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ナレッジ
M&AをトリガーとしたDigital Transformation(DX)の実現
既存の枠組みに縛られないDX戦略の検討とM&Aシナジーの創出
M&Aは変革促進の好機であることから、本社におけるDigital Transformation推進のトリガーとしてM&Aを活用することは非常に有効なやり方となります。M&Aによる新しいシナジーのありかたとしてDXの加速・実現が挙げられます。
DXプロジェクトの実情
日本企業がDX(Digital Transformation/デジタル変革)を標榜し、専用の組織を整え、新たな取り組みを始めて久しい。しかし、2018年経済産業省による「2025年の崖」でも経営面や人材面、新旧技術面の視点からの問題提起がされているようにDXを冠したプロジェクトが多く立ち上がる中、DXの定義、プロジェクトの目標や目的の定義が不十分であったり、推進に必要なCxOのコミットメントやユーザ部門の巻き込みが不十分であったりと、難航しているプロジェクトも多数見受けられる。
Monitor M&Aの考えるアプローチ
DXプロジェクトの効果的な立ち上げの手法として、以下のアプローチを提案する。
まず、DXの定義を明確にすることである。ここでは、DXを「デジタル技術を活用して、企業のミッションを達成するため、企業文化、組織、業務プロセス、それを支える仕組みを変革し、競争上の優位を達成すること」と定義する。DX推進プロジェクトでは技術の活用に焦点が集まることがあるが、企業がミッションを達成することに貢献するデジタル技術の活用こそが肝要である。
次に、DX推進に会社の大きな変革のタイミングを活用、全社を巻き込んだDXプロジェクトを立ち上げることである。特に、社外との資本提携(すなわちM&A)は、DXを飛躍的に加速させる可能性を秘めている。我々はM&AによるDX推進で、ふたつのアプローチを提唱、実践している。
ひとつはデジタルキャプチャー(DC)。DCでは、狙ったデジタルテクノロジー企業と共同出資で子会社を設立し(すなわちJV)、先方からは最先端のデジタルテクノロジーを、自社からは自社のビジネスのノウハウをそれぞれ拠出することで、自社にとって(例えばデジタルによる商品開発)確実に成果の出るDXを進めていくことが可能となる。
もうひとつはデジタルショーケース(DS)。DSでは、自社に近い事業会社(できれば自社より小規模な企業)を買収し、まずそこで全社的なDXにチャレンジして本体にとってのデジタルショーケースとした上で、そこでの学びを本体に導入することである。
DXには、自社の強み、弱みのどの部分をDXで改革させたいかという強い意識と深い洞察が求められることから、DCもDSも、DXを進めていく主体はあくまでも自社であり、ベンダーや他のユーザ企業で検証中のソリューションではないことを前提としている。
モニター デロイトのケイパビリティ
モニター デロイトでは、M&A戦略策定、ディール実行、PMIというテーマで国内外のあらゆる業界のお客様の支援をしてきた実績がある。それに加えて、M&A後の企業システムのあり方に関する構想策定、プロジェクト立ち上げも併せてご支援してきた実績を有する。ここに国内外のデロイト ネットワークのDX知見も活用して、DCやDSの両アプローチを中心に既存組織、プロセス、ITに縛られて進まなかったDX推進実現をご支援します。
<図表1>
関連サービス
Technology-driven M&A and Transformation
M&A及びその実行後のビジネスを成功に導いていく上で、テクノロジー上手に使いこなしていくことは必須と言えます。デロイトは、M&Aの構想時点から、Digital Technology及びLegacy Technologyを使い分けたIT戦略立案、ディールの実行およびその後の企業変革(Transformation)までを一気通貫でサポートいたします。テクノロジーを起点としたM&Aや企業変革におけるデロイトの国内外の最先端の方法論や事例、ノウハウをご活用ください。