦略、市場性評価、マーケティングに関するコンサルティングプロジェクトに従事。その後、製造企業の立ち上げに参画し、執行役員として立ち上げから運営までを主導 現在は、デロイト トーマツ グループにて、ファイナンスとインダストリー知識の融合をテーマにサービスの開発と提供を... さらに見る